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calmelavie

calmelavie さん

本が好き! 1級
書評数:104 件
得票数:1968 票

このサイトの名前どおり「本が好き!」なのですが、それ以上に「酒が好き!」なので、読書より晩酌を優先してしまっています。改めようとは思っているのですが……。
遅読で、遅筆です。
たまに見かけたら、よろしく、一読、してやってください。
(2015年7月9日)

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ガリバー旅行記

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ガリバー旅行記

この作品は、原民喜が遺した生涯で唯一の翻訳作品です。翻訳というより翻案であり、正しくは、子供たちのために書き直した<再話>です。しかし僕には、民喜が書き上げたうつくしい<遺書>のように思えました。

1951年6月、主婦の友社から『少年少女名作家庭文庫』の一冊として「ガリバー旅行記」が発刊された。原…

投票(19コメント(4)2019-01-04

原民喜 死と愛と孤独の肖像 (岩波新書)

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原民喜 死と愛と孤独の肖像 (岩波新書)

ときおり目頭を押さえながら読了して胸に湧いたものは、素晴らしい書物を読み終わったときにおとずれる、あの、ふるえるような幸福感でした。ぎごちなく恥ずかしそうに頬笑む民喜の姿が目の前に浮かんできます。

(何度試みても、この評伝の素晴らしさを表す言葉が出て来ません。たとえ出てきたとしても、すべて枯れ枝の…

投票(22コメント(1)2018-08-12

幼き者は驢馬に乗って (1971年)

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幼き者は驢馬に乗って (1971年)

「……終わりはまた始まりでもある。人間の持つあらゆる瞬間が、その瞬間ごとに現在を失って思い出にすり替わってゆく。私たちは永遠に現在を生きられない。永遠に記憶を生きるのみだ。」(本文より)

「暗闇に神の光り輝く指があった。指先から乳白色の滴が虚無に落ち、私が生まれた。虚無は暖かで私は闇を…

投票(15コメント(0)2018-01-27

死んでなお生きる詩人

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死んでなお生きる詩人

永塚幸司、清水正一、天野忠、瀬沼孝彰、相良平八郎、氷見敦子、長岡三夫、南信雄、谷澤辿、征矢泰子、本多利通、寺島珠雄、佐藤泰志――以上、十三名の生と詩と死。静かな感動が胸の奥からひろがってきます。

 本の帯にはこう書かれている。 この本に登場する十三人の詩人は、「読売文学賞」を受賞して天寿をま…

投票(15コメント(0)2017-12-10

悲しみの歌

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悲しみの歌

「人がもう一人の人間を救うことなど、できるかね。そんなことは、できはせん。私は人間ば救うため、医者になった男だが……この五十年でやったことは……人間ば殺すことだけだった……」(本文、勝呂の述懐より)

 遠藤周作は、 『海と毒薬』 を上梓した翌年、『おバカさん』という題名の小説を新聞に連載した。昭和3…

投票(25コメント(0)2017-11-12

海と毒薬

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海と毒薬

「赤黒くよどんだ水に漬けられたこの褐色の暗い塊。俺が怖ろしいのはこれではない。自分の殺した人間の一部分を見ても、ほとんどなにも感ぜず、なにも苦しまないこの不気味な心なのだ。」(本文、戸田の述懐より)

 遠藤周作の文学、それも最初期の作品を読んでいると、僕は僕のこころの闇のなかに知らず知らず深く沈み込…

投票(28コメント(2)2017-10-22

昼が夜に負うもの (ハヤカワepiブック・プラネット)

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昼が夜に負うもの (ハヤカワepiブック・プラネット)

アルジェリア人作家ヤスミナ・カドラが、動乱の本国を舞台に、ひとりの人間の成長の跡を辿った物語です。470頁に渉るその一頁一頁の文章がたいへん情感に溢れ、深く僕のこころに沁み込んだ作品です。

 1938年、北アフリカ、フランス領アルジェリア。  マヒエディヌ・ユネス、十歳。  「私…

投票(18コメント(0)2017-10-09
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