休蔵さん
レビュアー:
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2018年に東京国立博物館の特別展「縄文 1万年の美の鼓動」に合わせた特集号。それにしても、インパクト大の表紙だな。
2018年7月3日から9月2日にかけて、東京国立博物館で行われた特別展「縄文 1万年の美の鼓動」に合わせて組まれた特集号。
稲作が普及する前、狩猟・採集を主な生業としていた縄文人たちの文化を優しく解説。
表紙は重要文化財の遮光器土偶だが、それ以外のフォルムの土偶の写真も多く形成されている。
顔が三角の土偶、顔がハート形の土偶、ハート形の尻を持つ土偶など様々な土偶が紹介されており、河童形と称された土偶もいた。
なにげなく眺めてみたら、ガンダムのモビルスーツを思い起こされた。
特に2014年に国宝指定された長野県茅野市中ツ原遺跡で出土の“仮面の女神”と名付けられた土偶は、丸く太い安定した脚部が付いており、ドムのフォルムを示す。
縄文人はどんな思い込めて土偶を作ったのだろう。
そして、なぜ廃棄したのだろう。
土器の把手に人面をつけたり、胴部に顔がひょっこり出ている土器もあるようだ。
普通の生活に使用するというものではないのは想像できるが、具体的な使用方法はよく分からない。
胴部にひょっこり顔を出した土器は新生児を表現したとされ、“出産文土器”とか“誕生土器”とか呼ばれているとか。
まあそれも現代人の想像に過ぎないのかも知れない。
土製品は人の形を模した土偶に限らない。
2019年の干支であるイノシシ形の土製品もあるようだ。
これなど狩猟繁栄を願って作ったのかもしれない。
想像だけど・・・
芸術家の岡本太郎は縄文土器を見て、いろいろとインスピレーションを得たようだ。
まさしく芸術が爆発したような縄文文化の文物。
しかし、縄文人は芸術家ではなく、日常生活を送るなかで様々なものを生み出したに過ぎない。
本書には縄文人の1日や一生も掲載している。
それによると、13~18歳に成人式を迎え抜歯・・・
現代の18歳成人論で抜歯という通過儀礼はもちろん出てこないが、当時はそれが当たり前の行為だった。
抜歯を終えたことが大人の証。
それに耐えられなければ、大人ではないということ。
それでは、現代人の大人の証はいったい何なのだろうか。
単に年齢論に終始している現代の議論は、どこか空虚な雰囲気を帯びている気がしてならない。
本書には、縄文を学ぶことができる全国各地の遺跡や博物館も掲載している。
本特集のきっかけは東京国立博物館における特別展だったけど、それが終了した今でも縄文を学ぶ機会は各地に転がっているようだ。
ざっと眺めてみて驚愕した。
なんと2か所しか行ったことがなかった!
日本文化の根幹に位置する縄文文化。
それを知ることができる施設が各地にあり、生の資料が見学できるにも関わらず、なんともぼんやり過ごしてきたものやら。
本書を参考にしながら、国内旅行の計画を練ってみようかな。
稲作が普及する前、狩猟・採集を主な生業としていた縄文人たちの文化を優しく解説。
表紙は重要文化財の遮光器土偶だが、それ以外のフォルムの土偶の写真も多く形成されている。
顔が三角の土偶、顔がハート形の土偶、ハート形の尻を持つ土偶など様々な土偶が紹介されており、河童形と称された土偶もいた。
なにげなく眺めてみたら、ガンダムのモビルスーツを思い起こされた。
特に2014年に国宝指定された長野県茅野市中ツ原遺跡で出土の“仮面の女神”と名付けられた土偶は、丸く太い安定した脚部が付いており、ドムのフォルムを示す。
縄文人はどんな思い込めて土偶を作ったのだろう。
そして、なぜ廃棄したのだろう。
土器の把手に人面をつけたり、胴部に顔がひょっこり出ている土器もあるようだ。
普通の生活に使用するというものではないのは想像できるが、具体的な使用方法はよく分からない。
胴部にひょっこり顔を出した土器は新生児を表現したとされ、“出産文土器”とか“誕生土器”とか呼ばれているとか。
まあそれも現代人の想像に過ぎないのかも知れない。
土製品は人の形を模した土偶に限らない。
2019年の干支であるイノシシ形の土製品もあるようだ。
これなど狩猟繁栄を願って作ったのかもしれない。
想像だけど・・・
芸術家の岡本太郎は縄文土器を見て、いろいろとインスピレーションを得たようだ。
まさしく芸術が爆発したような縄文文化の文物。
しかし、縄文人は芸術家ではなく、日常生活を送るなかで様々なものを生み出したに過ぎない。
本書には縄文人の1日や一生も掲載している。
それによると、13~18歳に成人式を迎え抜歯・・・
現代の18歳成人論で抜歯という通過儀礼はもちろん出てこないが、当時はそれが当たり前の行為だった。
抜歯を終えたことが大人の証。
それに耐えられなければ、大人ではないということ。
それでは、現代人の大人の証はいったい何なのだろうか。
単に年齢論に終始している現代の議論は、どこか空虚な雰囲気を帯びている気がしてならない。
本書には、縄文を学ぶことができる全国各地の遺跡や博物館も掲載している。
本特集のきっかけは東京国立博物館における特別展だったけど、それが終了した今でも縄文を学ぶ機会は各地に転がっているようだ。
ざっと眺めてみて驚愕した。
なんと2か所しか行ったことがなかった!
日本文化の根幹に位置する縄文文化。
それを知ることができる施設が各地にあり、生の資料が見学できるにも関わらず、なんともぼんやり過ごしてきたものやら。
本書を参考にしながら、国内旅行の計画を練ってみようかな。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント
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- 出版社:エイ出版社
- ページ数:0
- ISBN:4910164250981
- 発売日:2018年08月06日
- 価格:980円
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