風竜胆さん
レビュアー:
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とってもトリッキーな作品で、読んでいるうちに、何がなんだか・・・w
トリッキーな、あまりにもトリッキーな作品。折原一の「天井裏の奇術師 幸福莊殺人日記②」(講談社文庫)だ。幸福莊というマンションに住む、おかしな住人たちが織りなす物語である。
幸福莊は、元々は木造アパートで、小宮山泰三という本格推理作家が、ここを中心に数々の作品を発表していた。その小宮山の研究者という「私」が、建て替わったマンションの2階の部屋から飛んでフロッピーをキャッチしたところから、奇妙な物語が幕を開ける。そのフロッピーには、小説らしい文章が収められていたのだ。
幸福莊の住人達は変人ぞろいなのだが、作家志望の者が多い。物語は、フロッピーに、住人たちが記載した手記を読んでいくという形で進行していく。これが、覗き趣味の男の話だったり、連続殺人事件の話だったり、ストーカー男の話だったりと、いかにもこのマンションに住む変人の住人らしいような手記が並んでいる。それにしても、マンションに、よくこれだけろくでもない人間が揃ったものだ。
最初にトリッキーなと書いたのは、至る所に叙述トリックが仕掛けられており、読者をミスリードさせるようなつくりになっているためだ。思っていた人物像が、種明かしによって、がらりと崩れていく。その繰り返しに、どんどんと読み手の頭は混乱してくる。おまけに、幸福莊の住人たちが登場する作中作の存在により、どこまでが虚の話で、どこからが実の話かということについてもごゃまぜになっていく。
最初に<この小説は『天井裏の散歩者 幸福莊殺人日記①』の続編です。『天井裏の散歩者』を読んでから、この本にとりかかることをお勧めします>と書かれている。私は、前作は読んでいないのだが、この作品だけ読んでも、十分にこの作品世界を堪能することができるだろう。もしかすると、ヘタに前作を読むと、ますます頭が混乱してくるといったことになってしまうかもしれない(笑)。
幸福莊は、元々は木造アパートで、小宮山泰三という本格推理作家が、ここを中心に数々の作品を発表していた。その小宮山の研究者という「私」が、建て替わったマンションの2階の部屋から飛んでフロッピーをキャッチしたところから、奇妙な物語が幕を開ける。そのフロッピーには、小説らしい文章が収められていたのだ。
幸福莊の住人達は変人ぞろいなのだが、作家志望の者が多い。物語は、フロッピーに、住人たちが記載した手記を読んでいくという形で進行していく。これが、覗き趣味の男の話だったり、連続殺人事件の話だったり、ストーカー男の話だったりと、いかにもこのマンションに住む変人の住人らしいような手記が並んでいる。それにしても、マンションに、よくこれだけろくでもない人間が揃ったものだ。
最初にトリッキーなと書いたのは、至る所に叙述トリックが仕掛けられており、読者をミスリードさせるようなつくりになっているためだ。思っていた人物像が、種明かしによって、がらりと崩れていく。その繰り返しに、どんどんと読み手の頭は混乱してくる。おまけに、幸福莊の住人たちが登場する作中作の存在により、どこまでが虚の話で、どこからが実の話かということについてもごゃまぜになっていく。
最初に<この小説は『天井裏の散歩者 幸福莊殺人日記①』の続編です。『天井裏の散歩者』を読んでから、この本にとりかかることをお勧めします>と書かれている。私は、前作は読んでいないのだが、この作品だけ読んでも、十分にこの作品世界を堪能することができるだろう。もしかすると、ヘタに前作を読むと、ますます頭が混乱してくるといったことになってしまうかもしれない(笑)。
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昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
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- 出版社:講談社
- ページ数:352
- ISBN:9784062770323
- 発売日:2011年08月12日
- 価格:660円
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