歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

中華商場(台北の初期のデパート)を渡す、歩道橋の上の大道芸魔術師を道具にした短編集。 でも、お話たちの主役は「時間」だと思い至った。
584 呉明益 「歩道橋の魔術師」 中華商場(台北の初期のデパート)を渡す、歩道橋の上の大道芸…

本が好き! 1級
書評数:667 件
得票数:11741 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

中華商場(台北の初期のデパート)を渡す、歩道橋の上の大道芸魔術師を道具にした短編集。 でも、お話たちの主役は「時間」だと思い至った。
584 呉明益 「歩道橋の魔術師」 中華商場(台北の初期のデパート)を渡す、歩道橋の上の大道芸…

中編が二つ。 【共喰い】中編小説なのに、登場人物も限られるのに、 何だかもの凄い世界を見せられた、という感覚が強く残った。 【第三紀層の魚】 小学四年生の信道の日々を書いているが、血脈のお話だ。
【共喰い】 中編小説なのに、登場人物も限られるのに、 何だかもの凄い世界を見せられた、という感覚…

「晩年の家族」を描いた五つの中編。 舞台はもちろん北海道。 晩年で楽しくなかったり、上手くいかない方のエピソードが多いのだが、胸が詰まってきた。
497 桜木紫乃 「家族じまい」 「晩年の家族」を描いた五つの中編。 舞台はもちろん北海道。…

久し振りの宮本輝だったけれど、安心して最後まで読めた。 「この世には目をみはるほどの幸福が満ちている。気付くか素通りするかは、あなた次第だよ」 気付いてごらん、こんなふうに。
498 宮本輝 「灯台からの響き」 久し振りの宮本輝だったけれど、安心して最後まで読めた。 …

上橋菜穂子のデビュー作。 粗削りだけど、後の作品で継承される彼女の「強み」は、本著で既に輝いている。
499 上橋菜穂子 「精霊の木」 上橋菜穂子のデビュー作。 粗削りだけど、後の作品で継承され…

シンプルで強いメッセージを含んだ、重厚、重層な歴史小説。 ただ飯嶋和一のメッセージは、人によっては長く心の引出しにしまっていて、 触りたくない物を揺さぶり出そうとするかもしれないから、注意が必要だ。
500 飯嶋和一 「始祖鳥記」 シンプルで強いメッセージを含んだ、重厚、重層な歴史小説。 た…

高校2年の薫の、ひと夏のお話し。 「泡」という題名が秀逸だ。
501 松家仁之 「泡」 高校2年の薫の、ひと夏のお話し。 「泡」という題名が秀逸だ。 …

ミステリーとしても、人情噺としても素晴らしい時代小説。 どうしたらこんなカラクリや、あんなに魅力的な登場人物たちを捻りだせるのだろう。
502 宮部みゆき 「ぼんくら」 ミステリーとしても、人情噺としても素晴らしい時代小説。 ど…

「嘘」を道具に使った短編集。 主人公や登場人物が、だんだんと「ズレて」可笑しくみえていく様は、今村夏子の十八番だったし、他にも気づけたことがあった。
583 今村夏子 「とんこつQ&A」 「嘘」を道具に使った短編集。 主人公や登場人物が、だん…

1988年から2020年の32年間の、ある一家を題材にした連作短編集。 とても爽やかで、また自らを省みる読後になった。
503 藤谷治 「睦家四姉妹図」 1988年から2020年の32年間の、ある一家を題材にした連…

46の表紙では、ぼのぼのたちが葉っぱのマスクをしてる(下に図があります)。 どんなお話しになっているのだろう・・・
504 いがらしみきお 「ぼのぼの 45、46」 46の表紙では、ぼのぼのたちが葉っぱのマスク…

大阪北部の小さな遊園地「ほたるいしマジカルランド」に関わる人たちの、連作短編集。
505 寺地はるな 「ほたるいしマジカルランド」 大阪北部の遊園地「ほたるいしマジカルランド」…

エンタメを装っているが、垣根涼介としては異色の作品だと感じた。 何が異色かというと、女と男の関係や女の行動を、「理(ことわり)」に誘おうとしているところ。 そのことが、いつもと違ったいい味になっている。
506 垣根涼介 「月は怒らない」 エンタメを装っているが、垣根涼介としては異色の作品だと感じ…

初めて乙一の小説「失はれる物語」を読んだ時に強く「才能」を感じたが、その経験に酷似した読書になった。
507 一穂ミチ 「スモールワールズ」 形もアイディアも、切れ味よくダイナミックな短編集。 …

数年に一度会えるかどうか、という名著。 皆さんにも、是非お試しいただきたいです。 2021年度本屋大賞翻訳部門1位。
508 ディーリア・オーエンズ 「ザリガニの鳴くところ」 久しぶりに衝撃を与えてくれた。 数…

起こりそうもない事件が起きてしまう短編集。 切れ味が良いところもあったが、私にとっては「あっさりし過ぎ」だった。
582 コウイチ 「計画書」 起こりそうもない事件が起きてしまう短編集。 切れ味が良いところ…

街の通りにある、キオスクとそこにいるオルガのお話の絵本。 「ずっとまえから オルガは キオスクで はたらいています」 いったい、どんなことがキオスクとオルガにおこっていくのだろう?
581 アネテ・メレツェ 「キオスク」 街の通りにある、キヨスクとそこにいるオルガのお話の絵本…

45年も稼業を続けてきた、現役の殺し屋のお話。しかも女性だ。 「老境」が前面(全面)に出てきて唸ってみたり、他のテーマを楽しんだりできた。
580 ク・ビョンモ 「破果」 45年も稼業を続けてきた、現役の殺し屋のお話。しかも女性だ。 …

評でも解説でも、「重い題材を扱って」というトーンがあったけれど、 私にとって本著は、確かに濃密であるが、痛快な王道青春小説だ。
509 ソン・ウォンピョン 「アーモンド」 評でも解説でも、「重い題材を扱って」というトーンが…

本著は「ケルアックとブコウスキーを足して2で割った」感じだった, いや、ケルアックは同世代で早逝しただけで、ブコウスキーはもっともっと若いから、 実は二人がトンプスンのインスパイアなのかもしれないね。
510 ジム・トンプスン 「漂泊者」 ジム・トンプスンを読むのは三十数年ぶり、確か前回は「ポッ…