
もう今時、この概念を信じている人は少ないかもしれませんが、これは私は絶対ウソだと思っています(笑)。女性であるなら、たぶんものすごく早い段階で、この事実に気が付くはず。
外見は武器になる。「女らしさ」も武器になる。ついでに「若さ」も、武器になる。
以前、とっても可愛い女の子とカフェに行ったとき、すごく混んでいるのにスタッフの方が走ってきて、席を空けようと頑張ってくれたことがありました……。
うちの妹はバスに乗ってお金を払う時、カード残高が大分足りず、残りを現金で支払おうとしたら「もういいよ!(ニコッ)」と、バスの運転手さんに言われていました。(それで良いのか、市バス……。)
だけどこの武器は長く使おうと思ったら、たぶんものすごく美貌を保つための努力とやらが必要になって来るし、お金もかかると思います。
本書は同志社大学で社会学を学んでいた真面目な著者(京都大学の大学院への進学も決まっていた)が、自ら修士論文を書くためにキャバクラ嬢になり、あれこれ体験したことが書かれています。
実際にキャバクラ嬢になったのはすごいと思ったし、色んな人に話を聞いてインタビューしており、夜の世界が垣間見えて、ドキドキさせてもらいました。
でも、これを読んで、帯に書いてある「武器としての教養」になるか、という点では、少しう~ん……?となってしまいました。
私の完全なる願望ですが、キャバ嬢のモテテクニックを凡人で何のモテテクニックももたない私に、上手く伝授してほしかった……そういう内容も書いて、と思いました。(いえ、何でもございません。)
「キャバ嬢として」客と長期的に関係を築くには「私はキャバクラ嬢である」ということを、上手く理解させることが必要なのだそうです。
「素人らしさ」が売りになるキャバクラでは、客はキャバクラ嬢を、時に「普通の女の子」として扱いたがる……。
だから「私はキャバ嬢であり、あなたは客である」ということを上手に理解させなければならない、とありました。
お客さんに、ちゃんと人として接してあげつつも、お客さんを「お客さん」として割り切る……この矛盾を上手く成立させることが難しいけど重要なんだ、とあり、その辺は勉強になりました。
最後に著者は
「全ての女性は、キャバクラ嬢になりうる」。この社会に生きる限り私たちは、「カオとカネの交換システム」から逃れることはできない。
と、述べていました。
これには、大きくうなずかされました(笑)。
「女らしさを武器にするなんて……!」
そう言ってひがんでいるヒマがあるのなら、ミニスカートでもはいて、ナチュラルメイクという名の厚化粧をして、ヒールをカンカンならして、外へ出ていった方がモテるし、良い思いもできるよな……とは感じます。
ただ、「女であること」以外に、勉強でも特技でも仕事でも料理でも、もう一つ武器を持っていた方が、より生きやすくはなるかもな……と、アラサーになった私は、最近感じるのです(笑)。



<2017/2/20>
さゆと申します。
今年も、時々フラリと現れます。
友達は胃薬です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
この書評へのコメント
- sayu2014-04-03 08:39
かもめ通信さん 薄荷さん
コメントありがとうございます。。
若さ…なのでしょうか……。
こちらの本、実はキャバ嬢を本当にされていた素敵女子にプレゼントして頂いたのですが(著者の方とお知り合いだそうで、知り合いが本出したのー!と言って私にもくれました。)その子は私と同い年でしたが、本当に可愛かったです。
なま足でショートパンツで颯爽と現れて、ニコニコとお話される姿に私もドキドキでしたw
まだいけるか、もうだめかミニスカート…!という感じの微妙な年齢の私です…!(~_~;)
私もハイヒールはいて、靭帯痛めて、速攻病院送りになったことがあります…!笑クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - sayu2014-04-03 14:19
有坂汀さん
有坂さんのレビュー拝見しました。。素晴らしいです!
黒服についても、『キャバ嬢の社会学』で結構触れられているので、読まれたら面白いかもしれません。。
あと、どうして「キャスト」という名前で呼ばれるようになったかですが、これはメディアの影響が大きいそうです。都市で売られているキャバクラ専門誌が「キャスト」という名前を使い始め、多くの店が追従したそうです。キャバクラも契約上は「ホステス」で女性を雇うらしいのですが「水商売」のネガティブなイメージや「プロの技術が必要な仕事」という印象が強いため、多くの素人女性を集めるために「キャスト」という名前が一般化したのでは、と書かれていました。
店舗という舞台の上で演技する「女優」である、という意味も込められているようです。。
あ、いつから…はわかりませんでした。「結構前」と書かれていました。笑クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - sayu2014-04-03 14:52
そのじつさん
すごい、素晴らしいです!!!
視線を向けられるなんて…!
そのじつさん、美人さんなのですね。。うらやましいです!!!!!
でも、大事ですよね!ハイヒール履いて、メイクバッチリにして、お出かけするの。。
女性として生まれてきたことを、謳歌できたらなぁと思います。(願望・・・)
「可愛い」って(お世辞でも)言われたら嬉しいですし!
「女性的魅力の意味」について考えていらっしゃる…!
こちらの書評がお役にたてたかどうかはわかりませんが、そのじつさんの書評楽しみにしております!クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - ちょわ2014-04-04 19:50
お邪魔しますm(__)m書評の冒頭を読みながら、脳内で共感ボタンを連打している自分がいましたw
自分は顔面のコンプレックスでさんざん悩んできたのですが、これまでにひとりだけ「お前は顔は全然タイプじゃないけど一緒にいるとなんかいい感じだ!」と言ってくれた人がいました。確かに私も一緒にいて楽しく、でも凄い遊んでる既婚者だったので誘われてもお断りし続けているのですが、やっぱりそんなふうに外見より中身のことをいいと言ってもらえると、嘘でも嬉しいです。もう一生の励みになりますw
それで喜んで女として綺麗になる努力を一切放棄してしまっているので困ったものなのですが…何を言いたいかというと、男性の皆さん、たまにはブスを褒めてくださいwという切実な叫びでしたw失礼しました(^_^;)クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - sayu2014-04-04 20:15
ちょわさん
コメントありがとうございます。。
共感ボタン連打、嬉しいですww
美人と一緒にいると得したり悲しくなったり…笑
女子は複雑ですよね。。。
中身ほめて頂けると嬉しいですよね!!!!
「一緒にいるとなんかいい感じだ!」と言って下さるなんて、素敵です。
ちょわさんがとても素敵な方だからだと思います。。。
私はずっと大好きだった人に「さゆちゃんの文章レベルだと(私は今ライターをしているのですが)俺でも書ける。ていうか暗い記事ばっかり好きじゃない。」と、自分の人生を書けてかいているものを、そんな風に言われてめっちゃ悲しかったことがあります。笑
(文章レベルは確かに大したことないんですがw)
うん、でも外見よりやっぱり中身褒められた方が、嬉しいですよね。。。
良いな、と思ったことをサラリと言葉に出せる人になりたいです。
男性の皆様、どんどん褒めて下さいw
素敵なコメントありがとうございました。。。。<m(__)m>クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - ちょわ2014-04-05 02:28
大好きな人にそんなふうに言われたら、それは辛いですね…。でもでも、好きな人に書いたものを読んでもらえたのって羨ましいです。
私はいつか自分の書いた書評を好きな人(前のコメントの人とは別の人です)に読んでもらいたいなぁ、という夢があるのですが、その人は私にたぶん興味がないので(笑)この夢は叶わなそうです。まぁそんな振り向いてくれない所も好きだったりして(^-^;
なかなか読みにこれないですが、私は以前からsayuさんの文章好きですよ~!って、好きな人に言われないと意味ないですねwでも、人の評価って変わるものだと思うので、ちゃんと届く時がきっと来ると思います。
ってつい長々お話してしまいました。お邪魔しました(^-^)/クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - sayu2014-04-05 06:53
ちょわさん
ありがとうございます!!!!
文章も好きって言って下さって涙、涙、です・・・。
私もちょわさんのレビュー好きです。。
なんでこんなに想いが伝わってきて、そして内容もスッと頭に入って来るのだろう…と尊敬していました。
好きな人に書評読んでもらえたら嬉しいですよね。
私の場合、読んでもらえたら読んでもらえたで、ツッコミと批判しかなかったのですがw
でも振り向いてもらえない所も好き!ってすごいわかります。。。
基本的に「好き」と言ってくれる人のことは、私はなぜか好きになれません……(笑)
追いかけてないと、しんどくなるんですよね…(不幸)
あぁ、私のどうでも良い話を長々と失礼しました!
>でも、人の評価って変わるものだと思うので、ちゃんと届く時がきっと来ると思います。
こちらを読んで、号泣してしまいました。
ちょわさんの想いも、きっと届きますように!
温かいコメント、ありがとうございました。。。<m(__)m>クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:講談社
- ページ数:224
- ISBN:9784061385467
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