核大国ニッポン




原子力発電から生み出されるプルトニウム。本来持つことを許されない敗戦国日本にそれが他国に比べて多量にある。核燃料サイクルをやめることができない理由はなぜか、日本人は何も知らないという警告。
「国難解散」 と現総理がやっと開いた国会の冒頭に解散宣言をした。北朝鮮の核の脅威に対して国の守りを…

本が好き! 1級
書評数:273 件
得票数:2307 票
年齢の壁の前に、すぐ忘れてしまいそうになる感想を書きとめようと思って書きはじめた書評ですが、献本を受け取ることで自分の本選びの幅もひろげられた様な気がします。皆さんの書評で気になったのものもメモって図書館に行ったり、このサイトに出会ってよかったなと思っています。今後もよろしくお願いします。




原子力発電から生み出されるプルトニウム。本来持つことを許されない敗戦国日本にそれが他国に比べて多量にある。核燃料サイクルをやめることができない理由はなぜか、日本人は何も知らないという警告。
「国難解散」 と現総理がやっと開いた国会の冒頭に解散宣言をした。北朝鮮の核の脅威に対して国の守りを…



「世界の中心で愛を叫ぶ」2017年版かなと。高校生たちの会話はこんな感じなのかな。テンポよく、悪ぶって、それでいて気を遣うー何とも言えない距離感がここちいいですね。
君の膵臓を食べたい」―衝撃的なタイトルとミスチルの主題歌に誘われて手に取った1冊。若者じゃない人が観…




書評欄で知った財政社会学者井出英策氏の著作。15年の大佛次郎論壇賞受賞。先の民進党の大会でのスピーチは胸に迫るものだった。図書館でリクエストしたら1か月後に買ってもらえた。皆さん、いい本はリクエスト!
学生のころ(といってもまだ学費36000円の時代、アルバイトしながら8年間で卒業する先輩も何人かいた…




新卒就職率が100%といえるほどに回復したという。しかし本当にそうなのか、陰に多くの非正規と積み残しの若者がいるのではないか。私たちの社会はこれでいいのか、そう考えた時に示唆を与えてくれる1冊である。
著者の井出先生は、国会の参考人として呼ばれたり、神奈川の生活保護者への不適正な対応をめぐる調査チーム…





ごみ捨て場から拾ったラジオから聞こえる物語と音楽。二つの国の若者につながる物語はここから始まる。ナチスが狙う宝石をのありかはどこなのか、スリリングな展開の中に壮大な人間ドラマもまた描かれる。
ナチスの時代を描く青春物語と言ってもいいのだろうか。ラジオから聞こえる音楽と朗読、それを介して少年と…





1920年敦賀港に56名のポーランド孤児たちが着き、日本では温かなもてなしをした。その史実からこの物語は始まっている。ショパンの国と日本とのすてきなつながりを教えてくれる物語でもある。
アンジェイ・ワイダーの「地下水道」は本当に暗く救いのない戦争を冷徹に見つめた作品だった。そしてこの物…



世界はポピュリズムに支配されているとは言うけれど、本当は指導者の言葉が軽く虚しいものになっていて、それを受け止める私たち一人一人の感受性もまた鈍っているのかもしれません。良い社会を残したいものです
自分がいくつになった時から、自分ではない者‐つまり未来に対してものを思うようになったのだろうか。社会…



世界はポピュリズムに支配されているとは言うけれど、本当は指導者の言葉が軽く虚しいものになっていて、それを受け止める私たち一人一人の感受性もまた鈍っているのかもしれません。良い社会を残したいものです。
自分がいくつになった時から、自分ではない者‐つまり未来に対してものを思うようになったのだろうか。社会…





女性にとっての出産とは母になれる喜びとともに決して思い通りにならない自分の生活を受け入れることだと言える。それでも母になりたいと思う女性たちへの心からのエール、若い世代に読んでほしい作品である。
動物としての人間が生きる意味はまさに自身の子孫を残すこと。社会的地位や名声、富等に恵まれていてもそれ…




社会性より個の内面へーそういう風に称せられることもあるJ-popだけれど、日常を見つめる目は深いのかもしれない。そしてそれが哲学への入り口になる。興味深い哲学入門書です
最近、大学の教養に哲学が必須となっていないというニュースを聞いたことがある。予算の配分なども「実利」…



嵐の大野君がナビゲーターとして出ていた番組で若冲を知りました。教科書にも出てこない絵師ですが関連するお寺も多く当時は活躍していたのだなと感じます。いわゆるメジャーではないということでしょうか。
ここ数年で爆発的な人気を博している伊藤若冲。今秋は各都市の展覧会で長蛇の列を作っている。かくいう私も…





基地の写真の入った本を出版したら逮捕されないかと弁護士に聞きに行ったら、「この本は売れるよ!」と言われ、でも逮捕されたらと聞くと、「もっと売れるよ!」と言われたという(笑)売れてほしい貴重な本だ。
サブタイトルに「沖縄・米軍基地観光ガイド」とあるように、南から北へと米軍基地をめぐって写真をふんだん…





日米の密約で日本の政策が米国の思うように動かされている、その実態と原因について具体的な事実を積み上げて論じた本書。何よりも著者の主張する憲法論が興味深い
民進党代表の蓮舫氏が語る「提案型」を思うとき、本書に書かれた憲法への提言はとても貴重であると思った。…




「家栽の人」この原作のライターが自分の歩んできた道を振り返り、そしてこれからの社会に出ていく若者や少年たちに呼びかける遺言。作品と同じく静かに語られるその想いは、常識と言う言葉の反対にあっても激しい。
毎話に植物と虞犯少年が出てくるこの劇画、少年は植物に注ぐ愛情と同じように根気よく手をかけて育てられな…




沖縄のヘリポート反対の土地がなぜあれほどに住民が反対するのか。この本を読んで初めて分かった。以前、住民をベトコンに見立てた訓練がされたという。そんな怖い話が満載の入門書だった。
「誰のお金で、誰の方を見て仕事をしているのか」と問いかけたのは、この3か月マスコミの注目を集め続けて…




表題のものを含めた12の短編集。祖父の過去を見つめた少年の日をつづる本編が核となって各々の作品が組まれている。作品中にポーランド出身のショパンの逸話などもあり興味深い。
「一人の人間にとって国家とか民族と言うのはどんな意味を持つのだろう」 この作者はグアテマラに住…




沖縄のニュースを見るたびに何かできないかと思う。沖縄を考えることは米軍と世界を考えることでもある。何かを絶対とすることは強権をもって排除という論理につながる。大切なものを落としてほしくはない。
米軍基地が世界中に張り巡らされていることをこの本を手に取るまで私はほとんど知らなかった。何百もの基地…



新聞で読んだ映画評。図書館で見つけた原作もまた十分に面白かった。21世紀にタイムスリップしたヒトラーもまたパワフルで群衆をひきつける力を持つ。私たちの社会はそれ以上のものを提示し得るだろうかと考えた。
アドルフ・ヒトラーがタイムスリップして現代のドイツに現れる。国民のことを考えるよりも前に、自身の亡骸…




核の平和利用、原子力発電の推進役を担った「原子力政策研究会」の録音テープを入手しその中から現在の原子力行政がどのように進められてきたのかを考察した労作。科学者達が国策に翻弄される様子がよくわかる。
本当に不思議なことだが、唯一原子爆弾を投下された国で、しかもビキニ環礁の水爆実験の被害=第5福竜丸事…



学歴を持たない政治家、聴衆をひきつける魔力を持った政治家…金権腐敗の象徴と思われた田中角栄の真実の姿は違うのだと根拠を示しながら語るこの1冊はリーダーの在り方をもまた考えさせてくれます。
石原慎太郎の「天才」が今、店頭を飾っているが、なぜ今、田中角栄なのか。おそらく時代が彼を再評価し、そ…