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かもめ通信
レビュアー:
「すべての本は、すべからく誰かのために生まれてくるものです。」本が好き! #棚マル フェアのこの1冊には、物語に託された著者の想いはもちろん、私の手元に届くまで、様々な人の想いが託されているに違いない。
推薦者の哀愁亭味楽さんの書評が良かったこともあるけれど
図書館に置いてある単行本にいくらか加筆されているだけでなく
文庫版だけに収録されている後日譚があると聞いていたので
本が好き!のフェアに行ったら、まずこの本を購入しようと決めていた。

村山早紀さんの作品は以前コンビニたそがれ堂のシリーズを
2つほど読んだことがあるだけだが、
いい印象を持っていたので
この本もきっとほのぼのとした優しい雰囲気の話だろうと思っていた。

そんなわけで東京から北国に帰る飛行機の中で読み始めたら
これがなんとも、ぐっとくる話が多く
慌てて鞄からティッシュを引っ張りだし、鼻風邪を引いたフリをした。

傷んだ本を修復したり
美しい装丁を施したりするルリユール。

夏休み、多忙な家族より一足先に
おばあちゃんのところにやってきた瑠璃は
7匹の猫と古い大きな洋館でルリユール工房を営むクラウディアに出会う。

持ち込まれたボロボロの本を見事に蘇らせたルリユールの腕に惹かれ
瑠璃はクラウディアに弟子入りすることに。

そうして彼女は
クラウディアの元に大事そうに本を抱えてやってくる客たちの
様々な想いに触れることになる。

クラウディアの元には本当に必要としている人しかたどり着けないに違いないとか
クラウディアが修復するのはきっと本だけではないんだろうなとか
予測可能な部分が多々あるにもかかわらず
思わず涙腺が緩む物語には、
私の予測を遙かに超えた本への愛が沢山詰まっていた。

不思議は沢山あるけれど、その不思議に頼らずに
登場人物たちの心情が丁寧に描かれているところもいい。

すべての本は、すべからく誰かのために生まれてくるものです。

哀愁亭味楽さんが手作りPOPに
この本をかたどった手作りの豆本をつけた気持ちがわかる気がした。

あの豆本もきっとフェア会場でこの本を手に取るひとのために
心をこめて作られたんだな。

今回の本が好き!#棚マルフェアを通じて
多くの素晴らしい物語と共に
本と本を愛する人への想いを沢山受け取った気がしている。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2238 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

読んで楽しい:14票
参考になる:19票
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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2016-10-21 08:41

    お気づきの方もおられると思いますが、私只今#棚マル読んで応援フェアを実施中です。
    とりあえず図書館本も献本も後回しにして、フェア本を読み進めているのですが、なんだろうこのハイレベルなラインナップは?!と驚愕中ww

    手元にあと3冊は確保してあるのですが、果たして今月中に読み終えられるのか、その後、いただいた冊子を元に更にフェア本を極めるべきなのか……いやはやこれは、とんでもない領域に足を踏み入れてしまったかも?!w

  2. かもめ通信2016-10-21 12:09

    著者さんからこんなメッセージをいただきました!感激!!
    https://twitter.com/nekoko24/status/789296685671325696

  3. タカラ~ム2016-10-21 13:28

    > なんだろうこのハイレベルなラインナップは?!

    これ、実際にお店に行って、並んでいる本を見て、手にとってみて、読んでみて実感できますね。

    そういう意味でも、残り10日ほどですが、大崎に足を運べる方はどんどん行ってほしいですね

  4. かもめ通信2016-10-21 13:37

    いや本当にねえ。こんな本棚欲しかった!的な品揃えだよねえ。
    ついついいつもは読まないジャンルにまで手が伸びてしまうし……
    こんな棚ができるのなら,本屋さんはもっと読者の声を聞くべきだなww

  5. タカラ~ム2016-10-21 15:13

    書店さんも忙しくて結果的には出版社の言うとおりに品物を並べてるのが通常のケースだと思うんですよね。それだと、出版社が売りたい本しか並ばないので面白くない。今回みたいに「読者が読みたい、読ませたい」ラインナップは、「へぇ!」と「ほぉ!」っていう楽しさがありました。

    ほんとこれ、書店さんは考えてほしいなぁ〜

  6. 哀愁亭味楽2016-10-22 17:15

    ありがとうございます!そうなんですよねえ。作りたくなっちゃったんです。
    ちなみに、まだ終わってないけれど、この企画、是非とも第二弾、第三弾と続いてほしいものです。

  7. No Image

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