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はるほん
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吉田氏作品はフワフワした重力の中を行き来するため、重量制限がゴザイマス。
今回語るのは書評ではない。
吉田氏作品へ出かけるためのチケットの買い求め方を記すものである。
そんな思わせぶりな出だしを書いてみるワタシである。
出だしである。冒頭である。プロローグである。序幕である。
この小気味良さである。

マズ。まず。先ず。
さてこの「マズ」とも付き合いはそこそこ長い。
話題のとっかかりを始めてくれる有能な彼は、
本文6行目でも、その才能を如何なく発揮してくれる。
まァ問題は、ワタシがとっかかりから本題に入ってない事なのだが。
うむ、この小気味良さである。

さて。サテ。
この「サテ」は文語中でくらいしか知り合いではないが、
彼は本書の中にも登場するので、紹介は控えておこう。
吉田氏作品へのチケットの話であった。
チケットぴあとかでは手に入らないので、注意が必要だ。

まずは本屋へ行く。
ホラ、また「マズ」が出てきましたよ。
何とも優秀な御仁だと思いませんか。
無論、これは本題ではない。

そして吉田氏作品を手に取り、本とじっと向き合ってみましょう。
えっ、600ページくらいの分厚い本ですと?
それはいけません。いけませぬぞ。
イキナリ長編というのは、乗り換えのややこしい路線に乗るようなものです。
最初は短編なんかがヨロシイ。
それでも乗り換えが数回あるから注意されたい。
注意である。注意喚起である。アテンションプリーズである。

さあでは、レジで支払いを終えたら
家でまったりした部屋着に着換えて、コーヒーでも淹れませう。
紅茶でも可。は?スーパーで買った焼き芋も?
まぁ、アナタがどうしてもと言うなら止めませんが
出来るだけお荷物は少な目の方がヨロシイですよ。

吉田氏作品はフワフワした重力の中を行き来するため、重量制限がゴザイマス。
きっと気が付いたら、焼き芋が冷たくなってると思いますけどねぇ。

ではココロの窓とドアを大きく開け、シートベルトをお外しください。
アナタがこれから行くところは、ストーリーの中ではありません。
言葉の海です。
だから話が繋がってなくても、そこに留まらなくてイイんです。
綺麗なお魚を見たみたいに、スイスイと泳いでいっちゃってください。

息苦しくなったら、また現実世界に帰ってくればイイんです。
「よく分かんないから、もう行かない」と思ったら、ソレはソレで。
「でもやっぱりなんか気になるから、もう一回」と思ったらシメタもの。
きっと次は、前より長く潜れますよ。
チリヂリでバラバラで、キラキラした吉田氏作品に。

で。とどのつまり、どんなストーリーなのかって?
ほら、だからアナタはせっかちでいけない。
「とどのつまり」って何だか知ってますか?
ボラと言う出世魚の最終形態がトドだから、トドのつまりなんですよ。
ボラの段階も全部言えないのに、最後だけ知るなんて無粋じゃないですか。

いーんです。そんなコトは気にしなくても。
吉田氏作品のビーチでは、潮干狩りも出来ます。
ざっくざっくとね。「( ゚д゚)ハッ!」が出てきたりするんです。
でもよくみると「(゚Д゚)?」だったり、だからどーした!ってなったりもするんですけど
でもやっぱり「!」が見つかるのって、嬉しくってねぇ。

それでも「ストーリーが分からんと気になるだろ!」って人には
まあ、「小説を書く人の脳内のメタ化」とでも言っておきましょうか。
作家とは、紙の中に世界を創る神です。
いわば紙の中の神。
スゴイのに、ペーパーオブゴッドっていうと薄っぺらくなるから不思議だ。

きっとね。ひとつのストーリーを創るためには
作家は読者以上に、いろんな世界を旅せねばならんのですよ。
それはきっととても楽しくて、孤独な旅。
南を目指して、作家は小走りしている。
そのぐるぐるした世界を読むのだから、分からなくてアタリマエ。

え、なんで南なのかって?
だって北に行ったら「敗北」しちゃうじゃないですか。
南はちょっと字面を変えたら「幸」ににてるデショ。
これに一瞬「( ゚д゚)ハッ!」と思って「(゚Д゚)?」となったら
ホラ、アナタの手には吉田氏作品行きのチケットが。

この小気味良さである。
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はるほん
はるほん さん本が好き!1級(書評数:684 件)

歴史・時代物・文学に傾きがちな読書層。
読んだ本を掘り下げている内に妙な場所に着地する評が多いですが
おおむね本人は真面目に書いてマス。

年中歴史・文豪・宗教ブーム。滋賀偏愛。
現在クマー、谷崎、怨霊、老人もブーム中
徳川家茂・平安時代・暗号・辞書編纂物語・電車旅行記等の本も探し中。

秋口に無職になる予定で、就活中。
なかなかこちらに来る時間が取れないっす…。

2018.8.21

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