たけぞうさん
レビュアー:
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少女たちの揺れ動く心理を描く。
「スペードの3」「ハートの2」「ダイヤのエース」の連作短編だ。
歌劇団出身の女優・香北つかさのファンクラブであるファミリア。
家服というおそろいの黄色いコスチュームに身をつつみ、舞台に足を運ぶ。
三人の幹部がいて、「スペードの3」は幹部の一人である美知代の視点で書かれている。
美知代の実生活、ファミリア幹部の立ち振る舞い、小学校の日々。
仕切り屋でしっかり者を通してきた美知代。その足もとがぐらぐらする物語だ。
「ハートの2」は、美知代の同級生だったむつ美の視点の物語。
陰口を叩かれるような引っ込み思案の子で、姉弟ともにコンプレックスを抱えている。
そんな二人の変化していく物語。
「ダイヤのエース」は、歌劇団出身の女優視点の物語だ。
三作とも女性視点である。
主人公が大人の場合は、少女時代が回想で入ってくる。
そんな揺れ動く日々。
朝井リョウさんらしい作品といえる。
ただし、小手先に走っている部分があり、自分の期待と少しずれてしまった。
わたしは朝井リョウさんの作品に驚きを求めていない。
ピリッとした緊張感や、せつない文章を読みたいのである。
そういう意味で「ハートの2」は楽しめたが、いかんせん中途半端で終わっている。
他の二作も、全般的に見れば悪くはない。
しかしこの人の良さが充分伝わるかというと、少々疑問が残る。
とはいえ、次作が出たら間違いなく手に取るだろう。
歌劇団出身の女優・香北つかさのファンクラブであるファミリア。
家服というおそろいの黄色いコスチュームに身をつつみ、舞台に足を運ぶ。
三人の幹部がいて、「スペードの3」は幹部の一人である美知代の視点で書かれている。
美知代の実生活、ファミリア幹部の立ち振る舞い、小学校の日々。
仕切り屋でしっかり者を通してきた美知代。その足もとがぐらぐらする物語だ。
「ハートの2」は、美知代の同級生だったむつ美の視点の物語。
陰口を叩かれるような引っ込み思案の子で、姉弟ともにコンプレックスを抱えている。
そんな二人の変化していく物語。
「ダイヤのエース」は、歌劇団出身の女優視点の物語だ。
三作とも女性視点である。
主人公が大人の場合は、少女時代が回想で入ってくる。
そんな揺れ動く日々。
朝井リョウさんらしい作品といえる。
ただし、小手先に走っている部分があり、自分の期待と少しずれてしまった。
わたしは朝井リョウさんの作品に驚きを求めていない。
ピリッとした緊張感や、せつない文章を読みたいのである。
そういう意味で「ハートの2」は楽しめたが、いかんせん中途半端で終わっている。
他の二作も、全般的に見れば悪くはない。
しかしこの人の良さが充分伝わるかというと、少々疑問が残る。
とはいえ、次作が出たら間違いなく手に取るだろう。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:講談社
- ページ数:298
- ISBN:9784062188500
- 発売日:2014年03月14日
- 価格:1620円
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