何かと話題(と勝手に思っている)のマンガで、第3巻については記したものの、その前2冊については書いていなかったので。
本書は読む途端に面白さにとらわれて、職場に「こんなマンガがある!」と持って行ったところ、複数人にまわされたという履歴があり、ために自分の手元に戻ってきたのがつい先日、というもの。
(以上はどうでもいいことだが。)
今回は、少し味わいながら読んでみようとゆっくり最初から読み直していった。再読。
再読して気付いたのは、本についての蘊蓄というか、その本についてあーだこーだと言ってるわけじゃない、内容にはあまり触れていない、ということ。
十月堂という古書店を始めることにした兄ちゃんに、古書店をたたむおやじさんが最後に売る本は、ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』だが、それがどうのこうのは全くない。
一方で閉店を決めたおやじさんの店で、兄ちゃんが正月に買ったのはレイ・ブラッドベリの『華氏451度』だが、それについてはちょっと会話がある。
また、着物の話をメインとしたストーリーでは岡本綺堂の『半七捕物帳』が扱われるが、着物をめぐって若いおねぇさんと、昔若かった女性とがお話をする中で、いなせな半七親分を語り合うシーンも出てくる。
買い取った本にはさまっていた現金を返しに行った先にある(居る)寺田寅彦の好きなものとの関係。
十月堂の店主にちょっと憧れている女子高生に勧める森茉莉の本。
などには少しずつ、触れられているが、饒舌ではない。
その具合もなかなか気持ちいいな、と改めて感じた。
本書をめぐってはよく出てくる美大生の暴挙は、「青木まりこ」現象のエピソードから始まっているのも、ちょっとした連続物的なものが本作に現れた最初だったんだ。
ちなみに、その美大は「藻紋我美術大学」(モモンガビジュツダイガク、略してモモビ)という名称だった。
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