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ぽんきち
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ついにあの生きものの味がわかる時が来た
獲って、食べて、描く。
猟師兼漫画家による狩猟コミック第5巻です。

前巻までで1回目の猟期(通例、11月15日から翌年2月15日まで)が終わり、今回は休猟期から始まっています。休猟期でも著者が自分で食材を調達する姿勢は変わらず。
春は山菜の季節。種々の山菜を見つけて食べる著者の知識や工夫に感心します。ただ、野生のものは成分が強かったりするので、毒のあるものはもちろんですが、そうでなくても食べ過ぎには注意が必要なようです。
動物性タンパクとしてはアメリカザリガニ。ザリガニ釣りでたんまり釣って食べてみています。可食部は意外に少ないようですが、それなりにおいしいようですね(ちょっと興味がわきますが、うちのザリガニ、もう1匹しかいないし食べちゃうわけにもなぁ・・・)。
さらには元自衛隊員の先輩猟師さんと川に出かけるのですが、そのときのサバイバル鍋(?)の中身がすごい。アカミミガメにウシガエル、トノサマガエル、アメリカザリガニ、マムシ。・・・何ですか、それ? マクベスの魔女の鍋ですか・・・?
黒い色に染まったスープは食欲ではなく不安をあおったようです。お味は、読んでのお楽しみということにしておきましょう。

いざ、猟期が始まりますが、著者は初日にハプニングに見舞われてしまいます。その際に同行していた先輩老猟師とのその後のやり取りが心に響きます。

ところで、表紙のネズミのお化けみたいなものは・・・?
はい、ヌートリアです。
近年、特に関西を中心に増え続けている外来種です。個人的には本シリーズを読み始めたきっかけはこの生きものです。詳しくは環境省によるヌートリアの解説ページか、山賊ダイアリー第1巻をどうぞ。
著者がこれまで何度かニアミスしながら、食べる機会がなかったヌートリア。この回ではついに食べています。焼いたものに岩塩を添えて、あっさりとした食べ方ですが、なかなかおいしかったようです。大きめの個体で優に大人4人分取れたとのこと。ほぅ。意外においしいのですか・・・。

その他、鳥の狩りや道具についての話など、今回も盛りだくさん。
野生動物を食べる際には、やはり加熱はしっかりした方がよさそうですね。

自分でできる気はあまりしないのですが、このシリーズ、いつも感心させられ、いつもおもしろく読んでしまいます。


*山賊ダイアリー既刊
1巻
2巻
3巻
4巻
6巻
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1831 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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この書評へのコメント

  1. 風竜胆2014-08-26 19:21

    え~、ヌートリア、食べちゃうんですか?
    アメリカザリガニも生息環境を考えるとちょっと・・・
    ウチダザリガニなら、食べてみたいかもw
    ちなみに、こちらで「山賊」というとこの山賊http://www.irori-sanzoku.co.jp/を連想してしまいますww 行ったことはないんですが、結構テレビでも紹介されていますので。

  2. ぽんきち2014-08-26 21:54

    風竜胆さん

    ふぉう、ご紹介の店、なかなか豪快な感じですね(^^)。

    著者さんは獲ったら食べる、という主義のようで、これまでもいろいろ食べてますから、ちょっとほかの人よりは胃腸(?)が丈夫かもしれません。腸内細菌叢とかも違うかもw。慣れていない人が食べると体調を崩すことはあるかもしれませんねぇ・・・。
    著者さんも自分基準はお持ちのようで、例えばカワウは寄生虫やダイオキシンが懸念されるので、(少なくともこの巻では(^^;))食べてないです。

  3. Tetsu Okamoto2014-08-27 09:28

     アップロードありがとうございます。
     わたしは著者とは同じ地域関連で同姓ですが親戚関係はありません。農薬が問題なかった時代だとアメリカザリガニやウシガエルはわりと食べていたみたいです。わたしの祖母くらいまではウサギは食用という認識でした。

  4. ぽんきち2014-08-27 09:43

    Tetsu Okamotoさん

    コメントありがとうございます。
    このシリーズ、おもしろいですね。
    あ、そうか、”岡本”さんですね(^^)。

    ウシガエルは食用蛙とも言いますものね。
    そういえばアメリカザリガニは当初の導入時はウシガエルの餌にするのを目的にしていましたっけ。
    北欧ではザリガニパーティーが夏の風物詩らしいですが、種はアメリカザリガニなのかどうかはわかりません。

    著者さんはおじいちゃん子だったそうで、猟や食に関する知識や興味は、おじいさん譲りのところも多そうです。

  5. kuori2014-08-27 19:12

    >ウサギは食用
    ・・・学生時代の先輩の研究室で、抗体血清を採るために飼育されていたウサギが、籠いっぱいに詰まってます状態に大きくなって、採取後にどーしようかと、ペットショップに持ち込んだら即決で引き取られ、その日のうちに通りすがりのご夫婦が「まあ、よく太ってるわねえ」とお買い上げになられたそうです。。ペット&畜産ショップだったかも。。

  6. ぽんきち2014-08-27 20:20

    kuoriさん

    ふわわ・・・。
    ウサギも増えやすいらしいですよねぇ。つがいで飼っていた知人がとんでもないことになったと聞いたことがあります(^^;)。(・・・その後、どうなったのか聞いていないのですが・・・)

    ウサギを1羽2羽と数えるのは獣肉が禁じられた時代に「鳥だよー」と言って食べていたという説もあるらしいですねぇ。
    ウサギ肉というとフランス料理~とか思ってしまいますが、結構身近な食肉だったんでしょうかねぇ。

  7. gs子2014-09-01 14:30

    うさぎ話に便乗…。

    うさぎ、誘発排卵(交尾すると排卵する)なので、増えちゃうんですよねー。
    知り合いのうさぎ飼いふたり+2羽でお散歩したところ、子供ができちゃって、その時は「男が責任取る」と言って雄側の飼い主が引き取ったそうですがw

  8. ぽんきち2014-09-01 18:50

    gs子さん

    そっか。何というか、臨戦態勢(?)なんですねぇ・・・。

    ウサギって、増えやすくもあるけれど、栄養状態が悪いと胎児が母体に吸収されるという話も聞きました。とにかく繁殖できるときに繁殖しておこうという(^^;)生き残り戦略なんでしょうかね。

  9. No Image

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