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意味がわかってさえいれば苦しむことや死ぬこと犠牲になることもやぶさかではない。だが戦争は?なぜ戦う?なぜ苦しむ?なぜ生きる?思い悩む青年はその答えを見いだすことができるのか?ただ愛すること以外に?!
恋に落ちたのは地下鉄の中だった。
1918年1月30日、
その日、パリの街はドイツ軍により空爆を受けた。
爆音と衝撃がもたらした恐怖と混乱の中で
偶然にも隣り合わせた一組の男女は思わず手を握り合う。
後日、懸命に思い出そうとしても相手の顔かたちさえ
はっきりと思い出せなかったにもかかわらず、
若い二人は恋に落ちたのだ。
一方の当事者であるピエールは、
数ヶ月後の入隊が決まっているのだが、
彼の胸にあるのは戦いに赴く熱意ではなく、不安と疑問ばかりだった。
もちろんそんなことは周りに打ち明けるわけにはいかない。
国を守るため、正義のための闘い。
自由と良心をかけた闘い。
誰もがそう信じて疑っていないのだ。
少なくても表面上は……。
だが、ピエールは思う。
自分が銃を向ける先にいるのもまた、人間に他ならないのではないか?
絶望しかなかった彼の人生に
突然ふってわいたかのようなリュースへの愛。
それはもちろん期限付きの恋ではあったのだが……。
やがて来る別れの予感を前に
物語は唐突に終わりを告げる。
それは1918年3月29日の聖金曜日の午後のことだった。
作者であるロマン・ロランは、
ピエールとリュースという2人の架空の人物を
実際にあった出来事に遭遇させることで
戦いのむなしさ、戦争の悲惨さを際立たせる。
そしてもちろん愛も夢も希望も、
なにもかも奪い取られたのは
この若い2人だけではなかったのだと
時を経た今も
その著作を通して読む者に訴え続けている。
1918年1月30日、
その日、パリの街はドイツ軍により空爆を受けた。
爆音と衝撃がもたらした恐怖と混乱の中で
偶然にも隣り合わせた一組の男女は思わず手を握り合う。
後日、懸命に思い出そうとしても相手の顔かたちさえ
はっきりと思い出せなかったにもかかわらず、
若い二人は恋に落ちたのだ。
一方の当事者であるピエールは、
数ヶ月後の入隊が決まっているのだが、
彼の胸にあるのは戦いに赴く熱意ではなく、不安と疑問ばかりだった。
もちろんそんなことは周りに打ち明けるわけにはいかない。
国を守るため、正義のための闘い。
自由と良心をかけた闘い。
誰もがそう信じて疑っていないのだ。
少なくても表面上は……。
だが、ピエールは思う。
自分が銃を向ける先にいるのもまた、人間に他ならないのではないか?
絶望しかなかった彼の人生に
突然ふってわいたかのようなリュースへの愛。
それはもちろん期限付きの恋ではあったのだが……。
やがて来る別れの予感を前に
物語は唐突に終わりを告げる。
それは1918年3月29日の聖金曜日の午後のことだった。
作者であるロマン・ロランは、
ピエールとリュースという2人の架空の人物を
実際にあった出来事に遭遇させることで
戦いのむなしさ、戦争の悲惨さを際立たせる。
そしてもちろん愛も夢も希望も、
なにもかも奪い取られたのは
この若い2人だけではなかったのだと
時を経た今も
その著作を通して読む者に訴え続けている。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:鉄筆
- ページ数:200
- ISBN:9784907580063
- 発売日:2015年12月16日
- 価格:648円
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