風竜胆さん
レビュアー:
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今でも、子供たちは、学校に検便を持って行っているのだろうか?
日本は、今でこそ、世界一清潔な国になっているが、かっては70%以上の人がカイチュウを腹の中に飼っていた。ある年齢以上の方なら、寄生虫検査のための検便をマッチ箱に入れて、学校に持っていった覚えがあるだろう。それが、現在では0コンマ数%の感染率だ。
カイチュウに限らず、寄生虫全般に渡って、今では感染している人を殆ど見なくなったが、残念ながら皆無というわけではない。北海道を中心としたエキノコックス症は、いまだに脅威だし、他の寄生虫症もぽちぽちとは見られる。そのうえ、経済のグローバル化の反作用として、海外から寄生虫が持ち込まれるケースも結構あるようだ。ところが、若い医師は、寄生虫を扱った経験がないので、正しい診断ができないという。
ところで、寄生虫と言えば、連想するのは検便だ。検便すなわちウンコの話である。本書中に、次から次に繰り出されるウンコ話は爆笑ものである。いくつか紹介してみよう。
博士は、寄生虫学者の使命として、海外にいってもせっせとウンコを集めている。インドネシアの税関で、職員がウンコを詰め込んだ荷物を不審に思い、容器の蓋まで開けて調べ始めた。ところが彼の手が滑って、中の黄色い液体をかぶってしまい、空港ロビー中に響き渡る叫び声をあげたと言う。
また弘前の学会に出席した際には、同じホテルに宿泊していた他大学の学者と二人で、早朝暗いうちから、犬猫のウンコを求めて、頬かむりをして街を歩き回り、おまわりさんから不審尋問を受けたと言う。
しかし、笑えるばかりではない。人畜共通感染症の怖さ、ゲテモノ食いの危なさなどもきちんと書かれているのだ。動物は、様々な寄生虫を持っている。カイチュウなどは、人体に、十分適応しているため、宿主を弱らせては、自分の利益にならないということで、比較的被害は少ない。しかし、本来人間のものではない寄生虫に感染すると、症状は重匿になり命に関わることもある。可愛いからといって、安易に野生動物に触ったり、珍味だからといって変なものを生で食べたりしてはいけないのだ。本書は、そんな心構えもちゃんと教えてくれる。
カイチュウに限らず、寄生虫全般に渡って、今では感染している人を殆ど見なくなったが、残念ながら皆無というわけではない。北海道を中心としたエキノコックス症は、いまだに脅威だし、他の寄生虫症もぽちぽちとは見られる。そのうえ、経済のグローバル化の反作用として、海外から寄生虫が持ち込まれるケースも結構あるようだ。ところが、若い医師は、寄生虫を扱った経験がないので、正しい診断ができないという。
ところで、寄生虫と言えば、連想するのは検便だ。検便すなわちウンコの話である。本書中に、次から次に繰り出されるウンコ話は爆笑ものである。いくつか紹介してみよう。
博士は、寄生虫学者の使命として、海外にいってもせっせとウンコを集めている。インドネシアの税関で、職員がウンコを詰め込んだ荷物を不審に思い、容器の蓋まで開けて調べ始めた。ところが彼の手が滑って、中の黄色い液体をかぶってしまい、空港ロビー中に響き渡る叫び声をあげたと言う。
また弘前の学会に出席した際には、同じホテルに宿泊していた他大学の学者と二人で、早朝暗いうちから、犬猫のウンコを求めて、頬かむりをして街を歩き回り、おまわりさんから不審尋問を受けたと言う。
しかし、笑えるばかりではない。人畜共通感染症の怖さ、ゲテモノ食いの危なさなどもきちんと書かれているのだ。動物は、様々な寄生虫を持っている。カイチュウなどは、人体に、十分適応しているため、宿主を弱らせては、自分の利益にならないということで、比較的被害は少ない。しかし、本来人間のものではない寄生虫に感染すると、症状は重匿になり命に関わることもある。可愛いからといって、安易に野生動物に触ったり、珍味だからといって変なものを生で食べたりしてはいけないのだ。本書は、そんな心構えもちゃんと教えてくれる。
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昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
この書評へのコメント
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- 出版社:講談社
- ページ数:244
- ISBN:B00AJCLZQM
- 発売日:1999年03月04日
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