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休蔵さん
休蔵
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脊椎動物の柱はホネ。誰の体内にも存在するホネだが、その詳細を知る機会はあまりない。ただし、難しい説明は不要だ。優しく教えてくれる本書があるのだから。
 脊椎動物の柱はホネ。
 頭蓋骨と肋骨、そして脊椎からなるヘビは、これだけで十分ということを示しています。
 しかしながら、この世の中には様々な姿態の動物が存在しています。
 そして、その差は骨格に如実に表れるようです。
 亀は甲羅とホネが一体化しているし、ウサギの脊椎はググっと丸まってそこに長い脚がつきます。
 でも、それは決して見た目だけではない。

 ホネが身体の柱である理由は、改めて説明する必要はないでしょう。
 しかし、ホネのつくりについては、あまり考えたことがありませんでした。
 軟骨のから揚げを食べながら、噛むことができるほど軟らかいホネの存在を意識するくらいが関の山。
 ホネのつくりについて、本書は断面図付きで分かりやすく説明します。
 ホネの中心には骨髄があります。
 ゼリー質のここで血をつくるそうです。
 そして、海綿質があります。
 ホネの内側にある、スカスカした部分。
 ホネの外側はかたい緻密質で、これが柱の主要素です。
 さらに、ホネ全体は骨膜に覆われています。
 これは薄い膜で、細かい神経や血管がたくさん通っているそうです。
 件の軟骨は関節を包んで守っている部分で、若い時にはホネを伸ばす役割も果たすとか。

 そう、ホネは育つのです。
 ただし、そのピークは20歳くらい。
 そこからは年とともに痩せていくとのこと。
 子どものころ、指を骨折したことがあります。
 かっちりと固定されてしばらく過ごしますが、やがて完治しました。
 ホネが折れると、折れた部分に眠っていたホネの細胞が目覚めて、傷のまわりに新しいホネを作りだすそうです。
 中年のいま、もし骨折したら回復には相当の時間がかかることでしょう。
 なんといっても20歳をピークに骨は痩せていくのです。
 回復力も弱まっているに違いありません。
 痩せていくため骨折はしやすくなり、回復は遅くなります。
 年をとるということは、切ないことです・・・

 先に、動物の違いはホネにも表れますが、それは見た目だけではないと書きました。
 その最たるものは鳥の骨でしょうか。
 時には空高く舞い上がり、時には超スピードで飛びぬける鳥類。
 そのホネには丈夫さとともに軽さも求められます。 
 鳥のホネは、なんと体重の5パーセントしかないそうです。
 そのため中身はスカスカ、どこから薄いパイプ状になっているのだとか。
 骨髄は、この薄いパイプの中にあるといいます。
 ニワトリの手羽元で確認できるから食べて確かめようというから、さっそく齧り割ってみました。
 たしかにパイプ状でした。
 
 以前、テレビでケンタッキーのホネを集めて、頭や首、足先以外は復元可能というものを見たことがあります(という記憶があります)。
 きっと骨格の様子とともに内部の様子も観察し放題なのでしょう。
 世の中は教材に溢れています(煮干しとか)。
 そして、そのことに気づかせてくれる本も多く出版されています(『煮干しの解剖教室』とか)。
 どちらも利用しない手はない。
 もっと貪欲に生きなければと痛感しました。 
 
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休蔵
休蔵 さん本が好き!1級(書評数:453 件)

 ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
 それでも、まだ偏り気味。
 いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい! 

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この書評へのコメント

  1. 孤独な読書人 葉月2018-10-24 09:33

    骨、好きです♡ 骨って美しいです♡
    読みたい本に登録します^^
    書評、ありがとうございました^^

  2. 休蔵2018-10-24 18:06

    ホネ、いいですよね。
    機能美の極致です。
    今度は続編の書評をアップする予定です。
    ぜひともお読みください。

  3. No Image

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