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yukoさん
yuko
レビュアー:
どこにでもいる人々の何の変哲もない日常。けれども、そこに属している人にとっては、どこにでもいる人であっても、普通の日常であっても、イライラすることやくすっと笑ってしまうような出来事があるんですよねー。
皆さんの評価の高さほど、ものすごい面白い!!!
とは思わなかったけれど、
くすっと、こんな人、いるいると思えるような、
いや、よくよく考えてみると、今まで働いたところは、こんな変わった人のいる職場ではなかったような気がしたり。


普通の会社の中で起きる様々な出来事を、どこにでもいそうな、しかしよくよく観察すると一風変わった社員たちの引き起こす出来事を描いた『職場の作法』と、

アルゼンチンのフィギュアスケートの選手が気になってしまって、ネットで彼のことを調べていくと・・・という『バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ』と、

大雨が降って、交通がマヒしてしまった中、埋立洲の中にある会社から歩いて脱出しようとする人々の、どうでもいいような会話の中に、ちょっぴりいい話がある『とにかくうちに帰ります』
の三本からなる物語です。



どんな職場にもいろんな人がいるのは当たり前で、
でもそれぞれの人の、ちょっと面白いところ、ちょっといいところをなんてうまく描いてるんでしょう!


誰にでもちょっと変なところや面白いところや、嫌なところがあって、
でも会社という枠組みの中で嫌なところは目をつぶってうまくみんなやっていたり、
本当に嫌なやつは露骨にならない程度に、でも徹底的に関わらないようにしたり。


ランチのお茶入れルールや、横柄に書類を頼む営業さんに対するバレない程度の抵抗や、
べたべたしたOLさんたちではないのだけれど、
相当に面白い。この会社。


表題作の『とにかくうちに帰ります』では、
大雨で交通マヒした日常とは全く違う状態で、
今まで特になんとも思っていなかった同僚のいいところに気づいたり、
逆に些細なことにイライラしたり。

普段、職場で仕事仲間であるということ以外に、プライベートであったりする同僚って限られているもの。
そういうよく知らない同僚と、大雨の中ずぶ濡れになりながら歩いていく。
そんな普通でない状態の中で、ふとしたことに共感したり、いい人だったのねと感心したり、
何だよこいつ、と腹を立てたり。

とにかく早く帰りたいだろうなぁ・・・
おうちに帰ってお風呂にゆっくりつかりたいだろうなぁと思いながら読みました。


大きな事件もなければ、死にたくなるほどの失恋もない。
運命の出会いもなければ、新しい命に出会うこともない。


普通の日常の物語、のほほーんと力を入れずに読むことができました!
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yuko
yuko さん本が好き!1級(書評数:304 件)

仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!

読んで楽しい:12票
参考になる:20票
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