天地人〈下〉人の巻




過去と向き合い、「ほろ苦い悔恨」を抱き続けた兼続と、焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むだけの存在では天と地の差がある
本書において直江兼続は上杉謙信に師事し、上杉家の執政として主君・景勝を支えた。利益のためには主君を裏…

本が好き! 1級
書評数:3170 件
得票数:15365 票
歴史小説、SF、漫画が好き。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』はマンションだまし売り被害を消費者契約法(不利益事実の不告知)で解決したノンフィクション。




過去と向き合い、「ほろ苦い悔恨」を抱き続けた兼続と、焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むだけの存在では天と地の差がある
本書において直江兼続は上杉謙信に師事し、上杉家の執政として主君・景勝を支えた。利益のためには主君を裏…




純粋な正義感に基づいた真っ直ぐな怒りには共鳴するし、二人の友情が羨ましくもある。本書は無意味に浪費しているようでいて、懐かしく愛おしい、かけがえのない青春の日々
本書(津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』角川書店、2008年6月30日発行)は「音楽につい…




妊娠についての医学的な説明が多く、軽いミステリーを楽しみたい向きにはハードルが高い。しかし、ラストの禁断の告白は衝撃的である。
本書(海堂尊『ジーン・ワルツ』新潮社、2008年)は医療崩壊の最前線である産婦人科医を主人公とした小…




人を馬鹿にした嘘を押し通す不誠実さへの怒りに共感
本書(佐藤賢一『王の逃亡 小説フランス革命Ⅴ』集英社、2010年)はフランス革命をテーマにした歴史小…




気持ちが高揚するような読後感ではない。しかし、万人がカッコいい人間ばかりではないという社会の現実を反映したリアリティがある。
本書(佐藤賢一『議会の迷走 小説フランス革命Ⅳ』集英社、2009年9月30日発行)はフランス革命をテ…




旧体制を代表する立場にあるタレイランはフランス革命では革命を支持する側に回った。その論理を本書は興味深く描いている。
本書(佐藤賢一『聖者の戦い 小説フランス革命III』集英社、2009年3月30日発行)はフランス革命…




行動しない知識人に対するミラボーの失望には共感する。革命への口火を切ったデムーランの意義も高く評価する。
本書(佐藤賢一『バスティーユの陥落 小説フランス革命II』集英社、2008年11月30日発行)はフラ…




本書で描かれた革命前夜のフランス社会の行き詰まりは現代の日本に酷似する。強い人間でないとしても信念を持ち続けることが大切であると感じた
本書(佐藤賢一『革命のライオン 小説フランス革命I』集英社、2008年11月30日発行)はフランス革…




主人公のラングドンが価値観を相対化できる人物である点が印象的
『ロスト・シンボル』価値観を相対化する主人公 本書(ダン・ブラウン著、越前敏弥訳『ロスト・シンボル…




過去の因縁をテーマにした韓国の歴史ドラマの王道を歩む作品である。過去を水に流すことを是とする日本社会の浅はかさとは大きく異なる特徴である。
本書(キム・ヨンヒョン著、根本理恵訳『大長今テジャングム 上中下巻』角川書店、2006年。下巻のみ2…




本書では厚生労働省が舞台となる。利権まみれの官僚や医療関係者がうごめく。魑魅魍魎のいる霞ヶ関ではゴキブリと形容された白鳥がまともな人間に見えるから不思議である。
海堂尊『イノセントゲリラの祝祭』(宝島社、2008年)は人気シリーズのバチスタ・シリーズの一作である…




神話の世界には文学のネタが豊穣である。『ハリー・ポッター』が堂々と取り上げたことは、一部の宗教界からは批判があるものの、文学の可能性を広げるものである。
J.K.ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズは、少年ハリー・ポッターの魔法使いとしての冒険や成長…




暗澹たる現実を描く本書の救いは悪徳弁護士の不正を糾弾する女性弁護士である。妥協を排し、正義を貫く彼女は清々しく、弁護士の理想的な姿である。
本書(ジョン・グリシャム著、天馬龍行訳『甘い薬害 上下』アカデミー出版、2008年)は弁護士の経済的…




格差社会・ワーキングプア・過労死などの問題意識から本書を読むならば肩透かしとなる。ポテンシャルのある人物が厳しい環境に揉まれて成長したという成功物語ではワーキングプアへの応援歌にはならない。
本書(黒井勇人『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』新潮社、2008年6月27日…




フランス歴史小説を得意とする著者によるデュマ三部作の最後の一冊である。 最初の『黒い悪魔』はフランス大革命期に活躍したアレクサンドル・デュマ将軍が主人公である。
本書(佐藤賢一『象牙色の賢者』文藝春秋、2010年2月10日)はフランス歴史小説を得意とする著者によ…

『活断層』開発は地域に百害あって一利なし
本書(堺屋太一『活断層』アメーバブックス、2006年)は離島の石油備蓄基地建設反対運動に翻弄される事…

無責任な建設・不動産業者、身勝手なマンション住民、他人事の行政、暴走する管理組合などマンション問題が濃縮されている。
本書(鎌田正明『全壊判定』朝日新聞出版、2009年4月30日発行)はマンション問題を題材とした小説で…

ゼロゼロ物件は「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、僅か数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する。
本書(門倉貴史『貧困ビジネス』幻冬舎新書、2009年)は、急増する貧困層を食い物にして儲ける貧困ビジ…