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manjyuさん
manjyu
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子供は親を選べない。本当に残念だが事実だ。
三田村は、テレビで見た児童擁護施設のドキュメンタリーに感動した。
親でない施設の職員が辞める時、子供にすがりつかれて泣かれた。
「親に捨てられた子があんなに懐くなんてすごくない?」

営業三年目の仕事を辞めて、児童養護施設「あしたの家」に勤務することになった初日。
「あしたの家」で『問題がない子』と思われている奏子に、
ここへきた理由を聞かれ考えなしに答えてしまった。

以来他の子供達は、三田村に懐くが、奏子は心を開いてくれなくなる。


こんな三田村と施設職員の先輩である和泉、猪俣らや
奏子、久志らが中心となり物語は展開する。

前半は「あしたの家」での出来事を
そして後半は、別の施設「サロン・ド・日だまり」の存続意義を問う話になる。

前半で読者は登場人物に感情移入し、そして後半
明文化できる目的なんかないけど存在していてくれなくては困る
「サロン・ド・日だまり」の話に引き込まれる。

上手い。

中学校勤務時代、いろいろな子供と親を見た。
まさしく主人公の一人である奏子のように
『子供を家政婦代わりにこきつかい学校に行かせない』親は普通に存在した。

わずか数百円の受験の交通費さえ、渡してしまえば飲み代に使ってしまう親もいた。
やれ風が吹いている、やれ雨が降っていると
当たり前のように毎日車で送り迎えする親がたくさんいる一方で・・・

子供は親を選べない。

本当に残念だが事実だ。

だったら社会が彼らを支えればいい。

そういう当たり前と言えば当たり前、
でも普段忘れてしまっていることを熱く教えられる本書。

お勧めです。

あ・・・浩さんお得意の淡いラブストーリーもありますよ。^^
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manjyu
manjyu さん本が好き!1級(書評数:279 件)

三度のご飯より、本が好きです。

皆さまの素晴らしい書評を拝読するほどに
読みたい本がどんどん増えていくことが悩みの種です。
(読書速度が追いつきません。TT)

書評とは言えない駄文に
いつもコメントや投票をありがとうございます。
皆さまの暖かさが、大変励みになります。^^

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