かもめ通信さん
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カート・ヴォネガットの未発表小説を集めた短編集。SF、ホラー、サスペンスに人情話と内容がバラエティに富んでいるだけでなく、文体や展開もいろいろと書き分けられていて、一気に読んでも飽きはこない。
2007年に84歳で亡くなったカート・ヴォネガットの未発表小説集「Look at the Birdie 」の全訳。
全部で14篇の作品が収録されているが、これらの作品が書かれたのは1950年代で、当時、ヴォネガットは30代。
ゼネラル・エレクトリック社広報部で宣伝コピーを書く傍ら、夜と週末に短編小説を執筆していたのだという。
口に出せないあれこれを含め、自分のことをちゃんと解ってくれる話し相手がいたとしたら……( 「耳の中の親友」 )
もしもベストセラー本に自分の町や自分自身のことがあれこれと書かれていたら……(「ヒポクリッツ・ジャンクション」)
写真を撮られたそのわけは?!(「はい、チーズ」)
史上最悪?!なんとも恐ろしい結婚記念日!(「エド・ルービーの会員制クラブ」)
様々な文体、あらゆるテクニックを駆使して多くの作品を書き、次々と雑誌社に送ると同時に、たくさんのストックが引き出しに貯まっていったというところだろうか。
題材もSFあり、ホラーあり、サスペンスあり、人情話ありとバラエティに富んでいる。
同じ結婚記念日が舞台でも全く違う展開が待ち受けているし、悪徳警官が登場したかとおもえば、別の作品にはなによりも少年の心を思いやる人情家の警官も登場する。
時にはほのぼの、時にはピリリと風刺をきかせ、また時にはスパッと切って捨てる、ハッピーエンドはもちろんバッドエンドもどういうわけか後味は悪くない。
短編集なので少しずつ読み進めることもできるし、14作品一気に読んでも飽きはこない。
著者が生きているうちに日の目を見なかった作品たちとはいえ、決して侮れない面白さだった。
お気に入りは、「エド・ルービーの会員制クラブ」「セルマに捧げる歌」「新聞少年の名誉」あたり。
全部で14篇の作品が収録されているが、これらの作品が書かれたのは1950年代で、当時、ヴォネガットは30代。
ゼネラル・エレクトリック社広報部で宣伝コピーを書く傍ら、夜と週末に短編小説を執筆していたのだという。
口に出せないあれこれを含め、自分のことをちゃんと解ってくれる話し相手がいたとしたら……( 「耳の中の親友」 )
もしもベストセラー本に自分の町や自分自身のことがあれこれと書かれていたら……(「ヒポクリッツ・ジャンクション」)
写真を撮られたそのわけは?!(「はい、チーズ」)
史上最悪?!なんとも恐ろしい結婚記念日!(「エド・ルービーの会員制クラブ」)
様々な文体、あらゆるテクニックを駆使して多くの作品を書き、次々と雑誌社に送ると同時に、たくさんのストックが引き出しに貯まっていったというところだろうか。
題材もSFあり、ホラーあり、サスペンスあり、人情話ありとバラエティに富んでいる。
同じ結婚記念日が舞台でも全く違う展開が待ち受けているし、悪徳警官が登場したかとおもえば、別の作品にはなによりも少年の心を思いやる人情家の警官も登場する。
時にはほのぼの、時にはピリリと風刺をきかせ、また時にはスパッと切って捨てる、ハッピーエンドはもちろんバッドエンドもどういうわけか後味は悪くない。
短編集なので少しずつ読み進めることもできるし、14作品一気に読んでも飽きはこない。
著者が生きているうちに日の目を見なかった作品たちとはいえ、決して侮れない面白さだった。
<収録作品>
「耳の中の親友」 「FUBAR」 「ヒポクリッツ・ジャンクション」
「エド・ルービーの会員制クラブ」 「セルマに捧げる歌」
「鏡の間」 「ナイス・リトル・ピープル」 「ハロー、レッド」
「小さな水の一滴」「化石の蟻」 「新聞少年の名誉」
「はい、チーズ」「この宇宙の王と女王」「説明上手」
お気に入りは、「エド・ルービーの会員制クラブ」「セルマに捧げる歌」「新聞少年の名誉」あたり。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:河出書房新社
- ページ数:300
- ISBN:9784309206561
- 発売日:2014年07月25日
- 価格:2160円
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