ブロードウェイの天使





ラニアンは、1930年代に、ブロードウェイの裏町を舞台にした短編を、約70篇、書いた。全てが、この町に住む悪党について描いたものである。
80年前に書かれたなんて思えない、生き生きとした小説ばかり。古びてないのが逆に不思議なくらいだ。「ブ…





ラニアンは、1930年代に、ブロードウェイの裏町を舞台にした短編を、約70篇、書いた。全てが、この町に住む悪党について描いたものである。
80年前に書かれたなんて思えない、生き生きとした小説ばかり。古びてないのが逆に不思議なくらいだ。「ブ…




クレア・キーガンは、アイルランドの女性作家である。「青い野を歩く」(2007-2008)は、同名の作品集に収録の一篇。易しく淡々と語られる物語であるが、とても心にしみる。
とても読み易い。どれも平易でリズム感もあるからか。あっというまに八つの短編を読み終えてしまう。 テ…





暑いときは、コールデコットの絵本「森の中のこどもたち」(1879)でも眺めて過ごそう。
2009年にワシントン・アーヴィングの未訳の名作「プレイスブリッジ邸」(岩波文庫)が訳出されたとき、…





収録作品の内、フェンテスの「二人のエレーナ」にいちどに魅せられました。
「二人のエレーナ」は、短編集『盲人の歌』(1964)に、邦訳は、集英社文庫版のアンソロジー『ラテンア…





ピトル(1933~)は、メキシコの作家。20代から約30年に渡る長期の海外生活を経験したことを反映してか、従来のメキシコ小説の枠にとらわれない自由な作風が特徴であるという。
・・・彼の代表作である「愛のパレード」(1984)を読むと、なるほど巧みで思索的でスリリングで遊戯性…




「秘密諜報部員」(1928)は、モームが書いたスパイ小説である。いや現在のスパイ小説の源のような作品であると言ったほうがいいのだろうか。
これは、第一次大戦下、実際に秘密諜報活動に従事したモームが、自身の体験を基に書いた作品である。 …




物語の語り手は、ペルー人の青年、リカルド。平凡で、ロマンや情熱に欠ける。面白みのない男。しかし、彼には生涯つきまとうことになる”愛”があった。
彼は、その愛ゆえに、大冒険の主役を演じる羽目にもなった。仕事を得てリマからパリに出たリカルドは、その…




ペルッツ(1882-1957)は、オーストリア人の作家。「第三の魔弾」(1915)は、彼がドイツ語で書いた”幻想的歴史小説”の第一作である。
世紀末のプラハとウィーンで育った作家が、二度の世界大戦のはざまで書いたこの作品は、とんでもない怪作で…




「天使の恥部」は、プイグの小説、第五作。物語には三人の女性が登場する。世界一の美女である映画女優、未来都市の治療師であるW218、アルゼンチンを逃れ1975年のメキシコ・シティで病に伏すアナ
・・・ ぼんやりと読んでいると、この三人がそれぞれ過去、未来、現在に生きるという設定だということも、…




プラセンシア(1976~)は、メキシコ出身の作家、8歳で家族と共にアメリカに移住し、以降はロサンゼルスに在住。「紙の民」(2005)は、彼の驚くべきデビュー長編である。
いや単に驚くべきというより実験的で不思議で自由奔放な作品であると書くべきか。なにしろ、対土星戦争の顛…




女の子が、留守番中。 くもった窓に指で絵を書いて遊んでいる。 絵を書いたところが透けて、帰ってくるお母さんが見えた。そんな話。
「ふゆのゆうがた」(ホルヘ・ルハン=文、マンダナ・サダト=絵、谷川俊太郎=訳)、 …なによりも…




ギャリー・ソト(1952~)は、メキシコ系アメリカ人の詩人、作家。カリフォルニア州フレズノ生まれ。現在も、カリフォルニア州に在住している。
小説は児童向けが多いそうだ。短篇集『四月の野球』(1990)も、amazonではティーン・ブックスに…