有坂汀さん
レビュアー:
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自らのことを『国』と称し、世界中から集まってくる『義勇兵』に豊富な資金と強大な軍事力を背景とし、独自の偏狭な解釈により、イスラム法に基づくとされる恐怖政治を行う「イスラム国」に鋭く迫った一冊です。
「イスラム国」
彼らは自ら『国』を名乗り、世界中から集まってくる『義勇兵』に豊富な資金と強大な軍事力を背景とし、凄まじい勢いでイラクとシリアに広大な支配地を築いた後は、その中で捕虜や、彼らの意に沿わない民間人を大量処刑し、女性は奴隷として売り飛はすなどの、『人権意識』が極めて低いテロリスト集団なのでありますが、本書はフォトジ ャーナリスト(紛争地域専門)である筆者が、そんな彼らに鋭く迫る一冊です。
この本を読んでいたのは、ちょうどイスラム国の支配地域で邦人である湯川遥菜、後藤健二の両氏が彼らに拘束され、その動向が注目されている頃のことでありまして、まさにヴィヴィッドな感覚で読むことができました。
残虐な処刑映像をインターネットで公開し、イラクやシリアの政府軍から鹵獲した戦車を連ねて進軍し、同じイスラム教徒でも宗派がちがっていたり、彼らの言うところの『異教徒』には情け容赦のない振る舞いを見せる…。そんな彼らはどのようにして生まれ、急速に成長し、何を望んでいるか。本書を読むことでその「糸口」のようなものはつかめるのかもしれません。
本書のほかにも『イスラム国』に関する書籍は数多く出版されているようですが、僕が本書を手にとって読んでみたのは何かの『運命』だったのかなと。勝手ながらそんなことを考えております。
彼らは自ら『国』を名乗り、世界中から集まってくる『義勇兵』に豊富な資金と強大な軍事力を背景とし、凄まじい勢いでイラクとシリアに広大な支配地を築いた後は、その中で捕虜や、彼らの意に沿わない民間人を大量処刑し、女性は奴隷として売り飛はすなどの、『人権意識』が極めて低いテロリスト集団なのでありますが、本書はフォトジ ャーナリスト(紛争地域専門)である筆者が、そんな彼らに鋭く迫る一冊です。
この本を読んでいたのは、ちょうどイスラム国の支配地域で邦人である湯川遥菜、後藤健二の両氏が彼らに拘束され、その動向が注目されている頃のことでありまして、まさにヴィヴィッドな感覚で読むことができました。
残虐な処刑映像をインターネットで公開し、イラクやシリアの政府軍から鹵獲した戦車を連ねて進軍し、同じイスラム教徒でも宗派がちがっていたり、彼らの言うところの『異教徒』には情け容赦のない振る舞いを見せる…。そんな彼らはどのようにして生まれ、急速に成長し、何を望んでいるか。本書を読むことでその「糸口」のようなものはつかめるのかもしれません。
本書のほかにも『イスラム国』に関する書籍は数多く出版されているようですが、僕が本書を手にとって読んでみたのは何かの『運命』だったのかなと。勝手ながらそんなことを考えております。
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有坂汀です。偶然立ち寄ったので始めてみることにしました。ここでは私が現在メインで運営しているブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』であげた書評をさらにアレンジしてアップしております。
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- 出版社:ベストセラーズ
- ページ数:224
- ISBN:9784584124659
- 発売日:2014年12月09日
- 価格:896円
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