祐太郎さん
レビュアー:
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「芥川症」を読んでいるこちらが病んでいきそうですが、病みつきにも注意。
いかにも芥川龍之介という医師が表紙に描かれています。
著者は、「廃用身」などで医学会の現実をえぐり出している医師・久坂部羊。芥川龍之介が今昔物語に『想を得た』というパクリをしたなら、俺は芥川に『想を得た』という感じで描いた医療・福祉系短編集。
題名だけみてもニヤリとするばかり。
○父の死にまつわる医療ミスを探る中で自らの運命を知ることになる医療の進歩の是非について考えさせられる「病室の中」
○心臓移植手術を受けた若者をめぐる悲喜劇「他生門」
○耳に魅入られた若手小説家の狂気「耳」
○動物を救われると地獄から救われるのか?「クモの意図」
○町の医者と売れない芸術家がつくる本物の芸術「極楽変」
○父と息子による高齢者介護を繋ぐ「バナナ粥」
○医学の現実をわかっていながら自分の病気で苦悩する医者の「或利口の一生」
このサイトの読者ならそれぞれの元ネタの名前とあらすじは大体わかるはずですよね。ただし、芥川がニヤリと皮肉がいっぱいならば、こちらは精神を病みそうな狂気がいっぱいです。読みやすい短編ながら、精神が読み進めるのを止めようとして結局3日かかりました。最初は精神が受け付けなかった作品たちにだんだん魅了され、病みつきになっていくのがわかります。
そういう点では非常に危険な書物と思います。
著者は、「廃用身」などで医学会の現実をえぐり出している医師・久坂部羊。芥川龍之介が今昔物語に『想を得た』というパクリをしたなら、俺は芥川に『想を得た』という感じで描いた医療・福祉系短編集。
題名だけみてもニヤリとするばかり。
○父の死にまつわる医療ミスを探る中で自らの運命を知ることになる医療の進歩の是非について考えさせられる「病室の中」
○心臓移植手術を受けた若者をめぐる悲喜劇「他生門」
○耳に魅入られた若手小説家の狂気「耳」
○動物を救われると地獄から救われるのか?「クモの意図」
○町の医者と売れない芸術家がつくる本物の芸術「極楽変」
○父と息子による高齢者介護を繋ぐ「バナナ粥」
○医学の現実をわかっていながら自分の病気で苦悩する医者の「或利口の一生」
このサイトの読者ならそれぞれの元ネタの名前とあらすじは大体わかるはずですよね。ただし、芥川がニヤリと皮肉がいっぱいならば、こちらは精神を病みそうな狂気がいっぱいです。読みやすい短編ながら、精神が読み進めるのを止めようとして結局3日かかりました。最初は精神が受け付けなかった作品たちにだんだん魅了され、病みつきになっていくのがわかります。
そういう点では非常に危険な書物と思います。
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片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。
★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評
※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。
プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新
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- 出版社:新潮社
- ページ数:260
- ISBN:9784103358718
- 発売日:2014年06月20日
- 価格:1620円
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