水は動かず芹の中

どよんとした読後感だったが、 ある人が解説の中で「題名は芥川龍之介の俳句から取ったと思われる」とあって、 調べていたら何だか合点した。
674 中島京子 「水は動かず芹の中」 河童をモデルにした「水神夜話」というお話を、物語の中で…

本が好き! 1級
書評数:668 件
得票数:11751 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

どよんとした読後感だったが、 ある人が解説の中で「題名は芥川龍之介の俳句から取ったと思われる」とあって、 調べていたら何だか合点した。
674 中島京子 「水は動かず芹の中」 河童をモデルにした「水神夜話」というお話を、物語の中で…

悲しいことばかりでもあるし、うれしいことばかりでもある、一生。
673 小原晩 「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」 一見では、美しくなさそうな、辛そうで…

このお話は「未来世紀ブラジル」(映画)だっ!
672 北野勇作 「昔、火星のあった場所」 消失してしまった「昔、火星があった場所」を舞台にし…

そう、このお話は「海人の成長の話」であって、 内乱などの設定も、スリリングな群像劇ですら、 「海人の成長のための舞台であり、小道具と脇役たち」に見えてくる。
671 打海文三 「裸者と裸者」(上下) 「応化クロニクル三部作」の第一部。 2004年に書…

恥ずかしくて人に言うことができなかった「ワタシの内緒の食癖」を、 いともサッパリと出してくれた感じだ。
670 マキタスポーツ 「グルメ外道」 食に関わるエッセイなのだが、マキタスポーツの独特の「感…

インスピレーションになったのか、 詩人T.SエリオットのBurnt Norton (1936)からの引用が効いた。 現在の時間と過去の時間は ともに恐らく未来の中にあり また未来の時間は過去の時間の中に含まれる
669 池上晴之 「ザ・バンド 来たるべきロック」 ロックバンド「ザ・バンド」についての評論。…

新キャラ登場が盛りだくさんで、哲学は少なめ、 とページを繰っていたら、最後のさいごに、どえらい哲学が差し出された。
668 いがらしみきお 「ぼのぼの 49」 新キャラ登場が盛りだくさんで、哲学は少なめ、 と…

赤松利市の実体験の底深さを、改めて認識した。 彼の新境地、では無いだろうか。
667 赤松利市 「白蟻女」 赤松利市の実体験の底深さを、改めて認識した。 彼の新境地、では…

読みながら、自分の口が少しずつ開いてきているのが分かった。 「ぽかん」と、し始めていたのだ。
666 小山田浩子 「ものごころ」 読みながら、自分の口が少しずつ開いてきているのが分かった。…

「私たちも『何か小さな使命』を委ねられて、この世に来たのかも」 なんて思わせてくれた、スモール・ファンタジー。
665 チョン・セラン 「J・J・J三姉弟の世にも平凡な超能力」 「私たちも『何か小さな使命』…

楽しみながらやる、という事は、凄いパワーを生むんだね。
664 鈴木俊貴 「僕には鳥の言葉がわかる」 大好きなシジュウカラの観察を通じて、彼らが「単語…

皆が頼るから、玲は「シスター・レイ」と裏で呼ばれている。
663 長浦京 「シスター・レイ」 東京下町を舞台にした、長浦京らしい疾走感にあふれたアクショ…

負けるな、お梅!! がんばれ、お梅!!
662 藤崎翔 「お梅は呪いたい」 巧妙に構築され、不動の主人公を作り上げたホラーコメディ。 …

私たちが普段感じている恐怖や不安感は、本物じゃない。まぼろしだ。
661 松永K三蔵 「バリ山行」 私たちが普段感じている恐怖や不安感は、本物じゃない。まぼろし…

重たい時間と、傷を描いた小説。
660 柴崎友香 「続きと始まり」 重たい時間と、傷を描いた小説。 2020年3月からの2年…

インプットに関して、取捨を厳しく行っているところに驚いた。
659 奥田民生 「59-60 奥田民生の 仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル」 民生ちゃん…

宮本輝の核心とも言える、この『流転迎春』(筆者の造語)を、書きたかったのだろう。 春を迎えて慶ぶ者たちがいて、そのすぐ側に厳しい冬に倒れる者もいる、という事なのだろう。
658 宮本輝 「潮音 第四巻」 翻弄された「富山の薬売り」たちも、新しい時代へと踏み出してい…

最も押し出したいのが、私と下村さんの「関わり」なので、それ以外の「人」や「事」が、 たいそう軽めに扱われている。 それでも十分だと感じられて、とても斬新だった。
657 竹中優子 「ダンス」 私と一回り上の先輩女性、下村さんとの「関わり」を描いている。 …

牽引力と遠心力が強い小説に、ノスタルジックというか昭和的な高妍の絵が合わさり、 違う世界のお話に感じられた。 また強いデジャヴ感、既視感に引っ張り込まれ、 気づいたら自分だけの「あの世界」に飛ばされていた。
656 村上春樹 「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」 初期の…

【ウミガメを砕く】と【彫刻の感想】の中編が2つ。 どちらも「アイヌの血」が、テーマとして重い伴奏を続けている。
655 久栖博季 「ウミガメを砕く」 【ウミガメを砕く】と【彫刻の感想】の中編が2つ。 どち…