武藤吐夢さん
レビュアー:
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今じゃ出版できないような作品が多かった。面白い作品と意味不明な作品が極端。

たぶん、今だとコンプライアンス的に NG になり出版できないと思う。
昭和の出版界の自由さが羨ましい。
かと言って、何でもありだと怖いこともある。
ショートショートです。
面白い作品と意味不明な作品が混在しています。
昭和の臭いがプンプンします。
秘密兵器という作品が好きです。
高校野球の話しなのですがディフェンスは一流だが攻撃力に欠けるチームがあり
打線強化のため、ある女子選手を男だと偽って参加させます。
この選手エスパーです。
くる球の球種とかがわかるので打率が異常に高い。
甲子園に出るのですが決勝でわざと負ける。
活躍しすぎると女だとばれるからです。
プロからスカウトがやってくる。
調べられたら女子とバレると焦るのですが・・・。
彼は、性転換し僕の妻になるのでプロにはなりませんというオチが秀逸。
オリンピックの女子ボクシングみたいに、性差別を意識するかで作品の面白さは変化するのですが
作者にたぶん、そんな意図はないと思います。
問題は性転換を笑いにしているということです。
最後のクリスマスという作品も笑えた。
解説には公害問題を扱った社会提議みたいな書き方で紹介されていたが
ようするに、彼の恋人はサンタを信じていて
そのサンタが最近、高価な宝石をプレゼントしてくれるというのだ。
そして、サンタは彼女を抱くのだという。
不穏な展開ですが、サンタが原爆病で余命が少なく自分の子孫を切望しているということがわかるが
彼は怒り狂い 俺の恋人の処女を・・・と怒り狂う。
サンタが女たちに渡す宝石を盗むという展開です。
オチは、その宝石が放射能に汚染されていて彼も原爆病に。
女は子供を産む道具という発想が作者に強いように感じました。
他にも、おかま差別みたいなものや。
PTAをバカにしたようなものや。
女に政治は無理みたいなコメディがありました。
かゆみの限界のような理不尽な復讐ものもありました。
これらを面白い作品と評するのか、下品で差別的で読んでられないと見るか
自由な時代だな昭和と思うのかは世代や性別によるのかと思います。
発想に関しては天才的だと感じました。
今の時代に本書を読むと、昭和の男たちの性欲の強さと性差別の異常さがわかり逆に笑えます。
女は性欲の対象であり、まともでないので政治などできない。子供を産む道具みたいな思想が見て取れます。
禁書になっても不思議でない本です。
2024 8 14
昭和の出版界の自由さが羨ましい。
かと言って、何でもありだと怖いこともある。
ショートショートです。
面白い作品と意味不明な作品が混在しています。
昭和の臭いがプンプンします。
秘密兵器という作品が好きです。
高校野球の話しなのですがディフェンスは一流だが攻撃力に欠けるチームがあり
打線強化のため、ある女子選手を男だと偽って参加させます。
この選手エスパーです。
くる球の球種とかがわかるので打率が異常に高い。
甲子園に出るのですが決勝でわざと負ける。
活躍しすぎると女だとばれるからです。
プロからスカウトがやってくる。
調べられたら女子とバレると焦るのですが・・・。
彼は、性転換し僕の妻になるのでプロにはなりませんというオチが秀逸。
オリンピックの女子ボクシングみたいに、性差別を意識するかで作品の面白さは変化するのですが
作者にたぶん、そんな意図はないと思います。
問題は性転換を笑いにしているということです。
最後のクリスマスという作品も笑えた。
解説には公害問題を扱った社会提議みたいな書き方で紹介されていたが
ようするに、彼の恋人はサンタを信じていて
そのサンタが最近、高価な宝石をプレゼントしてくれるというのだ。
そして、サンタは彼女を抱くのだという。
不穏な展開ですが、サンタが原爆病で余命が少なく自分の子孫を切望しているということがわかるが
彼は怒り狂い 俺の恋人の処女を・・・と怒り狂う。
サンタが女たちに渡す宝石を盗むという展開です。
オチは、その宝石が放射能に汚染されていて彼も原爆病に。
女は子供を産む道具という発想が作者に強いように感じました。
他にも、おかま差別みたいなものや。
PTAをバカにしたようなものや。
女に政治は無理みたいなコメディがありました。
かゆみの限界のような理不尽な復讐ものもありました。
これらを面白い作品と評するのか、下品で差別的で読んでられないと見るか
自由な時代だな昭和と思うのかは世代や性別によるのかと思います。
発想に関しては天才的だと感じました。
今の時代に本書を読むと、昭和の男たちの性欲の強さと性差別の異常さがわかり逆に笑えます。
女は性欲の対象であり、まともでないので政治などできない。子供を産む道具みたいな思想が見て取れます。
禁書になっても不思議でない本です。
2024 8 14
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よろしくお願いします。
昨年は雑な読みが多く数ばかりこなす感じでした。
2025年は丁寧にいきたいと思います。
この書評へのコメント
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- 出版社:新潮社
- ページ数:238
- ISBN:9784101171197
- 発売日:1986年10月01日
- 価格:420円
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