kansasさん
レビュアー:
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今読むとツッコミどころ満載で面白い。太宰は一体どんな気持ちで書いたんだろう。
「走れメロス」
確かに、走れメロスよ。
言わずと知れた太宰治の代表作、走れメロス。小学生辺りの頃、太宰治の作品はなんか難しいと思って敬遠したり、読んでも何も感想が湧かなかった。しかし、今読むと、感想は出てくる。当たり前かも知れないけど。
走れメロスも例に漏れず、昔読んだ時は、感想無し。恐らく、授業で読んだんだろうけど、本当何も思わなかったんですよね。「あー友達の為に走って帰るのか、メロス」くらいで感想は終了で、今の今迄メロスを思い出す事もありませんでした。当然、物語の細かい所は忘却済み。
そんな状態の私が、走れメロスを再読しました。すると、とても面白い。しかし、残念ながら文学的にと言うより、ツッコミどころ満載で面白いのだ。
メロスは、多分いい奴ではあるのだろう。正義感が無い奴は、無差別に国民を殺す王を憎まない。しかし、メロスは怒り、憤る。彼には、正義感があるのだ。そして、買い物していた事も忘れ、いざノソノソと悪玉菌の下へ!
って待て待て、メロスよ、いくら憤っていても、買い物したついでに王の本拠地に乗り込むの?あと、ノソノソ乗り込んだらすぐ見つかるってw!
しかし、遅かった。メロスはあっさり捕まったのだ。いくらメロスは単純な男と書かれているとは言え、これは単純では済まない。
さてさて、これで終わらない所が、走れメロスの面白さ。問題はここからなのです。
捕まって王の前に連れてこられたメロス。憤りが本物かのように思えるほどメロスは、王に向かって吠える。命など惜しくない覚悟で乗り込んだのだと。
(注意)
ここで「いや待て、命を覚悟していたならばもっと計画立てて確実に王の命狙うだろ?少なくともノソノソ忍び込まない」と言うツッコミをしてはいけません。
しかし、その気概も徐々にトーンダウン。遂には、命は惜しくないと言っていたにも関わらず「願はくば、妹の結婚式に出たい。だから、処刑前に3日の猶予をくれ」と言い出します。担保に友人を差し出して。
命はいらないと言ったものの、妹の結婚式に出たいから猶予をくれと言いたいメロスの気持ちは分かる。友人を差し出すのは、置いといて。
問題は、その言い方です。ついさっきまで、王に噛み付いていたのに、猶予の懇願になると一気に丁寧語で話すメロス。「いや、無理だろ。口調変えても」と思っていたら、王はまさかのオッケーの返事。まぁ、悪役らしいいたぶってやろう感丸出しではあるが。
このメロスの変貌ぶりの一部始終を想像すると、シリアスな場面なのに、ぷっとする笑いがw
この場面以外にも、まだまだツッコミ場面が出てくる出てくる。濁流、山賊を切り抜けてきた自分を自画自賛する所なんて「なんか友達思いアピールしてるけど、なんか違うだろ」とツッコミたくて堪らなかったです。そして、最後の場面。あれもツッコミ所がw
これだけツッコミ所が満載である走れメロス。まさしくユーモア小説。また、これだけツッコミ所を用意してくれた太宰治。まさしく、彼はユーモア作家でもあったのだろうw
確かに、走れメロスよ。
言わずと知れた太宰治の代表作、走れメロス。小学生辺りの頃、太宰治の作品はなんか難しいと思って敬遠したり、読んでも何も感想が湧かなかった。しかし、今読むと、感想は出てくる。当たり前かも知れないけど。
走れメロスも例に漏れず、昔読んだ時は、感想無し。恐らく、授業で読んだんだろうけど、本当何も思わなかったんですよね。「あー友達の為に走って帰るのか、メロス」くらいで感想は終了で、今の今迄メロスを思い出す事もありませんでした。当然、物語の細かい所は忘却済み。
そんな状態の私が、走れメロスを再読しました。すると、とても面白い。しかし、残念ながら文学的にと言うより、ツッコミどころ満載で面白いのだ。
メロスは、多分いい奴ではあるのだろう。正義感が無い奴は、無差別に国民を殺す王を憎まない。しかし、メロスは怒り、憤る。彼には、正義感があるのだ。そして、買い物していた事も忘れ、いざノソノソと悪玉菌の下へ!
って待て待て、メロスよ、いくら憤っていても、買い物したついでに王の本拠地に乗り込むの?あと、ノソノソ乗り込んだらすぐ見つかるってw!
しかし、遅かった。メロスはあっさり捕まったのだ。いくらメロスは単純な男と書かれているとは言え、これは単純では済まない。
さてさて、これで終わらない所が、走れメロスの面白さ。問題はここからなのです。
捕まって王の前に連れてこられたメロス。憤りが本物かのように思えるほどメロスは、王に向かって吠える。命など惜しくない覚悟で乗り込んだのだと。
(注意)
ここで「いや待て、命を覚悟していたならばもっと計画立てて確実に王の命狙うだろ?少なくともノソノソ忍び込まない」と言うツッコミをしてはいけません。
しかし、その気概も徐々にトーンダウン。遂には、命は惜しくないと言っていたにも関わらず「願はくば、妹の結婚式に出たい。だから、処刑前に3日の猶予をくれ」と言い出します。担保に友人を差し出して。
命はいらないと言ったものの、妹の結婚式に出たいから猶予をくれと言いたいメロスの気持ちは分かる。友人を差し出すのは、置いといて。
問題は、その言い方です。ついさっきまで、王に噛み付いていたのに、猶予の懇願になると一気に丁寧語で話すメロス。「いや、無理だろ。口調変えても」と思っていたら、王はまさかのオッケーの返事。まぁ、悪役らしいいたぶってやろう感丸出しではあるが。
このメロスの変貌ぶりの一部始終を想像すると、シリアスな場面なのに、ぷっとする笑いがw
この場面以外にも、まだまだツッコミ場面が出てくる出てくる。濁流、山賊を切り抜けてきた自分を自画自賛する所なんて「なんか友達思いアピールしてるけど、なんか違うだろ」とツッコミたくて堪らなかったです。そして、最後の場面。あれもツッコミ所がw
これだけツッコミ所が満載である走れメロス。まさしくユーモア小説。また、これだけツッコミ所を用意してくれた太宰治。まさしく、彼はユーモア作家でもあったのだろうw
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●書評について(2021〜)
・書評内の作者等は敬称略。
・★★★:がっかりはしない。面白さは人によるかも率高し。
・★★★★:結構オススメ
・★★★★★:オススメ
この書評へのコメント
- Tetsu Okamoto2014-02-19 04:09
ねらってかいたのかもしれません。太宰のユーモアって、心中事件のころはタブーだったとおもいますから歳月をへてちゃんといえるようになったのかもしれません。井上ひさし「手鎖心中」の若旦那が成功したようなものですけど、笑いだけのひとではありませんし。
おもいだしたことで、20年くらい前にウッチャンナンチャンがウッチャンがメロス、ナンチャンがセリヌンティスで故郷にむかうメロスにセリヌンティウスがまっているぞ、というとメロスがう、うん、と間をおいてこたえる、セリヌンティウスはどんどん不安になり、メロスはどんどん笑いだす、それをくりかえす、というものがありました。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:
- ページ数:12
- ISBN:B009IY56Q2
- 発売日:2012年09月27日
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