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Kuraraさん
Kurara
レビュアー:
んっ、もぅ!な人々が続々と登場するのが何よりも嫌!
─────「よそものは、死ぬまでよそもの」
閉塞的な土地で起こるホラー作品と勝手に自分の中で決め込んで
読み始めたわけですが・・・。

日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞された方なので、
てっきりホラーだと思ってしまったのがそもそもの勘違いだったようで、
内容的にはコワイというより、人間関係の気持ち悪さがなんとも不快、不快・・・。

都会から引っ越して来た梅宮家は、夫婦と娘、そして要介護の母親という
家族構成。睦間町という土地は、決してよそ者を受け入れない町で、
住民たちの人間関係も複雑な事情を抱えている者が多い。

息子を殺され復讐に走った父親が英雄として扱われていたり、
夫を殺したよそ者としてこの町からつまはじきにされている
小料理屋の女将など、家庭内だけではなく、町全体が複雑で不穏な
空気がたちこめている。

決してつまらないわけではないのですが、イマイチ焦点が
ぼやけている感じがする。

梅宮家の問題、梅宮の職場、町の人々の事件やガーゴイル像の破壊、
娘たちの動き、SNSの書きこみ等々、話が点在していて要所要所で
自分なりにそれらをまとめていかないと話がとっ散らかる。

中心の話はやはり町のことなのでしょうけど、私は梅宮家の
冷え切った家族関係が一番気になっていました。
夫の梅宮がねぇ・・・自分の都合で家族を振り回したくせに、
家庭をないがしろにし、言動も非常に不愉快な男なんですわ。

さぁ、このあちこちに広がった得体の知れない厭な町のこと、歪んだ家族のこと。
どう収束させるのか・・・ある意味それが知りたくて読み進める形になる。

エピローグの数ページで登場した人々のその後が簡潔にまとめられている。
なんとなくきれいにまとまった感はあるけど、せっかくここまで
来たのにパタパタと店じまいされたような雰囲気。
もっと最後まで丁寧に描いて欲しかったなぁと思うのです。

ということで、どうなのかな?ホラーではないですよね。
どちらかと言えば、ヒューマンサスペンス的なものかな~と。
まぁ、どっちでもいいか(笑)
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Kurara
Kurara さん本が好き!1級(書評数:811 件)

ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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