chiezoさん
レビュアー:
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長女の真面目さや義理堅さは、次女や長男の嫁の比じゃない。ガンバレ長女!
老いた親に頼られる長女たち。
長男の嫁は赤の他人、次女や次男は他人事。
親子以上の親密さに囚われる長女3人の物語。
会社勤めを辞めて母の介護生活に入った直美。幻視の始まった母親の
娘に対する辛辣な態度に辟易しながら介護にあたる『家守娘』。
父親を孤独死させた負い目を感じながら医師としてインドの山奥で
原始的な村で医療活動を目的に訪れた頼子の見た生と死を描いた『ミッション』。
重度の糖尿病を患う母の代わりに「医者の妻」を代行する慧子。
我がままで不摂生ばかりの母親に振り回される『ファーストレディ』。
老いて子供の世話になるのはイヤだ!と思っていても
現実には子供の世話になる事は少なからずあるわけで。
そこに至るまでの親子関係が試される瞬間でもあるのかもしれない。
実際、親が入院するとか、病気で伏せる状況に陥った時
こまごまとした雑多な事柄に柔軟に対応できたり、気が利くのは
圧倒的に一番身近で遠慮のない関係の女、すなわち娘。
それも圧倒的に頼りになるのが長女。
長女特有の真面目さ、義理堅さは次女や長男の嫁の比ではない。
当の親だって、ノー天気な次女や赤の他人の嫁より安心して任せられる。
「おねえちゃんなんだから・・・」と言われて育った長女は
どんなにヤサグレた思春期を過ごそうとも、自ずと真面目に実直に育ったのだ。
ま、確かに、責任を負わされた長女の身になれば、たまったもんじゃないだろう。
だけど少なくとも次女や赤の他人より、間違いなくその才能はゼッタイある。
本作に登場する長女たちは、責任感が強くて親を背負い込むタイプ。
しかも次女や兄弟たちは、親の窮地を他人事のように扱っている。
そりゃ、長女がかわいそうすぎる。
長女に任せるんだったら、協力はしても余計な口を挟まない。
親の全てを一任したなら、親の財産も全て長女に任せなきゃ!!
そのぐらいの勢いでオマカセしないと本作の長女たちは気の毒すぎる。
パンチの効いた親から生まれた長女だもの、彼女達も結構パンチが効いているが
合わせ鏡のようにいかないのが母と娘。
老いて傍若無人ぶりを発揮する親に振り回されても
感情を押さえ込み実の親を引き受ける。
『家守娘』の直美も『ファーストレディ』の慧子も母親に振り回される。
どちらも母親のわがままぶりに翻弄され、公的機関に助けを求められない。
慧子にいたっては、薄い殺意さえ芽生えてドキドキ。
『ミッション』は親の介護問題を越えて、人の寿命や死生観に焦点があたる。
長寿で長生きすることが絶対幸せと思っている日本人は本当に正しいか?
対処療法でしかない西洋医学が正しくて、祈祷や野草を煎じた土着療法が
間違っていると本当にいえるのか。
文明が絶対だと信じる先進国の人間のエゴが悩ましい。
これから親は老いて弱り始め、やがて自分も。
介護する人、される人、誰もそれを望まないけれど
人が生まれて死んでいく以上、この問題は連綿と続いていくことだろう。
自分が介護するとき、介護されるとき、この本を思い出して
ちょっぴり思い出し笑いができればいいのかな。
アタシは次女だから、姉ちゃん、任せたよっ!!(手伝えよ、おい)
長男の嫁は赤の他人、次女や次男は他人事。
親子以上の親密さに囚われる長女3人の物語。
会社勤めを辞めて母の介護生活に入った直美。幻視の始まった母親の
娘に対する辛辣な態度に辟易しながら介護にあたる『家守娘』。
父親を孤独死させた負い目を感じながら医師としてインドの山奥で
原始的な村で医療活動を目的に訪れた頼子の見た生と死を描いた『ミッション』。
重度の糖尿病を患う母の代わりに「医者の妻」を代行する慧子。
我がままで不摂生ばかりの母親に振り回される『ファーストレディ』。
老いて子供の世話になるのはイヤだ!と思っていても
現実には子供の世話になる事は少なからずあるわけで。
そこに至るまでの親子関係が試される瞬間でもあるのかもしれない。
実際、親が入院するとか、病気で伏せる状況に陥った時
こまごまとした雑多な事柄に柔軟に対応できたり、気が利くのは
圧倒的に一番身近で遠慮のない関係の女、すなわち娘。
それも圧倒的に頼りになるのが長女。
長女特有の真面目さ、義理堅さは次女や長男の嫁の比ではない。
当の親だって、ノー天気な次女や赤の他人の嫁より安心して任せられる。
「おねえちゃんなんだから・・・」と言われて育った長女は
どんなにヤサグレた思春期を過ごそうとも、自ずと真面目に実直に育ったのだ。
ま、確かに、責任を負わされた長女の身になれば、たまったもんじゃないだろう。
だけど少なくとも次女や赤の他人より、間違いなくその才能はゼッタイある。
本作に登場する長女たちは、責任感が強くて親を背負い込むタイプ。
しかも次女や兄弟たちは、親の窮地を他人事のように扱っている。
そりゃ、長女がかわいそうすぎる。
長女に任せるんだったら、協力はしても余計な口を挟まない。
親の全てを一任したなら、親の財産も全て長女に任せなきゃ!!
そのぐらいの勢いでオマカセしないと本作の長女たちは気の毒すぎる。
パンチの効いた親から生まれた長女だもの、彼女達も結構パンチが効いているが
合わせ鏡のようにいかないのが母と娘。
老いて傍若無人ぶりを発揮する親に振り回されても
感情を押さえ込み実の親を引き受ける。
『家守娘』の直美も『ファーストレディ』の慧子も母親に振り回される。
どちらも母親のわがままぶりに翻弄され、公的機関に助けを求められない。
慧子にいたっては、薄い殺意さえ芽生えてドキドキ。
『ミッション』は親の介護問題を越えて、人の寿命や死生観に焦点があたる。
長寿で長生きすることが絶対幸せと思っている日本人は本当に正しいか?
対処療法でしかない西洋医学が正しくて、祈祷や野草を煎じた土着療法が
間違っていると本当にいえるのか。
文明が絶対だと信じる先進国の人間のエゴが悩ましい。
これから親は老いて弱り始め、やがて自分も。
介護する人、される人、誰もそれを望まないけれど
人が生まれて死んでいく以上、この問題は連綿と続いていくことだろう。
自分が介護するとき、介護されるとき、この本を思い出して
ちょっぴり思い出し笑いができればいいのかな。
アタシは次女だから、姉ちゃん、任せたよっ!!(手伝えよ、おい)
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読書熱は一向に下がらず、本を読み続けてはいるのですが
なかなか当サイトを訪れる事が出来ず
「読んだ本」ばかりが増え続けております。
皆さんの書評を拝読できず、投票行為も止まったままですが
時折、投票されましたメールを戴き恐縮しきりでございます。
またチョボチョボと「読んだ本」から書評へと
移行させていきますので、よろしゅうお願いします。
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- 出版社:新潮社
- ページ数:288
- ISBN:9784103133636
- 発売日:2014年02月21日
- 価格:1728円
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