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たけぞう
レビュアー:
ワケガ ワカラナイヨ。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

図書館の新着本リストからタイトル借りした。
すばる文学賞とのことと、すばるのHPに掲載された書評の一行目の「単に爆笑しながら読んでいいと思う、キッチュでバカバカしいエピソードが次々に繰り広げられるこの小説は」との文章につられてしまった。
ああくやしい。
以下にネタバレするので、読んでみたいと思っている人はご注意を。





久野の部屋で幸菜が騒いでいる。
「放火してやる!」湿った喉から絞り出された虚勢がきんきんと響く……「放火してやる、絶対にいつか放火してやる! 水の大切さを思い知らせてやる! うるるーん」
わけの分からない疾走感。出だしは快調だ。
しかし、いったい何を争っているのか。
久野は部屋でいろいろな植物を育てている。幸菜は水を欲しがっている。二人で迎えた朝。なんなんだ、これ。

久野は実家の薬局を継いでいる。
ある日、薬学部の江藤教授から、育毛に興味はないかねと声をかけられた。
久野が油脂に興味を持っているのに目をつけたらしい。
実は久野は、実家の薬局を隠れ蓑に、無許可で高品質の油を精製していたのだった。
それにしても、なぜそれが育毛に関わるのか分からない。

しかし江藤教授は、その油欲しさに久野に激昂する。
そして永田というOBを連れてきて、油について手ほどきを受けるように指示する。
永田は悪魔的な魅力をそなえたハゲだった。
光り輝かせる頭の磨き方と、油・発毛・育毛の関係に、いかなる神秘が隠されているのか。
なんか、微妙に読者をおいていき始めているぞ。やれー、もっとやれー。

そして永田は久野を引き連れ、自分のアパートで一緒に風呂に入るよう強制し、
頭のてかりをつける油の使い方を実演するのだった。
はたして何がしたいのか。

ところがこの永田から、教え子の中学生を紹介されて事態は混迷を深める。
荻ちゃんという女の子は、どうやら不思議な力を持つらしい。
そして、その力を持つもう一人の男、楊こそ真の錬金術師であって、
教授と少女と錬金術師のそろい踏みだーい、やっほー!

物語は久野と少女と不思議な力に焦点が移っていき、
教授は突如天に召されて飛んでいくし、
永田はさっぱり見かけなくなるし、
幸菜はいつの間にか錬金術という妖術使いになって雨を降らせるのだった。

うむ。誰か解説して。
すばる文学賞、謎である。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1462 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

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この書評へのコメント

  1. 九月猫2014-06-20 14:14

    たけぞうさん、こんにちは。
    「ワケガワカラナイヨ」と「なんなんだ、これ」に
    共感ボタン100回くらい押したいです(笑)

    この本で一番面白かったのはスピンが3本というところでした(^▽^;)
    いろんな意味で次作が気になります!

  2. 薄荷2014-06-20 22:56

    >やっほー!・・・おいていかれた読者の自棄になった悲しい叫びに聞こえます(笑)

    とりあえずなんだかすごくて、勢いはある本なんですね?きっと・・・(^_^.)

  3. たけぞう2014-06-21 00:38

    >九月猫さん
    共感票ありがとうございます。
    スピン3本は、もはや記憶の彼方でございます。
    次作は、どうなりますかねぇ。

    >薄荷さん
    まあ、そのう……お薦めはしません、はっきり言って。
    たいして厚くもないのに、読破にずい分時間がかかりました。
    確かに、わけのわからない疾走感はありますね。
    でも、理解は不能なんです。

  4. 藤村幸多2014-06-22 00:44

    永田は悪魔的な魅力をそなえたハゲだった。

    この一文が素敵すぎました。

  5. たけぞう2014-06-22 08:06

    >藤村幸多さん
    ありがとうございます。この文章はですね、原文のまとめなんですよ。原文はこんな感じです。

    彼は一言でいうと……異常だった。それはつまり、一つは魅力にある。彼は我々を凍り付かせるほどの悪魔的な魅力をそなえていた……そしていま一つには、彼は禿げていた……。しかしその様相は普通ではない。彼の魅力はどうやらその禿げ方にあるようだ。だからそう、二言で言えば……彼は異常なハゲなのだ。

  6. No Image

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