平成の終わりを告げるビデオメッセージ、今上陛下の勇気あるお言葉の深い意味を考える

平成28年（2016年）8月、今上陛下がビデオメッセージという形で国民に今の気持ちを語られた。「平成…

聖母と毒婦、相反する女の入れ替わり。社会問題、オカルト問題、としても興味深く読める作品

篠田節子さんの500ページにわたる大長編作。 信濃にある女性シェルターで火災が発生する。赤ちゃん連…

私立探偵杉村三郎、ますます絶好調。埋もれた社会の悪人をあぶりだす手腕に拍手を送りたい。

私立探偵杉村三郎シリーズで『希望荘』に続く短編集である。 離婚歴がある杉村が娘のことを思いながら、…

作家誕生の陰にある血の繋がり。作家としても女性の生き方としても、深いつながりを感じる。

この作品は、冒頭いきなり「祖母は醜女だった。」で始まる。主人公本田和歌は、自分の家族を思う時、必ずこ…

医学部卒業の医師の卵である主人公。医師でありながら患者の心の闇を見抜く驚異の観察力と推理が冴える

初読みの作家さんだ。 主人公は研修医師の諏訪野良太。大学の医学部を卒業し医師国家試験に合格し、二年…

小池さんらしい心理的サスペンス。美しい自然の中で孤独に暮らす女性が出会った恋は実るのかと最後までハラハラする。

ストーリー自体は未亡人と謎の主治医のロマンス。だがその医師には大きな秘密があり、その秘密が二人の行く…

陸上を諦めた主人公がラジオドラマ制作に燃えるストーリー。爽やかな湊かなえ風青春小説である。

湊さん、新分野にチャレンジしたのかな。 読む進むにつれそんな思いが強くなる作品だった。 中学…

江戸時代の診療所物語だが、初々しい恋愛もあり、ほっこりと心温まる作品である

「ふらここ」とは、ブランコのこと。 江戸の神田三河町界隈で、小児科診療所を営む医者の庭先に置いてあ…

江戸幕府第5代将軍徳川綱吉の悲劇

主人公は、江戸幕府第５代将軍徳川綱吉。 綱吉といえば、「犬公方」という悪しきニックネームがついてい…

生活保護とは誰のためのものか、今一度じっくりと考える必要がありそうだ。

震災後の宮城県仙台市で生活保護業務を担当する福祉保健事務所の課長が拉致された。課長は拘束されてて放置…

「働き蟻の法則」が成り立たない社会へと、作者の願いがタイトルに込められている

主人公・牧野聡美は、市役所福祉保健部社会福祉課で生活保護にかかわる業務を担当している。生活保護受給者…

通訳捜査官という仕事から見えてくる社会の歪みに驚く

通訳捜査官の七崎隆一は、中国語の通訳警察官として中国人の参考人や犯罪者の通訳をしている。あいつぐ中国…

藤沢作品の中でも、ハードボイルド的といわれる時代小説。犯罪者の動機が切なく描かれているのは流石である。

藤沢周平のハードボイルドな時代小説。 素人を仲間にして押し込み強盗を企む男伊兵衛。飲み屋の常連客、…

驚愕の昭和前半の物語。昭和の時代のドス黒い部分を忘れてはならないと肝に銘じる。

460ページあまりの長編小説。主人公の男性、羽生誠一の人生を通して戦争真っ只中から高度成長期に至るま…

誠が、Gボーイズが、新たな仲間を加えて、人知れず闇の悪を退治する！

真島誠と池袋Gボーイズのメンバーが 裏社会のトラブルを解決するシリーズ第14弾だ。 ●泥だけ…

主人公・三崎晧子の政界リーダーとしての手腕が冴える。現実にもこんな人物の登場がしてもらいたいと切に思う

大学教授三崎三崎晧子は、頭の切れる経済学者としてテレビのコメンテーターとしても活躍中だった。ある日、…

鳩子が結婚！　鎌倉の四季を通じて、人を幸せにする代筆文もますます冴えわたる。

『ツバキ文具店』の続編。鎌倉の山のふもとの小さな文房具屋「ツバキ文具店」の店主、鳩子の日常生活が風情…

臓器を抜き取られた無残な遺体が事件の真相を語る。イケメン刑事犬養はこの謎を解明できるのだろうか。

男の嘘を見抜くのは得意なのに女性には弱い超イケメンの犬養刑事。 以前、犬養が登場する短編集を読んだ…

しゃばけシリーズの外伝。本シリーズの脇役たちの意外性あふれる物語が展開する

江戸の薬問屋長崎屋の若だんなと妖たちがおりなすユニークな日々の物語、しゃばけシリーズの外伝だった。 …

戦争はいつまでたっても終わらない。夕凪の風景も蘇っても人々の心の傷は癒えない。

映画の小説版。映画も原作も見ていないが、 この続篇に当たる作品のテレビドラマを見て、読んでみたいと…