かもめ通信さん
レビュアー:
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なんちゃってバードウォッチャーの私は事件以外のあれこれも大いに楽しみはしたが、推理はあたらず驚愕のラストには思わず絶句!このままシェトランドを去ることなんかできやしない!と深みにはまっていくのだった。
イングランド本島とノルウェーを橋渡しするかのように、
北海の北辺に浮かぶシェトランド諸島を舞台に繰り広げられてきた
イギリスのミステリー作家、
アン・クリーブスの「シェトランド四重奏」シリーズ最終章。
今回の舞台はシェトランド本島のサンバラ岬から南西40km離れているフェア島。
最長4.8km、幅2.4km、面積5.61km2の小さな島は
このシリーズの主人公ジミー・ペレス警部の故郷だ。
パブもレストランもないこの島には、小学校は1校あったが、
子どもたちは11歳になると本島のラーウィックにある学校へ入学するため
島を離れて寄宿生活をおくることになる。
ペレス警部もかつてそうした理由で島を離れ、
いずれは戻ってきて欲しいという両親の願いを知りつつも
島外で就職したのだった。
そんなペレス警部の今回の帰郷の理由は、
両親にフィアンセを紹介するためだったのだが、
婚約披露パーティーの直後
フィールドセンターの監視員で
美貌の鳥類学者としてお茶の間でも有名な女性アンジェラが何者かに殺されてしまう。
折も折、嵐のために本島との交通が途絶えてしまっていたために、
ペレス警部はやむなく、たった一人で捜査に当たることになったのだった。
「シェトランド四重奏」の1、2作は
自然豊かで本島が舞台でミステリはもちろんのこと
美しく厳しい北国の自然と、
小さな地域社会に生きる人々の人間模様が読みどころでもあった。
続く3作目は本島を離れ
海峡を挟んで東側に位置するウォルセイ島を舞台に展開し、
本島よりもさらに田舎のあれこれが描かれていたのだが、
今回は自分の故郷ウォルセイ島の田舎ぶりを嘆いていたサンディ刑事が
絶句するほどの辺境の島、フェア島が舞台。
実在するこの島は、渡り鳥の野鳥保護区とされていて、
多くの希少種が島で見ることができるバードウォッチャーのあこがれの島でもある。
事件が起きたとき、既にハイシーズンは過ぎていたが
フィールドセンターにはまだ何人かのバードウォッチャーが滞在中だったこともあり、
作中で披露されるバードウォッチングをめぐるあれこれがまた興味深かった。
今回もミスリードにつぐミスリードで、
私はまたもや真犯人を見つけ出すことができなかったのだが、
それよりなによりこのラストは……!!!
ここまで読んで
四重奏が四重奏で終わらなかったわけがわかったというべきか……。
結局、次なるステップへ、
ペレス警部とともに私も進まざるを得ないのだった。
<シェトランド四重奏>
大鴉の啼く冬/原題:Raven Black (2006)
白夜に惑う夏/原題:White Nights (2008)
野兎を悼む春/原題:Red Bones (2009)
青雷の光る秋/原題:Blue Lightning (2010)
※おまけ画像は最近撮った写真から。 ← ← ちょっと(?)自慢はいっています。(;^^)ヘ.
北海の北辺に浮かぶシェトランド諸島を舞台に繰り広げられてきた
イギリスのミステリー作家、
アン・クリーブスの「シェトランド四重奏」シリーズ最終章。
今回の舞台はシェトランド本島のサンバラ岬から南西40km離れているフェア島。
最長4.8km、幅2.4km、面積5.61km2の小さな島は
このシリーズの主人公ジミー・ペレス警部の故郷だ。
パブもレストランもないこの島には、小学校は1校あったが、
子どもたちは11歳になると本島のラーウィックにある学校へ入学するため
島を離れて寄宿生活をおくることになる。
ペレス警部もかつてそうした理由で島を離れ、
いずれは戻ってきて欲しいという両親の願いを知りつつも
島外で就職したのだった。
そんなペレス警部の今回の帰郷の理由は、
両親にフィアンセを紹介するためだったのだが、
婚約披露パーティーの直後
フィールドセンターの監視員で
美貌の鳥類学者としてお茶の間でも有名な女性アンジェラが何者かに殺されてしまう。
折も折、嵐のために本島との交通が途絶えてしまっていたために、
ペレス警部はやむなく、たった一人で捜査に当たることになったのだった。
「シェトランド四重奏」の1、2作は
自然豊かで本島が舞台でミステリはもちろんのこと
美しく厳しい北国の自然と、
小さな地域社会に生きる人々の人間模様が読みどころでもあった。
続く3作目は本島を離れ
海峡を挟んで東側に位置するウォルセイ島を舞台に展開し、
本島よりもさらに田舎のあれこれが描かれていたのだが、
今回は自分の故郷ウォルセイ島の田舎ぶりを嘆いていたサンディ刑事が
絶句するほどの辺境の島、フェア島が舞台。
実在するこの島は、渡り鳥の野鳥保護区とされていて、
多くの希少種が島で見ることができるバードウォッチャーのあこがれの島でもある。
事件が起きたとき、既にハイシーズンは過ぎていたが
フィールドセンターにはまだ何人かのバードウォッチャーが滞在中だったこともあり、
作中で披露されるバードウォッチングをめぐるあれこれがまた興味深かった。
今回もミスリードにつぐミスリードで、
私はまたもや真犯人を見つけ出すことができなかったのだが、
それよりなによりこのラストは……!!!
ここまで読んで
四重奏が四重奏で終わらなかったわけがわかったというべきか……。
結局、次なるステップへ、
ペレス警部とともに私も進まざるを得ないのだった。
<シェトランド四重奏>
大鴉の啼く冬/原題:Raven Black (2006)
白夜に惑う夏/原題:White Nights (2008)
野兎を悼む春/原題:Red Bones (2009)
青雷の光る秋/原題:Blue Lightning (2010)
※おまけ画像は最近撮った写真から。 ← ← ちょっと(?)自慢はいっています。(;^^)ヘ.
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:455
- ISBN:9784488245085
- 発売日:2013年03月21日
- 価格:1260円
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