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トラブルに対処してすべてを元通りにするつもりだったのに、結局、すべてが変わってしまった?!それにしても前作のネタバレなしに三部作の第二部のレビューを書くのは結構苦しい!(がんばったよ!私)
シャンナ・スウェンドソンのフェアリーテイル三部作第2弾。
シリーズ第2弾であるからには、
前作 『ニューヨークの妖精物語』で、
長い間空位がつづいていた妖精の女王の地位に新たな人物が就き、
これで妖精界も活気を取り戻してめでたしめでたし……となるはずが
そうは問屋がおろさなかった……というのは想定内。
だが新女王が、妖精界で暮らす人間や人間に親しい気持ちを抱いている妖精たちを
次々に追い出しているというのは、なんとも意外な話ではないか。
長い間、年も取らず、あれこれと気に病む必要もない妖精界で暮らしていたにも関わらず
いきなり人間界に放逐されれば、
いかに人間とはいえ、適応するのは容易ではない。
セントラル・パークの周辺では奇妙な格好をした行き倒れや不審死が。
人間ですらそんな状態なのだから、
妖精が人間界に適応して生きていけるはずもなく、
人の目には見えないところでも様々な悲劇が起こっていた。
前作のあれやこれやの影響もあるのか
すっかり妖精が見えるようになってしまった刑事のマイケルは、
新女王の人となりを知っているだけに
一連の事件が女王のさしがねだとは思えなかったので、
なんとか彼女に連絡を取ろうとするのだが、応えるのはいつも留守番電話。
どうやら避けられているらしい。
7年前妖精界に連れ去れた妻を連れ戻すタイムリミットも迫ってきていて、
日毎に焦りも募る。
一方、前作で妖精に誘拐されたものの
無事に人間界に戻ることができた女優のエミリーは
舞台で大成功を収め、忙しく充実した毎日を送っているはずなのに
心身に異常をきたしはじめていた。
これは妖精界で過ごしたことの後遺症なのか?それとも?
エミリーの姉ソフィーは、祖母の介護に母の相手、
バレー教師の仕事に、新たに受け始めたプロ向けのレッスン等々、
文字通り飛び回りながら忙しくめまぐるしい毎日を送っていたが
妖精界に新たに登場した“偽女王”への対処を迫られることに。
そんなわけで、前作に登場したあの人とこの人が
それぞれの事情とそれぞれの思惑から、
再び妖精界に向かい、妖精と人類の危機に挑むことになる?!
前作につづき、今回もなかなか賑やかで
とりわけ妖精界の場面描写が細やかなので
それぞれのシーンを想像しながら読むのが楽しい作品にもなっている。
張り巡らされた伏線がかなりわかりやすく、
うっすらと先が読めてしまうのが難点といえば難点ではあるが、
元々“眠りの魔法を解くには愛情のこもったキスが有効”等々
妖精や魔法の物語には“決まりごと”があるのもまたお約束なので
この分かりやすさは、さほどマイナスにはならない。
また悪役の妖精の造り込みには今ひとつ、ふたつと
文句を言いたいところではあるが、
その分、レギュラー陣の“人間”たちの心理描写が丁寧で
それがまた物語全体の魅力を増している。
……と、ここまで書いて気がついた!
そもそも相手は妖精だ!
「善悪」に関する考え方や「価値観」など、
人間の基準に当てはめようとしても
わかるはずがないというのも、
ある意味当然のことなのかもしれない。
シリーズ第2弾であるからには、
前作 『ニューヨークの妖精物語』で、
長い間空位がつづいていた妖精の女王の地位に新たな人物が就き、
これで妖精界も活気を取り戻してめでたしめでたし……となるはずが
そうは問屋がおろさなかった……というのは想定内。
だが新女王が、妖精界で暮らす人間や人間に親しい気持ちを抱いている妖精たちを
次々に追い出しているというのは、なんとも意外な話ではないか。
長い間、年も取らず、あれこれと気に病む必要もない妖精界で暮らしていたにも関わらず
いきなり人間界に放逐されれば、
いかに人間とはいえ、適応するのは容易ではない。
セントラル・パークの周辺では奇妙な格好をした行き倒れや不審死が。
人間ですらそんな状態なのだから、
妖精が人間界に適応して生きていけるはずもなく、
人の目には見えないところでも様々な悲劇が起こっていた。
前作のあれやこれやの影響もあるのか
すっかり妖精が見えるようになってしまった刑事のマイケルは、
新女王の人となりを知っているだけに
一連の事件が女王のさしがねだとは思えなかったので、
なんとか彼女に連絡を取ろうとするのだが、応えるのはいつも留守番電話。
どうやら避けられているらしい。
7年前妖精界に連れ去れた妻を連れ戻すタイムリミットも迫ってきていて、
日毎に焦りも募る。
一方、前作で妖精に誘拐されたものの
無事に人間界に戻ることができた女優のエミリーは
舞台で大成功を収め、忙しく充実した毎日を送っているはずなのに
心身に異常をきたしはじめていた。
これは妖精界で過ごしたことの後遺症なのか?それとも?
エミリーの姉ソフィーは、祖母の介護に母の相手、
バレー教師の仕事に、新たに受け始めたプロ向けのレッスン等々、
文字通り飛び回りながら忙しくめまぐるしい毎日を送っていたが
妖精界に新たに登場した“偽女王”への対処を迫られることに。
そんなわけで、前作に登場したあの人とこの人が
それぞれの事情とそれぞれの思惑から、
再び妖精界に向かい、妖精と人類の危機に挑むことになる?!
前作につづき、今回もなかなか賑やかで
とりわけ妖精界の場面描写が細やかなので
それぞれのシーンを想像しながら読むのが楽しい作品にもなっている。
張り巡らされた伏線がかなりわかりやすく、
うっすらと先が読めてしまうのが難点といえば難点ではあるが、
元々“眠りの魔法を解くには愛情のこもったキスが有効”等々
妖精や魔法の物語には“決まりごと”があるのもまたお約束なので
この分かりやすさは、さほどマイナスにはならない。
また悪役の妖精の造り込みには今ひとつ、ふたつと
文句を言いたいところではあるが、
その分、レギュラー陣の“人間”たちの心理描写が丁寧で
それがまた物語全体の魅力を増している。
……と、ここまで書いて気がついた!
そもそも相手は妖精だ!
「善悪」に関する考え方や「価値観」など、
人間の基準に当てはめようとしても
わかるはずがないというのも、
ある意味当然のことなのかもしれない。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:382
- ISBN:9784488503109
- 発売日:2017年10月12日
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