yukoさん
レビュアー:
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皆さんの評価の高さにトライしてみた久しぶりのSF作品に四苦八苦・・・ でも途中で投げ出さずに最後まで読んで良かったと思わせてくれる素晴らしい短編集でした。
中高生のころは、新井素子に夢中でした。
星新一も好きだった。
なのに、なかなか読めない!!!
こんなにも時間がかかるとは・・・(涙)
諦めずに最後まで読んで、本当によかったです。
でも本当に時間がかかりました・・・
母はクリスマスギフトの包装紙で折り紙で虎を折ってくれました。
母の作る折り紙は特別でした。
母が折り紙に息を吹き込むと、折り紙は母の息をわかちあい、母の命をもらって動くのでした。
母は、父にカタログで買われたのでした。
父にカタログで買われ、香港からアメリカに嫁いできたのでした。
同級生に、母は父に買われたのだと言われ、
母に英語で話せ!と言い、中国語で話しかけられると無視しました。
40歳にもなる前に母は病で倒れ、
ガンはもう手の施しようがないほど広がっていました。
母が亡くなって二年がたち、折り紙の虎を見つけると、
虎はひとりでに折り目をほどいて広がりました。
そこには息子にあてて手紙が書かれていました・・・・
母を恥に思った息子の気持ちが悪いわけではない。
それでも母の愛に気づくのが、遅すぎたのです・・・
母からの手紙に涙がこぼれました・・・
著者のケン・リュウは1976年、中国生まれ。
11歳の時に家族でアメリカに移住しました。
ハーヴァード大で英文学を学び、卒業後にマイクロソフト社に入り、すぐに独立し、
その後弁護士業とプログラマーとしての仕事をしながら執筆活動をしています。
アメリカで生まれ育ったわけでなく、11歳まで中国で育ったため、文中にあちこち見られるアジア人らしさが、私たちの心の琴線にふれるのでしょうね・・・
しかし!!!
SF、難解な用語も多いし、本当に読むのに時間がかかりました・・・
他に良かったのは『もののあはれ』
日本人らしさとは、ということを他国の人にここまでずばり描かれるとは・・・
逆に当の日本人である私たちはちっともわかっていないのではないかという気持ちにさせられます。
『文字占い師』では、漢字の成り立ちについて、なるほど!!!と唸らされ、
『円弧』では、永遠の若さが手に入れられるようになった世界で、
主人公が産んだ子供は一番目の子と、最後の子供が100歳差。
しかし、主人公は永遠の命を手放す覚悟を決めます。
その時、娘はこう言います。
「死のない人生は変化のない人生というのは、真実じゃない」
「恋に落ち、愛を失うこともある。すべての恋愛と結婚に、すべての友情ときまぐれな出会いに、円弧(アーク)があるの。はじまりと終わりが。寿命が。死が。もしあなたの求めているものが喪失なら、あなたがすればいいのは、待つだけ。」
はじまりと終わりが円弧である。
そう思うと、終わりも悪いものではない気がする。
どんなに科学が発展しても、すべての出会いに円弧があるのかと思えば、
科学の発展も恐るべきものではないかもしれませんね。
とりあえず、
頑張って最後まで諦めずに、よく読んだ、私・・・・
星新一も好きだった。
なのに、なかなか読めない!!!
こんなにも時間がかかるとは・・・(涙)
諦めずに最後まで読んで、本当によかったです。
でも本当に時間がかかりました・・・
母はクリスマスギフトの包装紙で折り紙で虎を折ってくれました。
母の作る折り紙は特別でした。
母が折り紙に息を吹き込むと、折り紙は母の息をわかちあい、母の命をもらって動くのでした。
母は、父にカタログで買われたのでした。
父にカタログで買われ、香港からアメリカに嫁いできたのでした。
同級生に、母は父に買われたのだと言われ、
母に英語で話せ!と言い、中国語で話しかけられると無視しました。
40歳にもなる前に母は病で倒れ、
ガンはもう手の施しようがないほど広がっていました。
母が亡くなって二年がたち、折り紙の虎を見つけると、
虎はひとりでに折り目をほどいて広がりました。
そこには息子にあてて手紙が書かれていました・・・・
母を恥に思った息子の気持ちが悪いわけではない。
それでも母の愛に気づくのが、遅すぎたのです・・・
母からの手紙に涙がこぼれました・・・
著者のケン・リュウは1976年、中国生まれ。
11歳の時に家族でアメリカに移住しました。
ハーヴァード大で英文学を学び、卒業後にマイクロソフト社に入り、すぐに独立し、
その後弁護士業とプログラマーとしての仕事をしながら執筆活動をしています。
アメリカで生まれ育ったわけでなく、11歳まで中国で育ったため、文中にあちこち見られるアジア人らしさが、私たちの心の琴線にふれるのでしょうね・・・
しかし!!!
SF、難解な用語も多いし、本当に読むのに時間がかかりました・・・
他に良かったのは『もののあはれ』
日本人らしさとは、ということを他国の人にここまでずばり描かれるとは・・・
逆に当の日本人である私たちはちっともわかっていないのではないかという気持ちにさせられます。
『文字占い師』では、漢字の成り立ちについて、なるほど!!!と唸らされ、
『円弧』では、永遠の若さが手に入れられるようになった世界で、
主人公が産んだ子供は一番目の子と、最後の子供が100歳差。
しかし、主人公は永遠の命を手放す覚悟を決めます。
その時、娘はこう言います。
「死のない人生は変化のない人生というのは、真実じゃない」
「恋に落ち、愛を失うこともある。すべての恋愛と結婚に、すべての友情ときまぐれな出会いに、円弧(アーク)があるの。はじまりと終わりが。寿命が。死が。もしあなたの求めているものが喪失なら、あなたがすればいいのは、待つだけ。」
はじまりと終わりが円弧である。
そう思うと、終わりも悪いものではない気がする。
どんなに科学が発展しても、すべての出会いに円弧があるのかと思えば、
科学の発展も恐るべきものではないかもしれませんね。
とりあえず、
頑張って最後まで諦めずに、よく読んだ、私・・・・
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仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!
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- 出版社:早川書房
- ページ数:413
- ISBN:9784153350205
- 発売日:2015年04月22日
- 価格:2052円
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