ツバメ号とアマゾン号 (アーサー・ランサム全集 (1))

夏休みをイギリスの湖沼地方で過ごす事にした、ウォーカー一家の子供達が、数日を島で過ごす間の冒険譚。 あと何回読むことができるかな。
52 アーサー・ランサム 「ツバメ号とアマゾン号」 1930年著。 全12巻のうちの1~2巻。…

本が好き! 1級
書評数:667 件
得票数:11746 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

夏休みをイギリスの湖沼地方で過ごす事にした、ウォーカー一家の子供達が、数日を島で過ごす間の冒険譚。 あと何回読むことができるかな。
52 アーサー・ランサム 「ツバメ号とアマゾン号」 1930年著。 全12巻のうちの1~2巻。…

女性どうしの連帯のお話・・・ いや、安映水(よんす)が居るから男性も・・・ う~ん・・・連帯というよりも、ケアやキュアのお話だろう。
629 川上未映子 「黄色い家」 女性どうしの連帯のお話・・・ いや、安映水(よんす)が居る…

30年近く前に独特の感覚を引っさげて、17歳でアムロ・レイのごとく現れた乙一の短篇集。 「よくぞこんなシチュエーションを考えたもんだ」と感心することしかりだった。 本著ではホラー色はかなり薄い。
55 乙一 「失はれる物語」 30年近く前に独特の感覚を引っさげて、17歳でアムロ・レイのごと…

「教場」で世間を騒がせた長岡弘樹のデビュー短篇集。 ミステリーを基調にしているんだけど、温かい視点がずっとブレずにあり、その中にぞっとする悪意も垣間見れる。
57 長岡弘樹 「陽だまりの偽り」 「教場」で世間を騒がせた長岡弘樹のデビュー短篇集。 ミス…

近未来の日本で独立した、当時のとおりの生活をして鎖国している、小国の「江戸」を舞台にしている。
58 西條奈加 「金春屋ゴメス」 近未来の日本で独立した、当時のとおりの生活をして鎖国している…

生死、男女を中心に、8つから成る短篇集。 向田邦子ばりの迫力を感じられた作品もあり、今後化けていくかもしれないと期待を持った。
60 小池真理子 「千日のマリア」 生死、男女を中心に、8つから成る短篇集。 向田邦子ばりの…

今回はスリルに満ちた逃避行もなく密室ばかりなのだが、十分に「嘘」「裏切り」「保身」「駆引き」「信頼」がバンバン出てくる群像劇を楽しむ事ができた。
61 ブライアン・フリーマントル 「魂をなくした男」 イギリスMI5の諜報員チャーリー・マフィ…

自分の代わりに生物や物を現す事ができる「表出者」たちの中編が2つ。 字面だけを追うと筒井康隆ばりのサイコアクションに見えるが、その裏には現代のぞっとする傾向への揶揄や比喩を見つける事ができて、興奮した。
62 三崎亜記 「手のひらの幻獣」 自分の代わりに生物や物を現す事ができる「表出者」たちの中編…

スパイ養成機関の陸軍中野学校をモデルにした「D機関」シリーズ第4作。 1~3作を読んでいて似たような謎解きがあったとしても、話の設定自体に大変な牽引力があり、キャラクターも魅力に富んでいて楽しめる。
63 柳広司 「ラスト・ワルツ」 スパイ養成機関の陸軍中野学校をモデルにした、「D機関」シリー…

相変わらず凄いエネルギーだ。 特に、二千以上の三文字熟語を並べた「三字熟語の奇」は、字面で読み飛ばす訳にはいかず、 たかが三文字の熟語に笑ったりして、近年で最も重たいページになった。般若心経かいっ!
64 筒井康隆 「世界はゴ冗談」 新刊短篇集。 相変わらず凄いエネルギーだ。 特に、二千以…

こんな薄い本に、短編が3つ入っているだけなのに、 我々の感受性や想像力・優しさ、ひいては我々の器を試す、 凝縮された言葉たちと、分厚い行間に満ちた小説だと、やっと分かった。
66 吉本 ばなな 「キッチン」 こんな薄い本に、短編が3つ入っているだけなのに、 我々の感…

宮本輝のテーマは ①「流転の海」シリーズのような「血縁」 ②「泥の河」「道頓堀川」の「地縁」 ③時に「にぎやかな天地」のような科学も、と思ってた。 本著では、以前にも増して①②の加速融合が楽しめるはずだ。
67 宮本輝 「田園発港行き自転車」 黒部川のほとり、富山の入善町を舞台にした大河ドラマ。 …

地方の警察官二人の周りを、新任巡査時代から退職後まで追った短篇集。 なぜ二人は張り合い続けながらも、昇進させるサポートを続けてきたのか。
68 長岡弘樹 「群青のタンデム」 地方の警察官二人の周りを、新任巡査時代から退職後まで追った…

家族ならではの深い「憎しみ」とさっぱりした「許し」を散りばめた短篇集。 9歳の孫から、80近くのお爺ちゃんまでと、視点を変えていくし、 主人公各々がフラッシュバックするので、空間的・時空的に飽きないよ。
69 辻村深月 「家族シアター」 辻村深月の新刊。 (って見てみたら、もう「朝が来る」っての…

なんかのきっかけで、アメリカと中国にやられちゃった日本では、 人工の殆どが東京に押し込められ封鎖されて統制下にある。 江戸川や荒川が中朝国境の豆満川となり、対岸には米兵が自動小銃だ。 そんな東京でのお話。
70 渡辺球 「象の棲む街」 なんかのきっかけで、アメリカと中国にやられちゃった日本では、 …

普通の作家なら、自分が引っ張ってきたり作り上げた異界を、「見てみて~っ♪♪」と、 時にくどいほど説明を重ねるのだが、 万城目学は、大事なカラクリだけをサラッと説明して、あとは語らない。 ここがとてもイイ。
72 万城目学 「鴨川ホルモー」 不思議な小説で、「◯◯にも引けをとらない」と例える人がなかな…

不穏なお話、課題を加速せているお話だと感じた。 残念ながら私は、物語の中の人へ入っていけず、物語が私の中へ入ってくることも少なかった。
627 九段理江 「東京都同情塔」 不穏なお話、課題を加速せているお話だと感じた。 残念なが…

さて本作の伊坂幸太郎は、「常識を疑え!」 だ。 近年にはない「伊坂の潔いジェットコースター」を読むことができた。
73 阿部 和重、 伊坂 幸太郎 「キャプテンサンダーボルト」 「ロマンはどこだ?」 「人間の…

銀座と築地市場の周りで起こる、ホームレス「ヤッさん」にまつわる連作集。 ヤッさんの一本気や切れの良い啖呵は、浅田次郎「天切り松闇がたり」や「きんぴか」あたりに通じるものがある。
75 原宏一 「ヤッさん」 銀座と築地市場の周りで起こる、ホームレス「ヤッさん」にまつわる連作…

9歳の蓮は父は出奔し、母が事故で亡くなった。 渋谷の町を彷徨っていたら熊の顔をしているバケモノに出会い「弟子にしてやる」と言われる。 熊が消えたビルの狭間に、追いかけて入って行ったら・・・
77 細田守 「バケモノの子」 アニメ映画の原作者でもある監督によるノベライズ。 映画の方は…