書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

Wings to fly
レビュアー:
様々な種類や楽な飼い方も、日本での長い歴史のことも、可愛い金魚のすべてが詰まった本です。
夏の風物詩のひとつは金魚ですね!著者吉田さんのお店は、創業350年の老舗金魚卸売問屋です。7代目女将が語る金魚のはなしを、ちょっと聞いてみませんか?

金魚の美しさの全てを楽しむには、真上から鑑賞するのがおすすめだそうです。流線形のボディーライン、全体の色が織りなす配色、ひらひらと涼しげに揺れる尾びれ。ガラスがなかった時代には、陶器の鉢で飼われていました。優雅な泳ぎ姿が鉢底に影を落とす様子を想像すると、風情がありますねえ。

西暦3~4世紀頃、長江のほとりで赤いフナが見つかりました。形も色も観賞用に改良されて華やかになり、「金運をもたらす魚」(チンユイ)と名付けられました。これが最初の金魚なのです。
日本にやってきたのは室町時代末期、金魚の飼育は江戸中期に庶民へと広がります。知られざる金魚の歴史物語としても大変面白い。江戸の将軍様のお毒見役は金魚だったこと、戦火にも水害にも負けず金魚を守り通した人たちのこと、東京本郷の店によく金魚を見に来た樋口一葉や、岡本かの子の作品など金魚に関係した文学のことにも触れられています。

金魚は熱帯魚より断然簡単に飼えるのです。水と水草だけ入れればよくて、あのぶくぶく泡が出るエアレーションは要らないんですよ。もし水面近くでお口をパクパクさせていたら、器を大きくするかお水を増やせばいいのです。水替えも餌もやり過ぎない方がいいとか、温度管理の簡単な方法なども記されていて、思わず「ちょっと飼ってみようかな(お洒落な陶器の鉢で)。」という誘惑にかられます。

その誘惑は、後半に山ほど載った金魚の種類の紹介と可愛い写真“金魚坂コレクション”により、「どうしても欲しいよ~!」と欲望に変化を遂げるのでございます。この気持ちを皆さまと分かち合いたく、私が勝手に選んだ金魚ベスト3を載せておきました。涼しげで愛らしい金魚の姿を、どうぞお楽しみ下さいね。

    • 蝶々の羽みたいな尾びれだから名前は「蝶尾」です。この子たち、泳ぎが苦手なんですって!
    • まだ小さな「朱文金」です。金魚にも性格の良い子と悪い子がいるそうです。
    • 金魚のチャームポイントのひとつはパクパクお口です。「ピンポンパール」の泳ぎ方は愛嬌たっぷり。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
Wings to fly
Wings to fly さん本が好き!免許皆伝(書評数:862 件)

「本が好き!」に参加してから、色々な本を紹介していただき読書の幅が広がりました。

読んで楽しい:20票
参考になる:5票
共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. ef2014-07-12 06:42

    金魚、良いですね~。東京のどこかで金魚のミュージアムみたいなのをやってるってTVで見ました。ちょっと興味アリ。
    金魚売りなんて、江戸の町にはいたわけですよね。いいなぁ風情だなぁ。
    でも、気候も違っていたのだと思うのだな。最近の天気は変だよね。自分の子供時代と比べてみてもおかしいって思うもの。
    7月は、昔はもっと違う天気だったって、子供efは言うのだな。

  2. はるほん2014-07-12 07:08

    金魚と言えば、アクリルを使って立体的な金魚を
    描くかたがいらっしゃいますよね。
    何かで知ってから、凄い感動して個展を見に行きました。

    ○3Dアート金魚
    https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=21bFpgEfDFM#t=37

    これも一度作ってみたいと思いつつ、よく分からず…w
    ○折り紙金魚
    https://www.youtube.com/watch?v=zQbAE2wRrdw

    ちなみに東京でやってた金魚展も見に行きました。
    あれは一見の価値あり!

  3. 祐太郎2014-07-12 07:08

    うちの金魚、ブクブクなしでかれこれ3年生きています。増やすのがいやなので、水草は入れていませんが、本当に丈夫です。

  4. ikutti2014-07-12 11:09

    金魚ミュージアム
    これかな~
    去年の写真です。

  5. Wings to fly2014-07-12 16:31

    皆さま、コメントありがとうございます。

    >efさん
    昭和40年代初期には、東京にも金魚売りがいました。大八車(死語ですね)に金魚を入れた桶を積んで売っているのを見たことがあります。著者によれば、金魚が最も売れたのは昭和30年代だそうですよ。・・・最近の天気、昔より絶対に暑いです!金魚は気温の変動に弱いから、クーラーを点けたり消したりするリビングではなく、玄関の日陰で飼うのがオススメだそうです。金運も上昇するそうですよ♪

    >はるほんさん
    3Dアートすごい!!生きてる金魚のゼリー寄せかと思ったww 
    口が動いてるように見えたし、泳ぐスピードまで感じますね。感動・・・あれは見に行く価値ありますわ~~。子犬がイタズラしそうなので生きた金魚はしばらく飼えない。千代紙の金魚作成に挑戦してみますっ!

  6. Wings to fly2014-07-12 16:26

    >祐太郎さん
    金魚を飼ってらしたんですね!水草なしで3年も育てたんですから、きっと世話の仕方がお上手なのでしょう。丈夫な子の平均寿命は15年だそうです。あと12年、頑張って育てて下さい!

    >ikuttiさん
    わお、美しい写真ありがとうございます!和装には金魚柄がたくさんありますよね。小さい頃お祭りに行く時には、祖母が金魚の浴衣を着せてくれて、赤い帯をふんわり結んでくれました。とっても嬉しかった記憶があります。女将の帯も金魚柄でしたよ!

  7. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ