強盗紳士




ルパンものの第一短編集は、新潮社版と創元社版があり、掲載作に若干の異同がある。特に創元社版に漏れた「アンペール夫人の金庫」事件は、アルセーヌ・ルパンの名の由来が語られていてファンは見逃せない作品である
こちらは創元社の 「怪盗紳士リュパン」 と同じくルパン物の第一短編集であるが、Wikiによれば、この…

本が好き! 1級
書評数:1689 件
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神奈川県に住むサラリーマン(技術者)でしたが24年2月に会社を退職して今は無職です。
読書歴は大学の頃に遡ります。粗筋や感想をメモするようになりましたのはここ10年程ですので、若い頃に読んだ作品を再読した投稿が多いです。元々海外純文学と推理小説、そして海外の歴史小説が自分の好きな分野でした。しかし、最近は、文明論、科学ノンフィクション、音楽などにも興味が広がってきました。投稿するからには評価出来ない作品もきっちりと読もうと心掛けています。どうかよろしくお願い致します。




ルパンものの第一短編集は、新潮社版と創元社版があり、掲載作に若干の異同がある。特に創元社版に漏れた「アンペール夫人の金庫」事件は、アルセーヌ・ルパンの名の由来が語られていてファンは見逃せない作品である
こちらは創元社の 「怪盗紳士リュパン」 と同じくルパン物の第一短編集であるが、Wikiによれば、この…




リュパン登場の記念すべき第一作。彼のデビューは彼の逮捕という奇抜さ。その他、少年の頃のリュパン最初の事件、伝記作者「私」と知り合った経緯を示す事件など、最初の短編集に相応しい内容。
日本では一般的にはルパンで通っているが、創元社のこのシリーズではLupinに対する原語の発音を重視し…





本書は短編集の形式。ラインハルトとヤンの時代から遥か150年昔に遡る「タゴン星域会戦記」やミステリ仕立の「朝の夢、夜の歌」、「汚名」など著者の遊び心満載。
銀河英雄伝説の外伝の第五巻。巻末に著者・田中芳樹への50頁ほどのインタビューも載っている。 銀河に…




エル・ファシルの英雄と称えられた若きヤン・ウェンリーは、その功績のご褒美休暇で、43年前の第二次ティアマト会戦の英雄アシュビーの死が戦死なのか謀殺なのか、私的調査を頼まれた。
銀河英雄伝説の外伝の第四巻。今回は自由惑星同盟の未来の英雄ヤン・ウェンリーが主人公。自由惑星同盟は、…



主人公ラインハルトの若い時代。彼は、リューネブルクと言う自由惑星同盟にいったんは亡命し、更に銀河帝国側に再亡命した人物と知り合う。彼は節操もなく嫌味だが軍事的には有能な男だった。
銀河英雄伝説の外伝の第三巻。今から2千年近い未来、宇宙に進出した人類は専制の銀河帝国と民主共和政の自…


政治的に対立する銀河帝国と自由惑星同盟の最前線、イゼルローン要塞に滞在するユリアンと言う兵卒の日記。彼は自分が仕える若き提督ヤンに心酔している。
銀河英雄伝説の外伝の第二巻。著者は外伝では自由に遊んでいるようで、「ユリアンのイゼルローン日記」の名…



銀雄伝の外伝の第一巻。正伝の前日譚、主人公ラインハルトと、その両腕と言ってよい幕僚ミッタマイヤーとロイエンタールとの邂逅を描く。
SFのジャンルのひとつに、未来の架空の歴史を叙述する「未来史」と言うものがある。アシモフの銀河帝国シ…




2000年頃に書かれた、失われた三十年、を予想した小説。この本の執筆当時は失われたのはたった十年だったはずだ。日本の閉塞感をよく表した小説である。
パキスタン北部でパシュトゥーン族と暮らす中学生がいる、という報道をきっかけに日本の中学生たちが、今の…



ひとにぎりの未来と言いながらも、未来を描いた作品は少なめ(だから「ひとにぎり」なのか?)。むしろ星新一の代表的キャラクターのエヌ氏が活躍する作品が多い。
40編のショート・ショートを載せた作品集。1969年初出なので、中期の作品集と言った感じ。 本書で…





パステルナークが執筆した「ドクトル・ジバゴ」は不当にも反体制小説とされた。それをソ連国内に流布させようとCIAは作戦計画をたてた。
邦題の「あの本は読まれているか」の「あの本」とはパステルナークの 「ドクトル・ジバゴ」 である。日本…



メーキャップ師アルカージイと女優リュボーフィの悲恋。身分制の厳しい社会で生きる若者たちの苦難を描いている。
副題は「墓のうえの物語」である。語り手が少年時代に乳母リュボーフィ・オニーシモヴナから聞いた話を書き…




星新一が1970年代に予想したインターネットと人工知能。作家の先進性が光る連作短編集。
星新一の連作短編集である。1970年に執筆されたもので、世に知られたショートショート集が幾つか出そろ…




ムツェンスク郡のマクベス夫人と呼ばれたカテリーナの悲劇。嫁ぎ先の退屈な生活に飽きて若い番頭を愛人にし、舅と夫を始末した。だが真の悲劇はその先にあった。
裕福な商人イズマイロフの妻となったカテリーナ・リヴォーヴナの話。彼女はムツェンスク郡のマクベス夫人と…



断食芸人は苦労せず断食が出来ると言う特技があった。人気のある時代は興業主が40日以上の断食をさせない。人気が落ちてサーカスに売られると断食は何日でも出来たが、人々の関心はなくなった。
断食する姿を人に見せることを生業とする芸人がいた。かつては人気者であり多くの観客に囲まれていた。興業…





ロシア版のクリスマス・キャロルと言ってよい、心温まる話。
副題が「クリスマスの物語」である。どうしてなかなか、レースコフの名は日本ではディケンズより知名度は低…




人の信念とは何か。流刑地での処刑を通じてカフカが明らかにしたもの。
主な登場人物は、この流刑地(実は島)で死刑を担当する将校とその処刑を見学する旅行者(後で、彼はフラン…




戦後暫くのこと、結核の病状が良くなったメラニーは寝室から出て居間で午後を過ごすことを医師から許された。彼女は居間にある自分が購入したヴィクトリア朝の寝椅子で眠ったが目覚めると・・。
メラニー・ラングドンは、夫ガイが刑事弁護士で裕福な夫婦であるが、長男リチャードの妊娠中に結核に罹って…



商売に成功し、金持ちの娘とも婚約したゲオルク。彼にはロシアで一旗揚げようとしている友人がいた。その友人は、ゲオルクと違い苦境にあるのだが・・。
ゲオルク・ベンデマンは、身を立てるためにロシアにずっと行っている友人への手紙を書いたところだった。ゲ…




ノサックという戦争時のドイツを一般庶民の視点から捉えた作家の短編集。戦争を民衆の目から捉えた傑作が揃っているが、その内容は重たい。
ノサックというドイツの作家の短編集。第二次世界大戦直後に作品を発表し、「廃墟の作家」としても有名だと…





変身を通じてわかる、人間のあさましさ
本書の書き出しは名作文学の中でも最も知られる部類のひとつである。 ある朝、グレゴール・ザムザが気…