風竜胆さん
レビュアー:
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作者は、いったい何を「本気になった」のでしょう?
梶井基次郎の「路上」。
内容は何と言うことはない。友人のところに行くのに、今まで使っていた電停より、もっと便利な電停を見つけて喜んでいた主人公。ある日、友人が訪れて来たとき、崖を上っていくもっと近道となるルートを見つけた。もちろんちゃんとした道ではない。
ある雨上がりの日、この近道を通ろうとした主人公。<自分はきっと滑って転ぶに違いない>と思ったとたん、案の定足を滑らす。しかし、<まだ本気にはなっていなかった>ということで、よせばいいのに、<本気になって>、また坂道を滑り下りようとした。そのまま滑って、石垣のところから下に落ちるかと思ったが、なんとか鼻のざらざらとしたところで停まったという話だ。
何をいったい「本気になった」のかはよく分からないのだが、ちょっと視点を変えて読んでみると、なかなか興味深い。
主人公が、最初に前よりもっと便利な電停を見つけて、こちらを利用するようになる。ここまでは効率化と言えるだろう。しかし後がいけない。もっと近道を見つけたつもりになって、短絡行為に走ってしまった。「転ぶに違いない」と思いながら、「本気になって」もっと危ないことをする。人は一度短絡行為を覚えてしまうと、危ない状況でも、「このくらい大丈夫だろう」と思って、あえてやってしまう。まさに、災害はこうして起きるという見本のような話だと考えれば、教訓的ではある。
内容は何と言うことはない。友人のところに行くのに、今まで使っていた電停より、もっと便利な電停を見つけて喜んでいた主人公。ある日、友人が訪れて来たとき、崖を上っていくもっと近道となるルートを見つけた。もちろんちゃんとした道ではない。
ある雨上がりの日、この近道を通ろうとした主人公。<自分はきっと滑って転ぶに違いない>と思ったとたん、案の定足を滑らす。しかし、<まだ本気にはなっていなかった>ということで、よせばいいのに、<本気になって>、また坂道を滑り下りようとした。そのまま滑って、石垣のところから下に落ちるかと思ったが、なんとか鼻のざらざらとしたところで停まったという話だ。
何をいったい「本気になった」のかはよく分からないのだが、ちょっと視点を変えて読んでみると、なかなか興味深い。
主人公が、最初に前よりもっと便利な電停を見つけて、こちらを利用するようになる。ここまでは効率化と言えるだろう。しかし後がいけない。もっと近道を見つけたつもりになって、短絡行為に走ってしまった。「転ぶに違いない」と思いながら、「本気になって」もっと危ないことをする。人は一度短絡行為を覚えてしまうと、危ない状況でも、「このくらい大丈夫だろう」と思って、あえてやってしまう。まさに、災害はこうして起きるという見本のような話だと考えれば、教訓的ではある。
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昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
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- 出版社:
- ページ数:7
- ISBN:B009IXE6OQ
- 発売日:2012年09月27日
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