efさん
レビュアー:
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昭和のレトロ感漂う何とも不思議な商店街。
昭和40年代半ばのレトロなアーケード商店街を舞台にした連作短編です。
この商店街の名前は「アカシア商店街」。
時代設定自体が昭和ですが、さらに輪をかけて、この「アカシア商店街」がレトロなのです。
商店街にあるレコード店では、このアーケードのテーマソングなのでしょうか、繰り返し、繰り返し「アカシアの雨がやむとき」を流しています。
この短編集の特色の一つに、当時の歌謡曲が頻繁に出てくるという点があります。
タイガース、布施明、皆川おさむ、あのねのね……
この商店街には色々な店があります。
狂言回しになるのは「幸子書房」という名前の古本屋さん。
一見恐そうな初老の男性が一人で経営しているのですが、各話をリードし、最終話ではこのご主人自身の秘密が明らかになります。
その他にもサワやさんという「酒屋」さん、「かすみ草」というスナック、「流星堂」というレコード店(これは連作の中で代替わりします……ええ、この連作、後半になると時代が大きく過ぎ去った後の話になっていくのですね)。
そうそう、それから商店街近くにある「覚智寺」というお寺のことを書かなければ。
このお寺は小さくてぱっとしないのですが、何でも室町時代から続く歴史があるそうで、しかも、この世とあの世を結ぶ場所になっているというのです。
寺の境内にある石灯籠を覗くと、亡くなった方の顔が見えることがある……という噂もまことしやかに囁かれています。
そして、全ての短編を通じたテーマとなっているのが「死」ということ。
様々な死と、それにまつわる「幽霊」(?)が描かれます。
非常に切々とした、じんわりくる作品になっています。
著者の作品は初読でしたが、大変良い味わいを持っていらっしゃると感じました。
この商店街の名前は「アカシア商店街」。
時代設定自体が昭和ですが、さらに輪をかけて、この「アカシア商店街」がレトロなのです。
商店街にあるレコード店では、このアーケードのテーマソングなのでしょうか、繰り返し、繰り返し「アカシアの雨がやむとき」を流しています。
この短編集の特色の一つに、当時の歌謡曲が頻繁に出てくるという点があります。
タイガース、布施明、皆川おさむ、あのねのね……
この商店街には色々な店があります。
狂言回しになるのは「幸子書房」という名前の古本屋さん。
一見恐そうな初老の男性が一人で経営しているのですが、各話をリードし、最終話ではこのご主人自身の秘密が明らかになります。
その他にもサワやさんという「酒屋」さん、「かすみ草」というスナック、「流星堂」というレコード店(これは連作の中で代替わりします……ええ、この連作、後半になると時代が大きく過ぎ去った後の話になっていくのですね)。
そうそう、それから商店街近くにある「覚智寺」というお寺のことを書かなければ。
このお寺は小さくてぱっとしないのですが、何でも室町時代から続く歴史があるそうで、しかも、この世とあの世を結ぶ場所になっているというのです。
寺の境内にある石灯籠を覗くと、亡くなった方の顔が見えることがある……という噂もまことしやかに囁かれています。
そして、全ての短編を通じたテーマとなっているのが「死」ということ。
様々な死と、それにまつわる「幽霊」(?)が描かれます。
非常に切々とした、じんわりくる作品になっています。
著者の作品は初読でしたが、大変良い味わいを持っていらっしゃると感じました。
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:新潮社
- ページ数:302
- ISBN:9784101337715
- 発売日:2008年01月29日
- 価格:460円
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