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Rokoさん
Roko
レビュアー:
小説家は嘘をつくのが仕事です
悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」という三部作は実に素晴らしい作品でした。けれど、それが作者にとっては辛いことでもあったのです。

「なにしろ、これよりいいものは自分には書けない。何か書いても、これよりは劣るものになってしまう。と思ってしまうので。」

この短編集には25編の物語が納められています。書かれた時代も、テーマも全く違うけれど、どの作品にも同じ空気が漂っているのです。

孤独、無関心、暖かい家庭へのあこがれ、故郷の家。どの物語にもアゴタの悲しみがにじんでくるのです。

生まれ育った場所から遠く離れて暮らす毎日。それなりに成功を納めて不自由のない生活をしていても、故郷に帰ることができない心は、いつも何かを求めているのです。そして、そんなことはないふりをしてしまうのです。


どちらでもいいなんて強がりを言うのは、悲しさの裏返しです。そんな言葉を信じないでください。小説家は嘘をつくのが仕事です。読者はその嘘を夢だと思っています。でも、小説家自身にとって、その嘘が現実なのです。

悪童日記
ふたりの証拠
第三の嘘
どちらでもいい
文盲
昨日
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Roko
Roko さん本が好き!1級(書評数:2958 件)

好きなジャンルはスポーツ、音楽、美術。
心・脳に関するものも、ついつい読んでしまいます。
小説もいいけどノンフィクションもね!

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