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武藤吐夢
レビュアー:
発想が面白かった。ホラー短編集。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

表紙に感動の・・・という言葉があるが、表題作は少しうるっときたが、他の作品に感動要素は皆無です。

本書を評するとしたら、ホラー短編集となります。

表題作の いっぺんさん は 良い話しです。
山の奥にある いっぺんさん という神様に願い事をすると何でもいっぺんだけ叶うという
少年二人は願い事に行くが・・・警官になりたいが父が前科者という少年が病気で死んでしまう。
もう一人の少年の弟も死にかけ、その時、彼は願い事をする。弟が助かりますように・・・。

車が渋滞し絶対絶命のピンチに現れた警官が死んだ友が大人になった姿にそっくりというオチがいい。

ホラー臭は弱いが面白かったのは、逆井水だ。
いきずりの女を抱きラッキーと喜んでいた旅人の男。
妹が村にいるからと・・・言われてのこのこ行くと、かわいい。いきなり抱いてくれと・・・。次々と村の若い女たちがやってくる・・・。

この若い女たちの正体は、逆井水という若返りの水を飲んで一時的に若くなっていた年寄りたちだったという、世にも奇妙な物語的なオチでした。

山から来るもの という短編の白い化け物も怖い。
見ると不幸が・・・という。
正体は餓鬼なのだが、帰郷した少女はそれを見てしまい。従弟が死んでしまう。その時の祖母の発した言葉にゾッとした。
なんで、あんたのは帰ってきたんだい。
まるで、お前なんて帰郷してこなければ良かったという冷淡さに鳥肌立つ。


磯幽霊は二段構造になっていて、磯に出る幽霊に海に引きづりこまれかける話しとその謎の解決ということになっていた。
この話し、後半のゾっとする展開のほうに怖さが凝縮されている。
幽霊より人間のほうが怖い。

前半のファンタジー色の強い雰囲気が、だんだんホラー色の強い物語になるところが面白かった。




2025 6 26


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武藤吐夢
武藤吐夢 さん本が好き!1級(書評数:1387 件)

よろしくお願いします。
昨年は雑な読みが多く数ばかりこなす感じでした。
2025年は丁寧にいきたいと思います。

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