國破れてマッカーサー





冷静な資料紹介と検討からこそ、歴史から学べるはず
アメリカによるイラクの占領がはじまったころ、日本の「占領期」についての関心が集まったことがある。戦…

本が好き! 1級
書評数:692 件
得票数:8236 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





冷静な資料紹介と検討からこそ、歴史から学べるはず
アメリカによるイラクの占領がはじまったころ、日本の「占領期」についての関心が集まったことがある。戦…





教科書の教えない歴史は沢山ある。
占領下の日本に、新聞社の特派員として派遣された一ジャーナリストの日記である。ポツダム宣言受諾から間…





「しかも二十三歳の医学生という比較的身軽な立場から書かれたもので、真に書かれるべきは、家族も家も、或いは本人の命さえ奪われた多くの人々の記録であったろう。」(まえがき、5~6頁)
著名作家の有名な日記です。どこでどう知ったのかはおぼえていないのですが、それくらい有名なものです。…





日本の8月は有意義だ
1945年8月15日にポツダム宣言受諾を発表して以来、8月の日本には「戦争もの」があふれる。書籍、…





同時代の時空間を再現する試み
毎夏、繰り返し問われる「昭和史」の主題の1つは、「あの戦争は避けられなかったのか」ではないだろうか…

「作家が愛した東京の、失われた風景を歩くイラスト紀行。」(帯より)から20年余り、「失われた風景」さえ失われゆくのだろうか。
サブタイトルの通り、イラストレータでもある著者が、6名の文士のゆかりのある街を歩き、その文士のいた…





「おふくろは生前この木が好きで、寝込む前には、よく秋の黄葉の美しさや、潔い落葉の光景を話題にしていた。」(「落ち葉しぐれ」、246頁)
2002年刊行の随筆集です。 中心をなすのは、『家庭画報』誌上で1990年代後半に連載された「…





奄美大島の本土復帰は何周年になるでしょうか?
「戦後*0年」は、何かの節目であるかのように語られる。ならば、奄美大島が米軍占領下から日本本土への…




可愛くて、寂しくて、楽しくて、悲しくて、嬉しくて、
表紙の赤い子犬の「編みぐるみ」が目につきました。見掛けた「実物」と同じだったからです。この可愛い子…




「もう一度繰返し言わせていただくなら、本書に風景画史に関する体系的な論述を期待される読者は、きっと失望されるであろう。」(序、9頁)
我ながら「身の程知らずでは」と思いながら手を出してみた1冊。 博物館・美術館に行かないわけでは…




「ゆるミス」というより、「名探偵登場!」の巻
『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』につづく第二弾。きっちり三年後に14歳編が出るとは、と少々…





ハードボイルド兼業主婦小説
「働く女性」を主人公とした小説がまとまりをもって登場するようになったのは、1980年代半ば以降の総…




柚木草平シリーズ番外編の「ふわミス」もしくは「ふわハードボイルド」
ハードボイルド作家のはずの作者にしては、やけにガーリーで華やかな装幀と感じたものの、今回の語り手が…





よく見ると、原題はサマータイム・ブルースではないのですね。いい訳だと思います。
「サマータイムマシーン・ブルース」という映画を見たことがある。史上もっともゆるいタイムマシンもの、…




「私は『本をよむこと』ももちろん好きだけれど、それ以上に『本に囲まれている』のが好きなんだと、ある時、意識した。」(はじめに、4頁)
2007年刊行と、だいぶ年月が経った書籍の紹介となりますが、紹介されている図書館のもつ雰囲気に惹か…




「自分が憧れていた華やかなトーキョーの片隅には、もうひとつの顔をもつ『東京』が拮抗し、リアルな生活が息づいていることを知った。」(「スリバチ歩きは永遠に」、202頁)
散歩・街歩きが大人の趣味として確固たる地位を獲得してから、おそらく30年ほど経っているのではないだ…





リアル『仁』の世界をたどる
ドラマ『仁』にはまった時がある。再放送でも、また、はまってしまった。西暦2000年に生きる脳外…





新書のロングセラーにはずれなし
手元にあるものは、2004年29刷。1979年刊行なので、ほぼ毎年増刷していることになる。タイトル…





「もらってうれしい土産じゃフツーじゃん。誰がこんなもん買うわけ?って常識を疑っちゃう奴がいいわけ。」(8頁)
希代の知識人・みうらじゅんによる新造語として、「マイブーム」「ゆるキャラ」に続けて世に広まった言葉…





「心理歴史学」の見果てぬ夢をさぐる。
現在、経済学や統計学のみならず、社会科学一般を学ぶ人・学んだ人にとって、「ゲーム理論」ということば…