雅也-カヤ-さん
レビュアー:
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武田さんて誰やねん。
本が好き本が好きと言ってはみるものの
自分の読書の幅は狭く、読んだことのない作家が少なくない。
恥ずかしながらこの作品の著者・織田作之助も
今日まで読んだことのない作家の一人だった。
本作品は四月馬鹿というタイトルにもかかわらず
冒頭はいきなり「武田さんのことを書く。」という一文から始まる。
ここでいう「武田さん」というのは作家の武田麟太郎のことだ。
ものを知らない私はもちろんこの作品を読むまでは知りませんでした。
でも、武田さんが誰かを知らなくても大丈夫。
織田作之助が語る武田さんはあまりに奔放で
どこか寂しくてあっという間に引き込まれてしまったから。
大阪で一番汚い男の武田さん。
思いを寄せる女の子から別の男との仲介役を頼まれてしまう武田さん。
タクシー代を値切ろうとして殴られて血だらけになってしまう武田さん。
自分のデマを自分で流す武田さん。
締め切りを守らなすぎて強制缶詰にされてしまう武田さん。
そして、突然死んでしまった武田さん。
新聞で「武田麟太郎氏急逝す」を見た著者は
あ、凄いデマをとばしたなと思った。
だって、武田さんはいつだって新聞に自分のデマを吹聴するのを楽しんでいたし
その記事が載ったのは四月一日だったのだから。
ああ、だから四月馬鹿なのか。
デマ好きの武田さんの急逝記事が載ったのは四月馬鹿の日だった。
この出来事は最後の最後まで武田さんが武田さんらしくあったと思わせる。
それから織田はこりゃ武田さんの一生一代の大デマだ
と呟きながらポタポタと涙を流した。
それを読んだ私も気付けばうるうるしていた。
武田さんが誰かもしらないくせに。
これはきっと織田作之助の武田さんへの追悼文なのだろう。
作者曰く、この作品の書き出しは武田麟太郎の「弥生さん」という作品の真似をしているという。
それを真似たというのは弥生さん=3月から4月のエイプリルフールへということなのかしら。
自分の読書の幅は狭く、読んだことのない作家が少なくない。
恥ずかしながらこの作品の著者・織田作之助も
今日まで読んだことのない作家の一人だった。
本作品は四月馬鹿というタイトルにもかかわらず
冒頭はいきなり「武田さんのことを書く。」という一文から始まる。
ここでいう「武田さん」というのは作家の武田麟太郎のことだ。
ものを知らない私はもちろんこの作品を読むまでは知りませんでした。
でも、武田さんが誰かを知らなくても大丈夫。
織田作之助が語る武田さんはあまりに奔放で
どこか寂しくてあっという間に引き込まれてしまったから。
大阪で一番汚い男の武田さん。
思いを寄せる女の子から別の男との仲介役を頼まれてしまう武田さん。
タクシー代を値切ろうとして殴られて血だらけになってしまう武田さん。
自分のデマを自分で流す武田さん。
締め切りを守らなすぎて強制缶詰にされてしまう武田さん。
そして、突然死んでしまった武田さん。
新聞で「武田麟太郎氏急逝す」を見た著者は
あ、凄いデマをとばしたなと思った。
だって、武田さんはいつだって新聞に自分のデマを吹聴するのを楽しんでいたし
その記事が載ったのは四月一日だったのだから。
ああ、だから四月馬鹿なのか。
デマ好きの武田さんの急逝記事が載ったのは四月馬鹿の日だった。
この出来事は最後の最後まで武田さんが武田さんらしくあったと思わせる。
それから織田はこりゃ武田さんの一生一代の大デマだ
と呟きながらポタポタと涙を流した。
それを読んだ私も気付けばうるうるしていた。
武田さんが誰かもしらないくせに。
これはきっと織田作之助の武田さんへの追悼文なのだろう。
作者曰く、この作品の書き出しは武田麟太郎の「弥生さん」という作品の真似をしているという。
それを真似たというのは弥生さん=3月から4月のエイプリルフールへということなのかしら。
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■ 登録日 2012/07/26
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某サイトで読んだり、備忘録的に記したり、
BLソムリエとしても色々楽しく参加中。
【めも】
2013/4/14 50書評 到達。
2013/11/19 100書評 到達。
2014/10/26 150書評 到達。
2019/1/15 200書評 到達!
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- 出版社:
- ページ数:16
- ISBN:B009B1FHR0
- 発売日:2012年09月13日
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