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かもめ通信
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朝ドラは全く観ていないのだけれど、仲間由紀恵が演じているという役柄のモデルとなった白蓮には、以前から興味があったので読んでみた。
この散文の著者・長谷川時雨は、劇作家であり小説家でもあった人で、雑誌や新聞を発行して、女性の地位向上の運動を率いたと女性だという。
そういう女性が美人伝なるものを沢山書き残しているというのもまた興味深いところなのではあるのだが、そこはそれ、文章からはただ単に噂話や恋愛沙汰を面白半分にとりあげるだけでなく、あれこれと語ってみせようという気概が感じられる。

長谷川時雨がこの文章を書いたのは、昭和10年。
いわゆる白蓮事件が起きたのは大正10年だというから、世の中の騒ぎもひととおり収まった頃だ。
関係筋から“いまさら寝た子を起こさないで欲しい”といった注文がつき、一時は中断も余儀なくされたというだけあって、事件のあらましだけでなく、白蓮が新聞に公開した絶縁状や、白蓮が事件の前と後に詠んだ歌、本人へのインタビュー、あるいは身近な人びとの証言などもふんだんに引いている。

世間を騒がせた事件の“真相”もさることながら、恋に憧れた時代の歌と、直面した厳しい現実の中で詠まれた歌の対比がまた興味深い。
しかも時雨は歌の選定を白蓮本人にさせているというところがまた面白かった。

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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2235 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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