風竜胆さん
レビュアー:
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一番の謎は、「磯風さん」の正体かもしれませんw
「碓氷優佳シリーズ 」などで知られる石持浅海の「賢者の贈り物」(PHPノベルズ)。標題作を含む10編から構成される短編ミステリー集だ。
ミステリーと言っても、決して重苦しい話が描かれている訳ではない。部屋での飲み会後にサンダルを忘れていったのは3人の美女のうちだれかとか、IT企業の社長が、「最も大きな掌」の人間を後継者にするといった真意は何かとか、極端に無口な彼女の正体は誰だったのかとか、そんな話ばかりである。こういった、ちょっとした謎を、それぞれの話の語り手を務める人間が考えていく訳だが、色々と面白い仮説が並べられて、読んでいて楽しい。
この短編集の大きな特徴は、どの話にも、「磯風さん」という美女が出てくるということ。「さん」づけになっているのは、彼女は、決して語り手としては出てこないということである。それぞれの話で締める役割も、語り手の恋の相手を務めたり、先輩に同僚のことを相談するOL役だったりと、色々と変化する。年齢だって様々だ。とても全部が同じ人間とは思えないので、「磯風さん」という同じ姓の登場人物が出てくるだけの話ということかもしれない。しかし、どの話も面白い。
ひとつひとつの話は短くさらさらと読めるので、あまりまとまった時間がないような時に、語り手と一緒に、提示される謎の真相を考えてみるのも面白いだろう。
ミステリーと言っても、決して重苦しい話が描かれている訳ではない。部屋での飲み会後にサンダルを忘れていったのは3人の美女のうちだれかとか、IT企業の社長が、「最も大きな掌」の人間を後継者にするといった真意は何かとか、極端に無口な彼女の正体は誰だったのかとか、そんな話ばかりである。こういった、ちょっとした謎を、それぞれの話の語り手を務める人間が考えていく訳だが、色々と面白い仮説が並べられて、読んでいて楽しい。
この短編集の大きな特徴は、どの話にも、「磯風さん」という美女が出てくるということ。「さん」づけになっているのは、彼女は、決して語り手としては出てこないということである。それぞれの話で締める役割も、語り手の恋の相手を務めたり、先輩に同僚のことを相談するOL役だったりと、色々と変化する。年齢だって様々だ。とても全部が同じ人間とは思えないので、「磯風さん」という同じ姓の登場人物が出てくるだけの話ということかもしれない。しかし、どの話も面白い。
ひとつひとつの話は短くさらさらと読めるので、あまりまとまった時間がないような時に、語り手と一緒に、提示される謎の真相を考えてみるのも面白いだろう。
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昨年は2月に腎盂炎、6月に全身発疹と散々な1年でした。幸いどちらも、現在は完治しておりますが、皆様も健康にはお気をつけください。
この書評へのコメント
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- 出版社:PHP研究所
- ページ数:250
- ISBN:9784569775029
- 発売日:2009年12月03日
- 価格:900円
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