ホセさん
レビュアー:
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父親が亡くなったあとの喫茶店を継いで、朝・昼・晩と違うものを出すお店をやっていくことになる、三人姉妹をめぐるお話。
101 原田ひ香 「三人屋」
父親が亡くなったあとの喫茶店を継いで、朝・昼・晩と違うものを出すお店をやっていくことになる、三人姉妹をめぐるお話。
5つの章は、店のお客や亡き父を主体に書かれているのだが、終わってみると三人姉妹の再生の物語である事がくっきりと浮かび上がっている。
なかなか上手だ。
私鉄駅の商店街にある喫茶店「ル・ジュール」が、表を綺麗にして「モーニング 390円」の看板をあげ、近所に住む森野は入ってみる。
美味しいパンとコーヒーとジャム、そしてそれを出す若い朝日を気に入り、通い近所の常連達と顔見知りになっていく。
ある時、訳あって午前休にした森野は昼のコーヒーに寄るが、そこには「うどん 390円」の看板と、不愛想だが凛とした女主人が居た。
常連の飯島が居り「朝日の姉ちゃんのまひるだよ」と教えられ、森野はこの店が3つの顔を持つ事を知る。
夜は水商売が板についた、長女の夜月がスナックにしており、常連達はここを「三人屋」と呼んでいたのだ。
5つのお話しを個別に見ると、2つめの独身地鶏肉屋三觜と幼馴で出戻りの靖子のロマンスがなんとも焦らされるがいい。
こういうのもアリだなぁ、若い人には無理だろうけど(^-^;
地元では何をやっても噂になってしまう。老人たちは自分の人生に飽いているから。
マックの奥の席が(老人はマックに来ず)盲点だが、見つかったら逆に倍返しの噂になる。
その老人が森野に耳打ちする「飯島は姉妹全員と駆け落ちをしたんだよ(^_-)-☆」と。
それら軽~いドタバタ(中には重たいのもあるが、さらっと書いている)を繰り返しながら、
店を運営する事で、今までしっくりいっていなかった姉妹の関係が少しづつ変わってくる。
また、父の忘れ形見と言える、若き父が小さなオケでピッコロを吹いている第九のレコードを、三人は探す。
レコードを見つけた夜月は・・・
そして・・・
ビーンと琴線に触られたり、ジワリジワリと後々染み込んでくる程ではないのだが、
上手なインストゥルメンタルを聴いた後のように、爽やかな元気がでる作品だ。
(2015/9/9)
PS 「地続きは女房を質に入れても買え」だそうだ。
父親が亡くなったあとの喫茶店を継いで、朝・昼・晩と違うものを出すお店をやっていくことになる、三人姉妹をめぐるお話。
5つの章は、店のお客や亡き父を主体に書かれているのだが、終わってみると三人姉妹の再生の物語である事がくっきりと浮かび上がっている。
なかなか上手だ。
私鉄駅の商店街にある喫茶店「ル・ジュール」が、表を綺麗にして「モーニング 390円」の看板をあげ、近所に住む森野は入ってみる。
美味しいパンとコーヒーとジャム、そしてそれを出す若い朝日を気に入り、通い近所の常連達と顔見知りになっていく。
ある時、訳あって午前休にした森野は昼のコーヒーに寄るが、そこには「うどん 390円」の看板と、不愛想だが凛とした女主人が居た。
常連の飯島が居り「朝日の姉ちゃんのまひるだよ」と教えられ、森野はこの店が3つの顔を持つ事を知る。
夜は水商売が板についた、長女の夜月がスナックにしており、常連達はここを「三人屋」と呼んでいたのだ。
5つのお話しを個別に見ると、2つめの独身地鶏肉屋三觜と幼馴で出戻りの靖子のロマンスがなんとも焦らされるがいい。
こういうのもアリだなぁ、若い人には無理だろうけど(^-^;
地元では何をやっても噂になってしまう。老人たちは自分の人生に飽いているから。
マックの奥の席が(老人はマックに来ず)盲点だが、見つかったら逆に倍返しの噂になる。
その老人が森野に耳打ちする「飯島は姉妹全員と駆け落ちをしたんだよ(^_-)-☆」と。
それら軽~いドタバタ(中には重たいのもあるが、さらっと書いている)を繰り返しながら、
店を運営する事で、今までしっくりいっていなかった姉妹の関係が少しづつ変わってくる。
また、父の忘れ形見と言える、若き父が小さなオケでピッコロを吹いている第九のレコードを、三人は探す。
レコードを見つけた夜月は・・・
そして・・・
ビーンと琴線に触られたり、ジワリジワリと後々染み込んでくる程ではないのだが、
上手なインストゥルメンタルを聴いた後のように、爽やかな元気がでる作品だ。
(2015/9/9)
PS 「地続きは女房を質に入れても買え」だそうだ。
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語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。
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- 出版社:実業之日本社
- ページ数:320
- ISBN:9784408554075
- 発売日:2018年02月06日
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