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潜入してからは一気読み。字も内容もぎっしり詰まった、読み応えのある一冊!
潜入捜査官。
それは、四六時中命の危険に怯えながらも、犯人を追い詰めるために捜査する、プロ中のプロ。
敵の懐に忍び込むのだから、常にその身を危険に晒しているようなものなのだ。
そして、その危険を何よりも自覚しているのが本人である潜入捜査官なのだから恐れ入る。
本書は、そんな潜入捜査官・高階紗香が主人公。
ストーリーは、
主婦の行方不明、エリート会社員の自殺、司法書士の交通事故死。
事件性なしと判断されたこの三件の当事者を結び付けたのは、新興宗教「聖浄心会」のチラシ。
事件性の有無を確かめるために、警視庁捜査一課「特殊犯4係」の潜入捜査官・高階紗香が「聖浄心会」に潜入することに。
まずは四日間の体験出家で本部施設に潜入した高階紗香は、高木麻里として指導修道士の加賀美と行動を共にすることに。
そこで最高指導者の父主に会うことは適わなかったが、修道士長の渋沢(イケメン、優男)に存在をアピール。
内部の俗っぽい人間関係や問題を知り渋沢に鎌を掛けたりするのだが、かなり強引に切り込んでいくので読んでいるこっちはヒヤヒヤした。
だが、紗香は疑われないギリギリの線で攻め込んでいるつもりのようで、ちょっと笑ってしまった。
いやいやアンタ、そうとう怪しいからね!
紗香が高木麻里として本部施設内でどぎつい捜査を繰り返している時、もちろん外でも捜査は行われている。
連絡係の宍戸は、所轄署所属の五十代で枯れきった男。
けれど、この宍戸がいいんだなぁ。
口から出るのはやる気のない言葉や謙遜のオンパレードだけれど、実際は有能で使える男。
紗香に礼を言われた際の照れる仕草に、枯れ専じゃない私でもメロメロだ。
と、本部施設の内と外で捜査を進めていく内に、事件性なしだったはずの三件が連続殺人だったと確信する紗香。
ここで体験出家編が終了。
続く本出家編では紗香が本領を発揮。
その身を危険に晒しながら、どんどん新しい情報を手に入れていく。
父主とは何者なのか。
父主の側役を解任された内野の思惑とは。
渋沢は?
そんな中で、第二第三の事件が起こって・・・・・・
ここからはラストまで一気読みの面白さだった。
タイトルと表紙の意味がわかる終盤は、本当に心が痛かった。
小さな頃から俗悪な人間というのはいるもので、どれだけ修行を重ねても改心することはないのかもしれない。
それにしても、人の業ってどうしようもない。
俗世を離れても、人が集まればそこに社会ができる。
どうしたって俗っぽい関係性が築かれていくんだな。
毎日修行を積んでいる人達でさえこの有様なんだから、人から欲を無くすことなんて不可能なのでは。
日本にも数多ある宗教団体だけれど、本当に強い気持ちを持って出家しなければ、欲を洗い流すことなんて不可能だろうと思った。
最後に、帯にでかでかと書いてあった『読者は3回騙される』
確かに主人公と共に何回かは騙されて驚きましたとも。
それが心地好く、読み進める上で邪魔にならなかったのは見事。
新宮広明。
これからも追っていきたい作家さんになりました。
それは、四六時中命の危険に怯えながらも、犯人を追い詰めるために捜査する、プロ中のプロ。
敵の懐に忍び込むのだから、常にその身を危険に晒しているようなものなのだ。
そして、その危険を何よりも自覚しているのが本人である潜入捜査官なのだから恐れ入る。
本書は、そんな潜入捜査官・高階紗香が主人公。
ストーリーは、
主婦の行方不明、エリート会社員の自殺、司法書士の交通事故死。
事件性なしと判断されたこの三件の当事者を結び付けたのは、新興宗教「聖浄心会」のチラシ。
事件性の有無を確かめるために、警視庁捜査一課「特殊犯4係」の潜入捜査官・高階紗香が「聖浄心会」に潜入することに。
まずは四日間の体験出家で本部施設に潜入した高階紗香は、高木麻里として指導修道士の加賀美と行動を共にすることに。
そこで最高指導者の父主に会うことは適わなかったが、修道士長の渋沢(イケメン、優男)に存在をアピール。
内部の俗っぽい人間関係や問題を知り渋沢に鎌を掛けたりするのだが、かなり強引に切り込んでいくので読んでいるこっちはヒヤヒヤした。
だが、紗香は疑われないギリギリの線で攻め込んでいるつもりのようで、ちょっと笑ってしまった。
いやいやアンタ、そうとう怪しいからね!
紗香が高木麻里として本部施設内でどぎつい捜査を繰り返している時、もちろん外でも捜査は行われている。
連絡係の宍戸は、所轄署所属の五十代で枯れきった男。
けれど、この宍戸がいいんだなぁ。
口から出るのはやる気のない言葉や謙遜のオンパレードだけれど、実際は有能で使える男。
紗香に礼を言われた際の照れる仕草に、枯れ専じゃない私でもメロメロだ。
と、本部施設の内と外で捜査を進めていく内に、事件性なしだったはずの三件が連続殺人だったと確信する紗香。
ここで体験出家編が終了。
続く本出家編では紗香が本領を発揮。
その身を危険に晒しながら、どんどん新しい情報を手に入れていく。
父主とは何者なのか。
父主の側役を解任された内野の思惑とは。
渋沢は?
そんな中で、第二第三の事件が起こって・・・・・・
ここからはラストまで一気読みの面白さだった。
タイトルと表紙の意味がわかる終盤は、本当に心が痛かった。
小さな頃から俗悪な人間というのはいるもので、どれだけ修行を重ねても改心することはないのかもしれない。
それにしても、人の業ってどうしようもない。
俗世を離れても、人が集まればそこに社会ができる。
どうしたって俗っぽい関係性が築かれていくんだな。
毎日修行を積んでいる人達でさえこの有様なんだから、人から欲を無くすことなんて不可能なのでは。
日本にも数多ある宗教団体だけれど、本当に強い気持ちを持って出家しなければ、欲を洗い流すことなんて不可能だろうと思った。
最後に、帯にでかでかと書いてあった『読者は3回騙される』
確かに主人公と共に何回かは騙されて驚きましたとも。
それが心地好く、読み進める上で邪魔にならなかったのは見事。
新宮広明。
これからも追っていきたい作家さんになりました。
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なかなか時間が取れませんが、本を読むのは好きです。
どんどん読書時間を取って、読んでいきたいと思っています。
色々なジャンルの本を読んでいきたいと思っているので、
皆様の感想を参考にさせて頂こうと思います。
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- 出版社:幻冬舎
- ページ数:391
- ISBN:9784344029286
- 発売日:2016年04月20日
- 価格:1728円
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