占

占いを道具に使った連作短編集。 出来は凄く良くて、いろんな気づきも出てきたのだけれど、 同時に、木内昇は長編なら更に光るのになぁ、とも感じた。
434 木内昇 「占」 占いを道具に使った連作短編集。 出来は凄く良くて、いろんな気づきも出…

本が好き! 1級
書評数:667 件
得票数:11743 票
語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。
ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。
主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。
また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。
PS 1965年生まれ。働いています。

占いを道具に使った連作短編集。 出来は凄く良くて、いろんな気づきも出てきたのだけれど、 同時に、木内昇は長編なら更に光るのになぁ、とも感じた。
434 木内昇 「占」 占いを道具に使った連作短編集。 出来は凄く良くて、いろんな気づきも出…

奈良から新宮までを、休憩も取りながら6時間半かけて走る走る路線バスに揺られながら、さまざまなことに思いを巡らせている私小説。
435 佐伯一麦 「山海記」 山あいを走る路線バスに揺られながら、さまざまなことに思いを巡らせ…

「むらさきのスカートの女」を追いかけるお話。
436 今村夏子 「むらさきのスカートの女」 「むらさきのスカートの女」を追いかけるお話。 …

自分の「故郷」「ルーツ」というものを、強く意識させられる物語。 明治37年に始まった日露戦争の暫く前に、樺太で二人の男が交錯する。
437 川越宗一 「熱源」 自分の「故郷」「ルーツ」というものを、強く意識させられる物語。 …

今まではバルサの「守り人」というお話であったものが、チャグムの「旅人」という新しい軸を得て、まだまだこの先世界が、そして彼らの人生が広がっていくぞという期待感を、私たち読者に十二分に感じさせてくれる、
438 上橋菜穂子 「虚空の旅人」 「精霊の守り人」シリーズの四作目。 今まではバルサの「守…

父が急逝してしまったあとの娘のお話。 舞台となる下北沢は「道具」と呼ぶには存在感がありすぎて、「準主役」と言えるだろう。 下北沢の「古き良き時代」の空気を、吉本ばななの言葉で読めるというところも贅沢だ。
439 吉本ばなな 「もしもし下北沢」 父が急逝してしまったあとの娘のお話。 舞台となる下北…

博多北天神のライブハウス「ブードゥーラウンジ」を舞台にした、私ノンフィクション。 筆者とお話との距離感が極めて近く、まるで「かぶりつき」で見ているように感じられた。
440 鹿子裕文 「ブードゥーラウンジ」 博多北天神のライブハウス「ブードゥーラウンジ」を舞台…

ブラック・ジャックを目新しい幾つかの観点から論じている。 最もページ数を割いているのは「ピノコとブラック・ジャックの愛の物語」という見方だ。
441 芹沢俊介 「ピノコ哀しやー手塚治虫『ブラック・ジャック』論」 ブラック・ジャックを目新…

鬼才赤松利市による、東北独立を道具に使った寓話。 彼の東北の人々に対する想いというものも真摯に伝わってくる。
442 赤松利市 「アウターライズ」 鬼才赤松利市による、東北独立を道具に使った寓話。 彼の…

ドラゴン・タトゥーの女、リスベット・サランデルの最終章。 にしては少しパンチが足りなかったように感じたが、どうやら作家さんを代えて、また再開するようだ。
443 ダヴィド・ラーゲルクランツ 「ミレニアム 6 : 死すべき女」 ドラゴン・タトゥーの女…

架空の南の島を舞台にして、虫を道具に使ったソフトホラー。 荻原浩としては異色なお話だと思われるが、初めての漫画も出版したそうで、 行動様式をグッと広げていくのかな。
444 荻原浩 「楽園の真下」 架空の南の島を舞台にして、虫を道具に使ったソフトホラー。 荻…

「本の発行、保持」が禁止されている世界のお話。 今の世への啓示が、そりゃあ沢山あった。
446 レイ・ブラッドベリ 「華氏451度」 「本の発行、保持」が禁止されている世界のお話。 …

バリ島とヒンズー教を道具に使っている。 小説というかドキュメントというか・・・ 奇才か異才か、まぁ当てる漢字は何でもよい。 中島らも以外には出せない言葉、選べない言葉、ありえない視点がある。
447 中島らも 「水に似た感情」 バリ島とヒンズー教を道具に使っている。 小説というドキュ…

このブログは、冒頭の2-3行で本のキャッチコピーを述べる「結論先行型」に大概しているけれど、 それがとても難しい、スケールが大きいというかダイナミックな物語だった。
448 古川日出男 「アラビアの夜の種族」 このブログは、冒頭の2-3行で本のキャッチコピーを…

「救い」をテーマにした物語、 だが、それだけではない。
449 梨木香歩 「エンジェル エンジェル エンジェル」 「救い」をテーマにした物語、 だが…

明治になったばかりの頃の、根津遊郭を舞台にした7-8年間のお話。 人の有り様を追いながら、その時代を映し出していく、木内昇の真骨頂がいかんなく発揮されている。
450 木内昇 「漂砂のうたう」 明治になったばかりの頃の、根津遊郭を舞台にした7-8年間のお…

大正の演劇を駆け巡った、「女優」の走りと例えて良い「伊澤蘭奢(らんじゃ)」の生涯を、 彼女に近しい4人の男の目から語って浮き上がらせている。
451 朝井まかて 「輪舞曲」 大正の演劇を駆け巡った、「女優」の走りと例えて良い「伊澤蘭奢(…

3年振りに志水辰夫が帰って来てくれた。 前作「奔れ新蔵」の新蔵が唐まで渡る、というおおきな活劇を携えて。
452 志水辰夫 「新蔵唐行き」 3年振りに志水辰夫が帰って来てくれた。 前作「奔れ新蔵」の…

「守り人」シリーズの第5作。 本著でも上橋菜穂子の筆は踊り、物語は勢いに乗って進んでいく。 悪役の中に「性悪」が見られない点にも恐れ入った。
453 上橋菜穂子 「神の守り人」 「守り人」シリーズの第5作。 本著でも上橋菜穂子の筆は踊…

自転車を舞台道具にして、ある家族の歴史を書いている。 更にその自転車を見つけることに関わった人たちや彼らの過去のストーリーから、 ここ百年くらいの台湾を、私たちの前に輪郭付けてくれている。
454 呉明益 「自転車泥棒」 自転車を舞台道具にして、ある家族の歴史を書いている。 更にそ…