アメリ

オトナの絵本のような映画化もされた作品。たまにこんなものでゆとりをもつのもいいかも。
ブリキの缶に入っていたのは、昔のサッカー選手のブロマイド、ブリキのレーシングカー、小さな自転車競技…

オトナの絵本のような映画化もされた作品。たまにこんなものでゆとりをもつのもいいかも。
ブリキの缶に入っていたのは、昔のサッカー選手のブロマイド、ブリキのレーシングカー、小さな自転車競技…

思い切りの良い、鋭利な洞察に圧倒される小林秀雄に今ぞっこん。様々な彼の評論を狩したい欲求が渦巻く。
ドストエフスキーの『罪と罰』の下巻を読み終えて、上巻を読んで拙速な断じ方をしたことの反省として他者…

「命の再生」をテーマにした宮本作品のひとつ。阪神淡路震災をモチーフに描いた作品。
当時勤めていた職場の廊下から見える一本の桜の枝木がみえる。 冬枯れした辺りの風景と同化して、寒…

幼い心に潜む「むごさ」を描ける希有な著者。白洲正子が唯一ファンレターを送った相手でもあった。
幼なこころには、うすばかげらふの透き通った羽をはためかせるような、或いは鱗粉をこぼさないようなそっ…

寺田寅彦の弟子で、雪の結晶の研究に終生つくした人である。その純粋性は代表的随筆『雪』でもみられ追うようにしてこの著を紐解いた。
子供の頃、窓の桟越しに降ってくる雪をみていると自分がどんどん上へ上へと昇っていくような錯覚をした。…

大東亜戦争勃発から終戦に到る「昭和史」を理解するうえでの良書として選書した半藤氏の力作
1931年(昭和6年)9月18日に中華民国奉天(現瀋陽)郊外の柳條溝(湖)で、関東軍が南満州鐵道の…

よっぽど露伴が好きとか、歴史好きとか、マニアックな衒学が趣味という人以外にとってはあまり面白くない話で、あまり薦めても大抵投げ出したくなる。澁澤龍彦の『うつろ舟』などに感興できる人なら薦めてもいい。
最初に断っておくが、よっぽど露伴が好きとか、歴史ものが好きとか、マニアックな衒学が趣味という人以外…

「栄枯盛衰」は歴史を貫徹する。慈円を通し乱世の世を彼の「政治論」で綴った「君臣魚水合体」の実体とその後に来る「武士(むさ)の世」を彼がどうとらえたか。
歴史とは栄枯盛衰の繰り返しであると言っても良い。「驕れるものはひさしからず」という「平家物語」にも…

一幅の曼陀羅が眼前にあっただけだった。 語り部の老女の語りを挟みながら、古代人の心に映る「オモカゲ」を物語ろうとした民俗学者折口信夫の代表作。
折口信夫は、優れた民俗学者であると同時に優れたいち表現者たりえた。代表作『死者の書』の執筆には、一…

露伴の博覧強記が釣りの世界で発揮された怪談。
露伴の博覧強記は何事につけ我々の前に披露されるのであるが、こと釣りに関してさえこれほどという最早茫…

戦場での異常化する人間心理。南方に送られた主人公の彷徨。戦時下のなまなましい「人喰」を含む描写に鬱屈した気分にさせられる。
今時大戦(第二次世界大戦)が我が国にとって如何に愚かしくも無駄な死を一般国民に強いたかについて、今…

紙の本に対するフェティシズムをそそるまさに「本好き!」の為の愛書。
先日青山学院文学部の教授をしている高校時代の友人と飲んだ。とはいっても彼は二三ヶ月前に心筋梗塞を煩…

須賀敦子に夢中になる嚆矢となった一冊。
どの位読んだとか、後どのくらいで読み切れるかと気になってページを閉じて栞の挟んであるところから残り…

グーテンベルグの活版印刷が発明されてから人類は「無意識」をもつようになった。 「知のテロリスト」=マクルーハンの奇抜な発想に暫しとまどう。
どこから読んでも構わない自由さがある。まさに「銀河系」を彷徨う事が出来るし、星と星を繋ぐ星座の線を…

日本語の話者がもし明日から、いや徐々にでも日本語を話すことを国家的に禁じられたとしたら・・・
言語多様性の危機についての膨大な調査とデーターに基づく大作である。生物多様性の危機には多くの関心を…

まだ巷に認められているとは言えないネオテニー。「大幅にのばされたフラジリティ」との評価も。
モンターギュの『ネオテニー』。「幼形進化(もしくは幼形成熟)とは、先祖もしくは同一種または亜種の、…

こんなに力のある作家だとは『第三の男』の時点では思ってもいなかった。
グレアム・グリーンの『情事の終わり』を読んだ。何故急にグレアム・グリーンなのか。たぶんYouTub…

もっと「現実」を「監視カメラ」の届かない視野で見ていかなければならないのだろう。
はっきりいって疲れた。彼の示すところの「危機」や「恐怖感」は津波のごとく伝わるのだが、あたかもいく…

模型の思想は「ミメーシス」と「もどき」の思想である。そこにはリアルとヴァーチャルを分断するものがない。 細部に亘り実物を再現する田宮氏の模型に賭ける情熱を感じさせる。
今僕は還暦を過ぎて小学生以来何十年振りで模型製作にこり出している。まるで盆栽でもいじるように、細か…

豊饒の海4部作をまとめて簡略に記してみた。 彼の実行が狂気であれ、何であれこの豊饒の海に思想的に準備されたと仮定せずにいられない熟成がある。 これは彼の決意であり、終生の美学の終焉を飾る最終章であろう。
豊饒の海4部作を最後から逆に読んでみようという悪戯を思い立って読み始めた。 そもそも澁澤龍…