ツンドクさん
レビュアー:
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未だに階級社会と言われるイギリス。その実態を英語のアクセントを軸に分析し、発売当時イギリスでタブーに挑戦したとセンセーションを巻き起こした(らしい)英語やイギリスに興味がある人にお薦めの本です。
日本は受験戦争が厳しく、学歴偏重が言われますが、アクセントや方言が結婚や就職にあまり影響しない国だと思います。
それは、アクセントや方言が学歴や社会階級とは必ずしも一致しないからですね。少数の代々にわたり慶應幼稚舎や学習院幼稚舎出身の人達には、独特のあるあるネタがあるのかもしれませんが。。。
地方から東京の学校に入学したり就職しても、そこそこ標準語を身につければ、多少の訛りがあってもそれで全うな社会人として扱われます。
しかし、Received Pronunciation(略してRP)(容認された正しい発音)を話せるかどうかで人生が大きく左右されるのがイギリス社会です。このRP発音でしゃべれなければ良い就職もできない、一昔前なら軍隊では将校にもなれない、牧師さんも出世できない、アナウンサーが地方訛りを使えばたちまちクレームの嵐になったり、発音しだいで政治家の人気も左右されてしまうらしいです。
イギリスで社会的に出世するためにはこのRP発音を身につけることが必要であるということは、公然の秘密なわけですが、実際にRPを使いこなしている人は全人口の5%程度であるらしいです。
王族から様々の地方、同じ地方でも階層ごとにアクセントが違うイギリスでは、アクセントを聞けば、その人の学歴から社会階級まで分かってしまう訳です。映画マイフェアレディ(原作はピグマリオン)や英国王のスピーチなど、音声学がイギリスを中心に発達したのは、まさにそのような社会状況があったからです。
こうしたRPがどのように形成されたかというと、1870年代以降、上流階級や中産階級の上層部では、こぞってその子弟を全寮制のパブリックスクールに入学させます。
そこで7、8歳から17、8歳まで、10年間にわたり親元を離れて教育を受けます。そのため、どの地方出身であってもパブリックスクール独自のアクセントを身に付けます。イギリスの上流階級は子供が生まれれば、すぐに母校に入学予約するらしいです。こうして、何代も親兄弟がパブリックスクールを卒業することにより、同じアクセントを話す排他的な階級が形作られていった訳です。
アクセントを聞けばパブリックスクール出身者かどうか、自分と同じ階級かどうかが、わかってしまう訳です。
この他、英国各地の方言の話(ビートルズのリバプール訛りは、上流階級には不評だったらしいです)やアメリカ英語、インド英語、オーストラリア英語などなど。。。
英語のアクセントの話が満載です。
観光で行くだけでは解らないイギリス社会の裏を知るには役立つ本ですが、What time is it now?をホッタイモイジルナ?(掘った芋いじるな)と発音しろと習った私には縁遠い内容ですね(#^.^#)
(因みに、ネイティブはnowは付けないそうです。)
それは、アクセントや方言が学歴や社会階級とは必ずしも一致しないからですね。少数の代々にわたり慶應幼稚舎や学習院幼稚舎出身の人達には、独特のあるあるネタがあるのかもしれませんが。。。
地方から東京の学校に入学したり就職しても、そこそこ標準語を身につければ、多少の訛りがあってもそれで全うな社会人として扱われます。
しかし、Received Pronunciation(略してRP)(容認された正しい発音)を話せるかどうかで人生が大きく左右されるのがイギリス社会です。このRP発音でしゃべれなければ良い就職もできない、一昔前なら軍隊では将校にもなれない、牧師さんも出世できない、アナウンサーが地方訛りを使えばたちまちクレームの嵐になったり、発音しだいで政治家の人気も左右されてしまうらしいです。
イギリスで社会的に出世するためにはこのRP発音を身につけることが必要であるということは、公然の秘密なわけですが、実際にRPを使いこなしている人は全人口の5%程度であるらしいです。
王族から様々の地方、同じ地方でも階層ごとにアクセントが違うイギリスでは、アクセントを聞けば、その人の学歴から社会階級まで分かってしまう訳です。映画マイフェアレディ(原作はピグマリオン)や英国王のスピーチなど、音声学がイギリスを中心に発達したのは、まさにそのような社会状況があったからです。
こうしたRPがどのように形成されたかというと、1870年代以降、上流階級や中産階級の上層部では、こぞってその子弟を全寮制のパブリックスクールに入学させます。
そこで7、8歳から17、8歳まで、10年間にわたり親元を離れて教育を受けます。そのため、どの地方出身であってもパブリックスクール独自のアクセントを身に付けます。イギリスの上流階級は子供が生まれれば、すぐに母校に入学予約するらしいです。こうして、何代も親兄弟がパブリックスクールを卒業することにより、同じアクセントを話す排他的な階級が形作られていった訳です。
アクセントを聞けばパブリックスクール出身者かどうか、自分と同じ階級かどうかが、わかってしまう訳です。
この他、英国各地の方言の話(ビートルズのリバプール訛りは、上流階級には不評だったらしいです)やアメリカ英語、インド英語、オーストラリア英語などなど。。。
英語のアクセントの話が満載です。
観光で行くだけでは解らないイギリス社会の裏を知るには役立つ本ですが、What time is it now?をホッタイモイジルナ?(掘った芋いじるな)と発音しろと習った私には縁遠い内容ですね(#^.^#)
(因みに、ネイティブはnowは付けないそうです。)
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読書好きですが、積読がほとんど。買った本はいつでも読めるから、読むのは図書館で借りた本。買った本はほとんど読まずに死ぬことになると思います。
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- 出版社:岩波書店
- ページ数:279
- ISBN:9784000228398
- 発売日:2003年11月15日
- 価格:2940円
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