たけぞうさん
レビュアー:
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完全無欠の女子的口げんか。
同棲から結婚するまでのモヤモヤを全部書いちゃった一冊です。
あまりのあけすけさに、そこまで言っちゃダメという妻側の言葉が聞こえて
きそうです。夫は気持ちいいくらいサンドバックにされています。
別に、Mっ気があるとかではないのですけど。
女の人ってオブラートに包んで言うのが上手だから、これほどストレートな
悪口ってなかなかないのですね。低い声で威嚇しながら、理詰めの説教をする
女子的口げんかです。理屈といっても、妻の立場に立てばという一方的な切り口
なのですが、それを正当化する上手さがまさに女子的という、まあ恐ろしい。
感情的な部分をうまく抑えているので、一歩引いた読み物感覚で楽しめます。
なるほどと深く納得する部分があり、さすが作家さんと思いましたね。
各章の終わりに夫からの反論が二ページずつしたためられていて、
これがまた絶妙な空気感で拍手喝采なのです。夫も文才ありますよ。
妻、自分に都合よく解釈しすぎで、なんと心の広い夫なんだと思いました。
どうやら妻はせっかち暴走タイプ、夫はのんびり気だるいタイプのようです。
共通しているのは、どちらもインドア派で少人数グループを好むという点です。
妻のパートだけを読んでいると、なんて可哀想、ひどい夫だねとなりますが、
見方を変えることの恐ろしさを目の当たりにしますね。
それこそが結婚生活、つまり一緒に暮らすことの肝心な部分だと確信しました。
エッセーの中にいくつか引用があるのですが、小説家の大庭みな子さんの言葉で、
これに勝るものはない名言と紹介された一文が、わたしもとても印象的でした。
幸福な結婚というのは、いつでも離婚できる状態でありながら、
離婚したくない状態である
悪口をいろいろ書くのは相手に甘えているからであって、本気ならこんな文章には
ならないです。妻の立場を被害妄想的に面白おかしく書いておきながら、
小説家として芽が出た今、ちゃっかり幸せを満喫しているのですね。
他人に対しては寛容を守られても、パートナーに対してはどうしても沸点が
低くなるというのも、幸せの裏返しでしょう。
夫を大きな犬と思えというのも、的を射ていますね。
ほめれば新聞くらいは取ってくるぞと。
料理が嫌いで困ったとか、引っ越しなのに夫が全然手伝わないとか
あるある話が満載です。
悪口ばかりなのに、結婚っていいかもと思える不思議な楽しさがある本でした。
あまりのあけすけさに、そこまで言っちゃダメという妻側の言葉が聞こえて
きそうです。夫は気持ちいいくらいサンドバックにされています。
別に、Mっ気があるとかではないのですけど。
女の人ってオブラートに包んで言うのが上手だから、これほどストレートな
悪口ってなかなかないのですね。低い声で威嚇しながら、理詰めの説教をする
女子的口げんかです。理屈といっても、妻の立場に立てばという一方的な切り口
なのですが、それを正当化する上手さがまさに女子的という、まあ恐ろしい。
感情的な部分をうまく抑えているので、一歩引いた読み物感覚で楽しめます。
なるほどと深く納得する部分があり、さすが作家さんと思いましたね。
各章の終わりに夫からの反論が二ページずつしたためられていて、
これがまた絶妙な空気感で拍手喝采なのです。夫も文才ありますよ。
妻、自分に都合よく解釈しすぎで、なんと心の広い夫なんだと思いました。
どうやら妻はせっかち暴走タイプ、夫はのんびり気だるいタイプのようです。
共通しているのは、どちらもインドア派で少人数グループを好むという点です。
妻のパートだけを読んでいると、なんて可哀想、ひどい夫だねとなりますが、
見方を変えることの恐ろしさを目の当たりにしますね。
それこそが結婚生活、つまり一緒に暮らすことの肝心な部分だと確信しました。
エッセーの中にいくつか引用があるのですが、小説家の大庭みな子さんの言葉で、
これに勝るものはない名言と紹介された一文が、わたしもとても印象的でした。
幸福な結婚というのは、いつでも離婚できる状態でありながら、
離婚したくない状態である
悪口をいろいろ書くのは相手に甘えているからであって、本気ならこんな文章には
ならないです。妻の立場を被害妄想的に面白おかしく書いておきながら、
小説家として芽が出た今、ちゃっかり幸せを満喫しているのですね。
他人に対しては寛容を守られても、パートナーに対してはどうしても沸点が
低くなるというのも、幸せの裏返しでしょう。
夫を大きな犬と思えというのも、的を射ていますね。
ほめれば新聞くらいは取ってくるぞと。
料理が嫌いで困ったとか、引っ越しなのに夫が全然手伝わないとか
あるある話が満載です。
悪口ばかりなのに、結婚っていいかもと思える不思議な楽しさがある本でした。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:マガジンハウス
- ページ数:207
- ISBN:9784838729098
- 発売日:2017年02月27日
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