ハリー・ポッターと死の秘宝 上下巻set (携帯版)




例の人物は、最後の最後まで本心を隠し通した。しかも、その行動は最初から一貫していた。登場人物に意外な行動をさせることで意外性を持たせるのではなく、後から一貫性を明らかにすることで意外性を持たせる。
J.K.ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズは、少年ハリー・ポッターの魔法使いとしての冒険や成長…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
得票数:15365 票
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。




例の人物は、最後の最後まで本心を隠し通した。しかも、その行動は最初から一貫していた。登場人物に意外な行動をさせることで意外性を持たせるのではなく、後から一貫性を明らかにすることで意外性を持たせる。
J.K.ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズは、少年ハリー・ポッターの魔法使いとしての冒険や成長…





イングランドとスコットランドは別の国であった。そのスコットランド人の心情を本書で味わうことができる。また、ブリテン島に出稼ぎに来ざるを得ない貧しいアイルランド人労働者を描き、経済発展の負の面を直視する
アランナ・ナイト著、法村里絵訳『エジンバラの古い棺』(創元推理文庫)は英国ヴィクトリア朝を舞台とした…




中世フランスのアルビジョワ十字軍と異端カタリ派を描く歴史小説である。フランスは中央集権化した国民国家であるが、中世のオクシタニアは名目上、フランス王国に属していても、実質的には独立国であった。
佐藤賢一『オクシタニア』は中世フランスのアルビジョワ十字軍と異端カタリ派を描く歴史小説である。フラン…




登勢は稲田騒動など時代の波に巻き込まれるが、愛する人の無事のみを考えて行動する。主家への忠義や尊皇攘夷などのイデオロギーは頭にない。古くて新しい歴史小説である。
船山馨『お登勢』は幕末から明治を舞台に淡路島出身の女性を主人公とした歴史小説である。稲田騒動(庚午事…




フランス革命の口火を切ったバスティーユ襲撃を題材にした歴史小説。楽に生きることだけを考える青年ジョフロアという架空の人物を主人公とする。ジョフロアはガスパールと出会い、時代の波に巻き込まれていく。
藤本ひとみ『バスティーユの陰謀』はフランス革命の口火を切ったバスティーユ襲撃を題材にした歴史小説であ…





冒頭から主人公ビル・スミスはピンチに陥る。ある日の朝、「リディア・チンを誘拐した」と正体不明の男から電話で告げられる。相棒の命を救うためにビルは犯人のヒントを手掛かりとしてニューヨーク中を駆け巡る。
S・J・ローザン著、直良和美訳『この声が届く先』(創元推理文庫)は私立探偵を主人公としたシリーズ物の…




著者の吉竹幸則氏は長良川河口堰の問題を精力的に取材したが、記事が掲載されないという「報道弾圧」を受けた。
著者の吉竹幸則氏は長良川河口堰の問題を精力的に取材したが、記事が掲載されないという「報道弾圧」を受け…




恫喝訴訟とは資金力のある大企業や団体が自らに都合の悪い批判意見や反対運動を封殺するために起こす訴訟で、高額の賠償金が請求されることが多い。嫌がらせ訴訟とも呼ばれる。
烏賀陽弘道、西岡研介『俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い』は恫喝訴訟(SLAPP: …





『胎動』では日常から殺しあいの非日常への移行を描いた。非日常の世界に入ること自体がドラマであった。これに対して『激動』はサバンナゲームが当然の前提になっている。非日常が日常化した世界である。
黒井嵐輔『サバンナゲーム ~激動~』(小学館)は『サバンナゲーム ~始動~』の続編である。サバンナゲ…





『時間封鎖』『無限記憶』に続く三部作の完結編であり、「スピン」や「仮定体」「アーチ」という独自の用語が登場するために本書から読み始める読者にはハードルが高そうであるが、意外にも読み進めることができた。
ロバート・チャールズ・ウィルスン著、茂木健訳『連環宇宙』はSF小説である。『時間封鎖』『無限記憶』に…




バブル経済期に現代医療の問題は出ていたという点が著者の問題意識。そのか一つの解としてスリジエ・ハートセンターを提示するが、バチスタ・シリーズでは主人公サイドの高階には到底受け入れられない発想である




この箇所が面白味のない理由は悪役であるヤンキーの空虚さにある。害虫以下の存在である。ヤンキーは時代遅れの恥ずかしい風俗になっているが、悪役としても力不足である
万城目学『プリンセス・トヨトミ』は現代の大阪を舞台にした小説である。2011年に映画化された。会計検…




権力者・豊臣秀吉に屈しなかった芸術家・千利休がテーマである。しかしながら、利休の美学を前面に押し出している訳ではない。前半は佐々成政や切支丹、北政所と茶々の対立などが中心で利休は中々登場しない。
海音寺潮五郎『茶道太閤記』は桃山時代を描く歴史小説である。権力者・豊臣秀吉に屈しなかった芸術家・千利…




『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水晃一の新人医師時代を描く。多数の負傷者が出た城東デパート火災の大惨事に際して速水は病院長不在の中、独断で患者を引き受け、多くの患者の生命を救った。
海堂尊『ジェネラル・ルージュの伝説』は『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水晃一の新人医師時代を描く。…





核燃料チューブがなくなった。この核燃料チューブは爆発と放射能汚染でパリ市の多くの部分を壊滅できるものである。ところが、犯行現場に人が出入りした形跡がない。密室ミステリーである。
ボワロ&ナルスジャック著、大久保和郎訳『技師は数字を愛しすぎた』(創元推理文庫)はフランスの推理小説…

小泉構造改革の継承者の安倍晋三の『美しい国へ』が東急グループのキャッチコピーと重なることは単なる偶然で片付けられる以上の意味がある。
安倍晋三首相(当時)の初の単著『美しい国へ』はハイエナ資本主義(新自由主義、市場原理主義)の危険性を…




下巻でも弁護士報酬のデタラメぶりが描かれる。過大請求、水増し請求に無関係な飲食費まで依頼人に請求する(69頁)。悪徳リフォーム業者も真っ青である。
下巻でも弁護士報酬のデタラメぶりが描かれる。過大請求、水増し請求に無関係な飲食費まで依頼人に請求する…




グリシャムは弁護士や法律事務所をテーマとしたリーガルサスペンスの第一人者である。『アソシエイト』はグリシャムの作品では新しい部類に入る。スマートフォンやサブプライムローンという現代の世相を反映する。
ジョン・グリシャム著、白石朗訳『アソシエイト 上下巻』(新潮文庫、2010年)はロースクール卒業生を…




過去の作品の設定を利用して物語を構築する桜宮サーガの豊かさが本作品にも表れている。自分の過去の作品を大切にすることが新たな作品を生み出すことになる。
海堂尊『モルフェウスの領域』(角川書店、2010年)は人工冬眠をテーマにした小説である。『ナイチンゲ…




渡辺淳一『欲情の作法』は『失楽園』など恋愛小説で名高い著者による実践的な恋愛の入門書である。読了後に読者が元気になるような書き方になっている。説得の話運びの巧みさを実感した。
渡辺淳一『欲情の作法』は『失楽園』など恋愛小説で名高い著者による実践的な恋愛の入門書である。冒頭から…