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かなめさん
かなめ
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人の背丈で、小袖に袴姿。大小を差した猫(の姿をした武士)-もうそれだけでワクワクしません?
猫太郎やら猫先生やらと周りから呼ばれる宗太郎、現在は長屋に住まい「猫の手貸し〼」の看板を出して猫の手屋を営んでいます。職種はよろず請負業。猫の姿で正に「猫の手」を貸しているのです。
人の背丈で猫が化けているとか、猫神様と思われているこの方、実は大身旗本の嫡男。何故に白猫の姿で、長屋に住まうことになっているのか-

賑やかな長屋の住人達と共に宗太郎の「猫の手屋」としての日常が三篇で描かれます。

長屋の面々がホントに個性的。賑やかな夫婦に赤ん坊を抱えた常磐津の師匠。
喋っている最中に「アレ」を多用する大家さん。大家さんみたいな人、ホントに居ますよね。ウチの親が最近まさにそれで会話が成り立たなくて笑うことが多いのでより作中でも笑ってしまいました。

国芳の浮世絵そっくり、という宗太郎の姿。それを読んで猫猫しい国芳作品をあれこれ楽しんでからこの本に戻ったら、なんと作中に国芳が登場!猫太郎の肉球を撫でたりデレデレしているでは有りませんか。 羨ましい… ネズミ避けに猫の絵を描いているですと!欲しい‼

猫が嫌いだと言いながら、猫の姿になってから好みも行動も猫に寄っているのがまた面白い。

常磐津の師匠の文字虎さん、「笹紅」なんて書いて有るのにニマニマ。美しいですよね、あの独特の色。紅をのせた文字虎さんは一層色っぽいんだろうなぁ。
高価な紅をたんまり使える文字虎さんの身の上は意外性もなくちょっとがっかり。いや、その定番なところが良いのかな?身の上がどうであれカッコイイ文字虎さんというのは変わりませんけど。

宗太郎がなぜにそんな姿になっているのか。黒猫さんが関わっているそうなのですが作中で明かされます。ねこう院なる猫の托鉢僧(こちらは人間)、こちらも中々のキャラクター。二人のやり取りも面白かったです。

真面目な宗太郎の日々。一冊丸ごと楽しめました。



出先で入った書店でよまにゃさんのキャンペーンにまんまと釣られ、にゃんこな表紙にも釣られてお迎え。
ニルを被った黒猫くらり先輩にもハートを射貫かれたのですけれど、突如として現れた白猫よまにゃさん、その無垢な目が…クリティカルヒット。
くらりさんちのご本を迎えたかったはずが棚自体が無かったんですよね~。あっさり白猫に釣られて貰ったカバーにニマニマしているのですが、宗太郎さんみたいに黒猫の祟りがないか心配な私なのです。くらりさんのしっぽは一本のようですが。

人の背丈で猫の姿の宗太郎さん、変化してから好物になってしまったらしい煮干しをたんとご用意してお待ちしております。ですので撫でさせては頂けませんでしょうか…。
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かなめ
かなめ さん本が好き!1級(書評数:51 件)

興味の赴くまま、読書は雑食。
極端に読むスピードが落ちました。それでもあれこれ興味は尽きず。

積読だけが増えています。更に勢いで買った電子書籍複数もほぼ手付かず。宿題付きだけはアップせねば…
のんびり生息中

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